脱毛部位
皮膚科の医療レーザー脱毛の特長
皮膚疾患のある方にも対応
当院にはアトピー性皮膚炎の患者様が多く通院されています。治療のひとつであるステロイド外用薬の副作用で多毛になる場合があるので、ムダ毛の処理を気にされる方は多い印象です。
しかしエステの光脱毛や医療脱毛のクリニックでさえも皮膚疾患がある方の場合の施術は難しいようで、アトピー性皮膚炎の方は断られてしまうことが多いです。
患者さまはカミソリで毛を剃ると皮膚症状を悪化させてしまうとわかっていながら、ほかに手段がないため自己処理を選択せざるを得ません。結果、すねや腕の毛などを剃って肌が荒れてしまったとご相談にこられます。
当院では皮膚トラブルがある方の医療レーザー脱毛は、皮膚症状をコントロールし症状を改善させて施術が可能と判断してから施術を行います。医療レーザー機器は皮膚への負担が少ない機種を選定していますのでリスクを減らすことができます。
脱毛が引き起こす皮膚トラブルへの対応
前述の通り脱毛の施術はレーザーを照射するため、一定の頻度で皮膚トラブルが発生します。多い症状は乾燥や湿疹、毛包炎、火傷などで、保険診療で治療可能です。
保険診療を行うには保険医療機関の指定を受ける必要がありますが、脱毛専門クリニックで保険診療を行っているケースはほぼ見かけません。
施術後に渡される炎症を抑えるクリームを塗っても皮膚トラブルがおさまらない場合には「皮膚科に行ってください」と案内されるようです。当院にも脱毛施術後に皮膚がボツボツになった、かゆみがおさまらないなどの症状で慌てて相談に来られる方がいらっしゃいます。
当院では医療レーザー脱毛の施術・保険診療のいずれにも対応できますので、皮膚トラブルが起こった場合にも慌てずに治療まで完結することができます。
痛みの少ない機器選定
施術を考える際に痛みの少なさは重要な要素ではないでしょうか?
当院では痛みの少なさを重視して医療脱毛の機器(蓄熱式)を選定しました。
蓄熱式ダイオードレーザーの機器は低出力による連続照射を行い、毛包に低温の熱を蓄積してダメージを与えるという特徴があります。
高出力レーザーを一発照射するショット式(熱破壊式)のゴムでパチンとしたような痛みに比べると、全くないわけではありませんは痛みは少ないといえます。
一方、脱毛効果は熱破壊式に比べて蓄熱式の方がいくらか弱いため脱毛回数は増えます。
ただし組織への損傷が少ないので敏感肌の方であっても使用しやすいという利点もあります。また産毛にも反応しやすく、その毛量の多さに悩んでいるという方にもおすすめです。部位にもよりますが5回程度の施術(通院)で効果が実感できるようになると言われています。
痛みを感じやすい部位や対象について
- お子さまの脱毛
他の治療でもお子さまは痛みを嫌がる傾向が強いです。水泳や体操などをやっていてわき毛が気になるお子さまであれば、剃ったり抜いたりすることによる皮膚への負荷や手間・頻度などを考えると、痛みの少ないレーザー脱毛は選択肢になります。
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- VIO医療脱毛
デリケートゾーンは毛が太く敏感で痛みを感じやすい部位なので、痛みが少ない機器が望ましいです。今後増えてくると思われる介護脱毛にも対応可能です。
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- ヒゲ脱毛
ヒゲは毛が太いため高出力が必要となり機器によっては強い痛みが出ます。もともと顔は敏感ですし男性は痛みに弱い方が多いこと、またヒゲは施術回数が多くなるので痛みの少なさは重要といえます。ヒゲ剃りでニキビが悪化した方で医療脱毛を選択される方が多いです。
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医療レーザー脱毛とは?
医療レーザー脱毛とは、医療機関でのみ行うことができるレーザー脱毛です。
医療レーザー脱毛とエステ脱毛の違い
エステで行われている光脱毛と医療機関で行われる医療レーザー脱毛では脱毛効果に大きな違いがあります。
医療レーザー脱毛は発毛組織を破壊することで、施術が完了すれば成長期の毛はもう生えてこなくなり、「永続的な脱毛効果」が得られますが、エステ脱毛は一時的に毛が生えなくなる「除毛」「減毛」にとどまります。主な違いを以下の表にまとめます。当院では脱毛効果の高いレーザーを用いたレーザー脱毛を行っております。
レーザー機器の種類
レーザー機器は波長の長短によって肌への浸透度合いやメラニン色素への反応の程度が違っています。波長が長いレーザーは肌の奥まで浸透しやすく、波長が短いレーザーはメラニン色素に反応しやすいという特徴があります。
波長の長い順から、YAGレーザー(1064nm)、ダイオードレーザー(800~940nm)、アレキサンドライトレーザー(755nm)などがあり、照射方式は熱破壊式と蓄熱式などがあります。
医療レーザー機器による脱毛のメカニズム
いずれのレーザーも脱毛したい部位に向けて照射することでメラニンを選択的に破壊し、ムダ毛の再生を遅らせる、毛を生えにくくするという効果がみられるようになります。
毛には成長サイクル(成長期、退行期、休止期)があります。ただし毛ごとに段階が異なっておりどの毛がどの成長期にあるかは判別できません。またメラニン色素が薄いとされる退行期や休止期に照射すると効果が得られにくいため、繰り返しレーザーを照射する必要があります。
医療脱毛の料金について
料金は自費になります。
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レーザー脱毛のリスクについて
レーザー脱毛による施術は、治療効果は高いのですが、その分リスクもゼロではありません。レーザー脱毛後にみられる副作用としては以下のようなものがあります。
やけど
レーザーの熱によって皮膚が軽いやけどの状態になることがあります。その場合、レーザー照射後に赤み、ヒリヒリとした痛み、時に腫れや皮むけが生じることがあります。毛根が太く色が濃い毛ほど反応が強いためやけどが起こりやすくなります。
やけどが起こった場合は症状に合わせて炎症を抑える塗り薬(ステロイドなど)を使って対処させていただきます。多くの場合は1週間程度で治ります。
毛嚢炎
レーザーを照射した皮膚はレーザーの強い刺激によりバリア機能が低下します。そのため、常在菌(健康な皮膚に存在する菌)が毛穴に入って炎症を起こすことがあります。それを毛嚢炎といいます。毛嚢炎になると毛穴が赤く腫れてにきびのようになり、痛みを伴うこともあります。
毛嚢炎の予防としてレーザー照射部位は入浴時に丁寧に洗って清潔にしていただくようにご指導しております。毛嚢炎が起こった場合は症状に合わせて抗生剤の塗り薬・飲み薬を中心とした治療を行って対処させていただきます。
色素沈着
上記のやけど、毛嚢炎などの炎症が強い場合、症状が落ち着いても炎症後の色素沈着が残ってしまう場合があります。そのため、レーザー照射後の皮膚に異常が起きた場合はできるだけ早めにご相談いただき、迅速な対応をとるようにさせていただいております。
よくあるご質問
- アトピー肌でも医療脱毛できますか?
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まず保険診療で皮膚症状のコントロールがついたのちに可能となります。当院でアトピー性皮膚炎の治療後に医療脱毛の施術を受けられた方はいらっしゃいます。
- 日焼けしていても医療脱毛はできますか?
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蓄熱式の医療レーザー脱毛は、低出力で照射するため、施術可能です。
- 脱毛後、日常生活で気をつけることはありますか?
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脱毛をすると肌の水分が減少し乾燥するため、保湿に気をつける必要があります。また外部からの刺激から守っていた体毛がなくなるので刺激が強くなります。こすらないように気をつけましょう。
- 医療脱毛は保険適用で受けられますか?
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医療脱毛は美容目的と見なされるため保険適用外の施術となります。
記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。