デリケートゾーンの皮膚疾患

皮膚の病気は、デリケートゾーンと言われる陰部や性器あたりにも発症することがあります。当院はデリケートゾーンにできるヘルペスや湿疹、股部白癬(こぶはくせん:内ももから股間にかけて繁殖した、白癬菌による感染症)、尖圭(せんけい)コンジローマ(性交渉によって生じるいぼ)、臀部毛包炎(でんぶもうほうえん:お尻あたりにある毛根を包む組織の炎症)などの治療に対応しています。

陰部は感染症や腫瘍などができることもあり、早めに診せることが大切です。当院は女性医師が担当しますので、とくに女性の患者さまは相談しやすいのではないでしょうか。病気によっては、お薬をつかうことで症状が楽になることもあるため、受診をおすすめします。

デリケートゾーンの皮膚疾患

単純ヘルペス(口唇、陰部)

ヘルペスウイルスの感染で起き、顔にできるⅠ型と外陰部・臀部にできるⅡ型のウイルスの2種類があり、初感染で口内や外陰部に発疹ができたときは高熱と激痛があり、つらくなります。
ヘルペスの治療は、抗ウイルス剤の内服と外用を行いますが、いったん体内に入った単純ヘルペスウイルスを完全に排除することはできません。しかし、薬を用いることによって、ウイルスの増殖を抑えることは可能です。適切な処置をするのが早ければ早いほど、症状は軽くすみます。
陰部は、湿疹・真菌などの感染症、腫瘍などもありますので、見せにくい部位も、見せて頂くことによって解決することが多くあります。恥ずかしいからと言って症状がひどくなる前に一度お気軽にご相談ください。

陰部湿疹

文字通り陰部にできる湿疹です。痒みが発生すると無性に掻きむしりたくなりますが、場所が場所だけに公の場ではなかなか行動に移しにくく、また掻きむしると余計に痒みが増すなど悪循環に陥るケースも多々あります。陰部の中でも男性の場合は陰嚢の裏側あたりに湿疹(陰嚢湿疹)を発症するケースが多く、暑い季節になると痒みはひどくなっていきます。症状としては赤くなり痒みが出るという場合がほとんどで、汗や風通しの悪さによるムレムレ感、雑菌、下着ズレなどが原因で起きると言われます。
また、女性特有の陰部湿疹としては、外陰皮膚掻痒症というのがあります。原因ははっきりしませんが、外陰部に痒みが出るというもので、更年期以降に発症するケースが多いようです。ホルモンの低下による皮膚の新陳代謝の衰えが痒みを生じさせているのではないかと言われています。治療については、ステロイド剤の塗布が中心になります。なかなか相談しづらい箇所ではありますが、痒みが治まらないときは、ご自身で病状を特定せずに一度皮膚科を受診されることをお勧めします。

股部白癬

白癬とは皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌(カビ)によって生じる感染症です。水虫は白癬菌が足や足の爪あるいは手(手水虫)などに寄生するのに対して、股部白癬は、内ももから股間にかけて白癬菌が繁殖します。感染すると非常に強い痒みと弧を描くような丘疹ができます。感染するのは、ほとんどが成人男性であり、その中でも今ままでは若い世代が多かったのですが、近年は高齢者の男性患者も増えています。水虫と同様に人から人へ感染しますので、タオルの共用などは避けてください。治療については、抗真菌薬の塗り薬が中心となります。このほか、患部を常に清潔にしていることも大切です。なお、股部白癬は別名として、いんきんたむしとも呼ばれています。

尖形コンジローマ

尖形コンジローマは、尋常性疣贅(いぼ)と同じようにヒトパピローマ(HPV)ウイルスの感染によってできるいぼで、性交によって感染します。感染後、3ヵ月ほどで性器や肛門周辺に鶏のトサカ(カリフラワー状)、もしくは乳頭のようないぼができます。発症までの期間が長いので、感染が広がりやすいのが特徴です。症状が出ると痒みや痛みを感じる人もいますが、無症状の人もいるようです。治療は、塗り薬や凍結療法のほか、外科的切除を行うこともあります。再発のリスクは高いので、完治するまでは性交渉は控えてください。

臀部毛包炎

毛包炎は、皮膚に生じる感染症の一つで、皮膚上の毛包部に細菌が感染して起こる症状を言います。黄色ブドウ球菌などが感染の原因となることが多いです。感染すると毛包部に膿を持った小さな赤いぶつぶつができますが、痒みや痛みはありません。これが悪化していくと、ぶつぶつの中に芯のようなしこりができます。このような毛包炎は、太ももやお尻にできやすく、お尻にできる症状を臀部毛包炎と言います。アトピー性皮膚炎の方をはじめ、カミソリ負けや刺激のある素材の衣類の着用などで皮膚の傷や肌荒れを起こしたときなどに毛包炎を発症しやすいと言われています。治療方法としては、症状の範囲が狭い場合は、自然治癒で問題ありません。症状の範囲が広かったり、必要であれば、抗菌薬を使用します。日頃から皮膚を保湿し、清潔にしておくことが大切です。