糖尿病治療薬「エクア(ビルダグリプチン)」選択的DPP-4阻害薬

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エクアとは?

エクアの写真

エクア(一般名:ビルダグリプチン)は、インクレチン(消化管ホルモン:グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)など)を分解するDPP-4という酵素を選択的に阻害する薬剤です。
代表的なインクレチンであるGLP-1は、血糖に依存して膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進するとともに、膵臓のα細胞から過剰にグルカゴン(肝臓からの糖の放出を促進するホルモン)が分泌されるのを抑制します。
エクアは、DPP-4を選択的に阻害してインクレチンの濃度を上昇させ、結果として血糖低下作用を示します。
ちなみに、「エクア(Equa)」という名称は、「等しい、平等」を意味する「Equal、Equality」と、「質」を意味する「Quality」が語源で、インスリンとグルカゴンおよびα細胞とβ細胞の作用と質をバランスよく保つという意味で名付けられたとのことです。

エクアの特徴

効能効果・用法用量

エクアは、2型糖尿病に適応があります。
通常、成人には1日2回、朝夕に50mgずつ投与します。なお、状態によっては1日1回、朝に50mg投与することもできます。

血糖降下作用

非薬物療法(食事療法+運動療法)を行っても十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、エクア50mgを1日2回12週間投与することで、HbA1c値(平均7.9%)が約1.0%低下したと報告されています。

プレドニン眼軟膏の塗り方

プレドニン眼軟膏を使用する前には、石鹸などできれいに手を洗ってください。そして、使用前にチューブの先から少しだけ軟膏を絞り出し、清潔なティッシュで軟膏をふき取ってから使用してください。
使用後は、チューブの先端を清潔なティッシュでふき取ってからキャップをしてください。

治療上のメリット

エクアは従来の糖尿病治療薬とは作用機序が異なるため、インスリン注射薬などほとんどの糖尿病治療薬と併用できます。
また、血糖に依存して作用が発現するため、低血糖を起こしにくいという特徴もあります。一方で食欲増進作用がないため、体重増加をまねきにくいというメリットもあります。
さらに、食事の影響を受けないことから、食前・食後いずれでも服用できるのも特徴です。

エクアを外用する上での注意点

エクアを服用できない方

以下に該当する場合は、エクアの服用が禁忌とされています。

  • エクアの成分に過敏症の既往歴がある場合(重篤なアレルギー症状があらわれるおそれがあります。)
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の場合(輸液およびインスリンによるすみやかな高血糖の是正が必須となるため、エクアを投与すべきではありません。)
  • 重度の肝機能障害がある場合(肝機能障害が悪化するおそれがあります。)
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷がある場合(インスリン注射による血糖管理が望まれるため、エクアの投与は適しません。)

服用に注意が必要な方

以下の場合は、エクアの服用が禁忌ではありませんが注意が必要です。

  • 心不全(NYHA分類III~IV)がある場合(使用経験がなく、安全性が確立していません。)
  • 低血糖を起こすおそれがある以下の場合(エクアの服用で低血糖の発生リスクが高くなります)
  • 脳下垂体機能不全または副腎機能不全がある場合
  • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の場合
  • 激しい筋肉運動を行う場合
  • 過度のアルコール摂取がある場合
  • 腹部手術の既往または腸閉塞の既往がある場合(重大な副作用の一つである腸閉塞を起こすおそれがあります。)

その他、腎機能障害がある場合・肝機能障害がある場合なども、エクアの服用には注意が必要です(参照:特定の患者さまへの使用に関して)。

エクアの副作用

おもな副作用として、めまいや振戦(ふるえ)、動悸、便秘、腹部の張り、多汗、空腹などが報告されています。
また、肝炎や肝機能障害、低血糖、急性膵炎、腸閉塞、類天疱瘡などが報告されています。重大な副作用の発生頻度は明らかになっていませんが、下記のような症状があらわれた場合は適切な処置を行ったり受診したりしてください。

肝炎、肝機能障害 食欲不振、全身のだるさ、
皮膚や白目が黄色くなる
血管浮腫 まぶた・唇・舌などの腫れ、
呼吸困難、蕁麻疹
低血糖 めまい、冷や汗、脱力感、
動悸、手足のふるえ、強い空腹感
横紋筋融解症 筋肉痛、脱力感、
こわばり、しびれ、赤褐色の尿
腸閉塞 高度の便秘、腹部膨満、
持続する腹痛、嘔吐
間質性肺炎 空咳、呼吸困難、発熱
類天疱瘡 水疱、びらん、紅斑

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

添付文書上、エクアとの併用が禁忌となっている薬剤はありません。しかし、糖尿病治療薬や血糖降下作用に影響を与える薬などとの併用には注意が必要です。他の医療機関で下記のような薬剤を処方されている場合は、診察時にご相談ください。

  • 糖尿病用薬:血糖降下作用が増強され、低血糖のリスクが増加するおそれがあります。
  • 血糖降下作用を増強する薬剤(例:β遮断薬(高血圧や心不全などの治療薬)、サリチル酸剤(抗血小板薬など)、モノアミン酸化酵素阻害薬(パーキンソン病などの治療薬)、フィブラート系薬剤(高脂血症の治療薬)など):血糖降下作用が増強されるおそれがあります。
  • 血糖降下作用を減弱する薬剤(例:副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、アドレナリンなど):血糖降下作用が減弱されるおそれがあります。
  • ACE阻害薬(高血圧などの治療薬):ACE阻害薬との併用で重大な副作用である血管浮腫の発現頻度が高かったとの報告があります。

特定の患者さまへの使用に関して

腎機能障害がある方への使用

中等度以上の腎機能障害がある場合、または透析中の末期腎不全の場合は、エクアの血中濃度が上昇するおそれがあります。そのため、用法・用量の調節を行うなどして慎重に治療を進めていきます。

肝機能障害がある方への使用

重度の肝機能障害がある場合は、エクアを服用できません。これは、エクアの投与で肝機能障害のさらなる悪化をまねくおそれがあるためです。
重度ではない肝機能障害の場合は禁忌ではありませんが、エクアの服用で肝機能障害が悪化するおそれがあるため、慎重に投与を検討します。

妊娠中の方への使用

エクアは、動物を対象とした試験で胎児への移行が報告されています。
したがって、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方には、投与しないことが望ましいとされています。

授乳中の方への使用

エクアは、動物を対象とした試験で乳汁中への移行が報告されています。
そのため、エクアを授乳中の方へ使用する場合は、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮したうえで、授乳の継続または中止を検討します。

お子さまへの使用

エクアは、小児などを対象とした臨床試験を実施していません。
ご家庭ではお子さまの誤服用を防ぐため、保管場所などにご注意ください。

ご高齢の方への使用

高齢の方では、腎機能・肝機能をはじめとした生理機能が低下していることも少なくありません。
そのため、高齢の方へエクアを使用する場合は副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に治療を進めていきます。

低血糖に関する注意点

エクアの服用で血糖が低くなり過ぎると、低血糖症状があらわれることがあります。特に他の糖尿病治療薬を併用している場合は、低血糖のリスクが高くなります。低血糖の症状があらわれたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲料水などを摂取してください。
糖分を摂っても症状が回復しない場合は、すみやかに受診してください。また、症状が回復した場合でも、次回受診日には低血糖症状があらわれたことを必ず報告してください。

エクアの患者さま負担・薬価について

エクアは50mgの普通錠のみが販売されており、薬価は65.3円です。
ただし、患者さまにご負担いただく薬剤費は保険割合によって変わります。
例えば、3割負担の患者さまがエクア錠50mgを1日2回30日分処方された場合、ご負担金額は1175.4円になります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

糖尿病の薬は、一度飲み始めたらやめられないイメージがあります。エクアも、飲み始めたらずっと飲み続けないといけないのですか?

糖尿病の薬を飲み始めた場合でも、食事療法や運動療法を併用して血糖値が改善してくれば、薬の減量・中止の可能性は十分にあります。
エクアなど糖尿病の薬を飲んでいる場合も、健康的な食生活を心がけ、適度な運動をすれば、薬が不要になる可能性はありますのでご安心ください。

ずいぶん長いこと糖尿病の治療をしています。今回、エクアが処方されましたが、どうせ治らないのだし、もう薬は飲みたくないのですが……。

たしかに、食事療法や運動療法、薬物療法を併用しても血糖値が改善せず、治療を継続しなければならない方は少なからずいらっしゃいます。
しかし、治療をやめてしまい、血糖値の高い状態が続くと、血管がもろく・詰まりやすくなります。すると、目や腎臓、神経に障害があらわれたり、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる病気にかかったりするリスクが非常に高くなります。
将来の健康のためにも、治療を継続して血糖値を少しでも下げるようにしましょう。

エクアを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?

エクアを飲み忘れた場合は、気が付いたときにすぐ1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は服用せず、次の服用時間に1回分を服用してください。その際、絶対に2回分を一度に飲んではいけません。薬の服用量が多すぎると、副作用の発現リスクが高くなります。

 

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