高脂血症治療薬「パルモディア錠・XR錠(ペマフィブラート)」フィブラート系薬剤

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パルモディアとは?

パルモディアの写真

パルモディア(一般名:ペマフィブラート)は、フィブラート系脂質異常症治療薬の一種です。
有効成分であるペマフィブラートは、脂肪酸代謝に重要な役割を担っている「PPARα」という核内受容体に結合することで特定の遺伝子の発現をコントロールし、血液中のトリグリセリド(中性脂肪)濃度の低下やHDL-コレステロール(善玉コレステロール)の増加などの作用を示します。

オンライン診療対応可能

当院では、初診からオンライン診療にて治療薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。

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パルモディアの特徴・効果

パルモディアは、優れたトリグリセリド(中性脂肪)低下作用とHDL-コレステロール(善玉コレステロール)増加作用をあわせ持つ薬剤です。この効果は2型糖尿病を合併した脂質異常症の方においても認められています。また、同系統のほかの薬剤がおもに腎臓から排泄されるのに対してパルモディアはおもに肝臓で代謝されるため、スタチン系薬剤を併用した場合の副作用(横紋筋融解症)発現リスクを低減させる可能性があると考えられています。

効能効果・用法用量

パルモディアには「パルモディア錠」と「パルモディアXR錠」がありますが、いずれも家族性を含む高脂血症に適応があります。
パルモディア錠の場合、通常、成人には1回0.1mg、1日2回朝夕に投与します。年齢や症状に応じて適宜増減しますが、最大用量は1回0.2mg、投与回数は1日2回までとされています。
パルモディアXR錠の場合、通常、成人には1回0.2mgを1日1回投与します。なお、トリグリセリドの値が高い場合は1回0.4mgまで増量できます。

臨床上の効果

トリグリセリド値が高く、かつHDL-コレステロール値が低い方を対象とした国内の臨床試験では、パルモディアが既存のフィブラート系に劣らない効果があることが証明されています。
また、トリグリセリド値が高い方を対象とした国内の臨床試験では、52週間の治療でトリグリセリド値が約46%減少したことが示されています。
なお、パルモディアXR錠がパルモディア錠に劣らない効果があることも立証されています。

パルモディアを服用する上での注意点

パルモディアを服用できない方

以下に該当する場合はパルモディアを服用できません。

  • パルモディアの成分に対して過敏症の既往歴がある場合(重篤なアレルギー症状があらわれるおそれがあります。)
  • 重篤な肝障害あるいは胆道閉塞がある場合(肝障害を悪化させるおそれがあります。また、パルモディアの血漿中濃度が上昇するおそれがあります。)
  • 胆石がある場合(胆石形成が報告されています。)
  • 妊娠中あるいは妊娠の可能性がある場合(妊娠中の投与に関する安全性が確立していません。)
  • シクロスポリン(免疫抑制薬)、リファンピシン(結核などの治療薬)を投与している場合(併用により、パルモディアの血漿中濃度が著しく上昇するおそれがあります。)

服用に注意が必要な方

胆石の既往歴のある方がパルモディアを服用すると胆石の形成がみられることがあるため、注意が必要です。
その他、腎機能障害がある方・肝機能障害がある方・高齢の方なども、パルモディアの服用には注意が必要です。(参照:特定の患者さまへの使用に関して)。

パルモディアの副作用

おもな副作用として、胆石症や発疹、かゆみ、血糖値の上昇などが報告されています。
また、重大な副作用として、横紋筋融解症が報告されています。重大な副作用の発生頻度は不明ですが、パルモディアの服用にともない、原因不明の筋肉痛や脱力感、赤褐色の尿が出るなどの症状があらわれた場合はすぐに受診して、適切な治療を受けてください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

パルモディアとの併用が禁忌とされているのは、シクロスポリン(免疫抑制薬)とリファンピシン(結核などの治療薬)です。パルモディアとこれらの薬剤を併用すると、パルモディアの血漿中濃度が上昇して副作用の発現リスクが高くなるため、他の医療機関で処方されている場合は必ず診察時にご相談ください。
そのほか、禁忌ではないものの併用に注意が必要な薬剤は以下のとおりです。

  • スタチン系薬剤(高脂血症の治療薬):急激な腎機能悪化をともなう横紋筋融解症があらわれるおそれがあります。特に腎機能に関する検査値に異常がある場合は注意が必要です。
  • クロピドグレル(抗血小板薬)、クラリスロマイシン(抗生物質)、HIVプロテアーゼ阻害薬(HIV感染症治療薬)、フルコナゾール(抗真菌薬):パルモディアの血漿中濃度が上昇するおそれがあります。
  • 陰イオン交換樹脂剤(高コレステロール血症などの治療薬):パルモディアが陰イオン交換樹脂剤に吸着されて吸収が低下し、血漿中濃度が低下するおそれがあります。
  • カルバマゼピン(てんかんや三叉神経痛などの治療薬)、フェノバルビタール(抗てんかん薬)、フェニトイン(抗てんかん薬):代謝酵素が誘導されてパルモディアの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがあります。

そのほか、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む食品などについても、併用するとパルモディアの血漿中濃度が低下して効果が減弱するおそれがあるため注意が必要です。

特定の患者さまへの使用に関して

腎機能障害がある方への使用

高度腎機能障害がある方については、パルモディアの服用で横紋筋融解症があらわれるおそれがあるため、投与の適否を慎重に判断します。また、投与する場合には低用量からスタートし、症状に応じて減量または投与間隔の延長なども検討します。
なお、重篤でない場合であっても、腎機能検査値異常がある場合にパルモディアとスタチン系薬剤を併用すると急激な腎機能悪化をともなう横紋筋融解症があらわれやすいため、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用を検討します。

肝機能障害がある方への使用

重篤な肝障害がある場合や胆道閉塞がある場合は、パルモディアの投与が禁忌とされています。投与すると肝障害が悪化するおそれがあり、また、パルモディアの血漿中濃度が上昇するおそれがあります。
重篤ではないものの肝障害がある場合や肝障害の既往歴がある場合は、パルモディアの投与で肝機能検査値の異常変動があらわれるおそれがあるため、必要に応じてパルモディアの減量を考慮します。なお、肝障害がある方についてはパルモディアの血漿中濃度が上昇するおそれがあるため、症状や検査値の変化、副作用の発現状況などに注意しながら慎重に治療を進めていきます。

妊娠中の方への使用

パルモディアは、妊娠中の方に投与した場合の安全性が確立していません。
したがって、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある方については、投与が禁忌とされています。

授乳中の方への使用

パルモディアは、動物を対象とした試験で乳汁中への移行が報告されています。
そのため、授乳中の方については授乳しないことが望ましいとされています。

お子さまへの使用

パルモディアは、小児などを対象とした臨床試験を実施していません。
ご家庭ではお子さまの誤服用を防ぐために、パルモディアの保管場所などにご注意ください。

ご高齢の方への使用

高齢の方は一般に生理機能が低下しています。
そのため、高齢の方にパルモディアを投与する場合は、合併症の有無、既往歴、自・他覚症状などに留意しながら治療を進めます。

パルモディアの患者負担・薬価について

パルモディアには服用回数が1日2回の「パルモディア錠」と、服用回数が1日1回の「パルモディアXR錠」があります。各剤型および規格の薬価は以下のとおりです。

パルモディア錠0.1mg 32.4円/錠
パルモディアXR錠0.2mg 60.0円/錠
パルモディアXR錠0.4mg 111.0円/錠

なお、患者さまにご負担いただく薬剤費は、保険割合によって変わります。
例えば、3割負担の患者さまがパルモディア錠0.1mgを1日2回30日分処方された場合、ご負担金額は583.2円になります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

パルモディア錠は1日2回、パルモディアXR錠は1日1回の服用で効き目は同じなんですよね。では、1日分のパルモディア錠を1度に飲んでもいいですか?

パルモディア錠は、1日2回に分けて服用してください。
パルモディアXR錠は効果が長時間続くように製剤上の工夫がなされています。一方、パルモディア錠はそのような製剤設計になっていないため、1日量を2回に分けて服用しなければいけません。
1日分のパルモディア錠を1度に飲むと、血中濃度が上昇して副作用が発現するリスクが高くなるため、自己判断で飲み方を変えるのは避けてください。

パルモディアXR錠をすり鉢などでつぶして飲んでもいいですか?

パルモディアXR錠は、効果が長時間続くように設計されている「徐放剤」です。割ったり砕いたりすると効果のあらわれ方が変わってきてしまうため、錠剤のまま服用してください。

パルモディアを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?

パルモディアを飲み忘れた場合は、気が付いたときにすぐ1回分を飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は忘れた分を服用せず、次の服用時間に1回分を服用してください。その際、絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

 

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記事制作者

木村眞樹子

東京女子医科大学卒業。循環器内科専門医内科、睡眠科において臨床経験を積む。
東洋医学を取り入れた漢方治療にも対応。
オンライン診療に積極的に取り組む3児の母。