糖尿病治療薬「ツイミーグ(イメグリミン)」

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ツイミーグとは?

ツイミーグの写真

ツイミーグ(一般名:イメグリミン)は、ミトコンドリアへの作用を介して血糖を降下させる薬剤です。
グルコース(糖)の濃度に依存してインスリンの分泌をうながす作用(膵作用)と、肝臓や筋肉での糖代謝を改善する作用(膵外作用)を発揮して、血糖を降下させます。
なお、「ツイミーグ(TWYMEEG )」という名称は、Dualを意味する「twin」と一般名の「imeglimin」に由来します。

オンライン診療対応可能

当院では、初診からオンライン診療にて治療薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。

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ツイミーグの特徴

ツイミーグは、インスリン抵抗性を改善する作用とインスリンの分泌能を改善する作用をあわせ持つ薬剤です。従来の薬剤ではインスリン抵抗性とインスリンの分泌能を同時に改善することはできませんでしたが、ツイミーグは2型糖尿病の発症原因がインスリン抵抗性亢進あるいはインスリンの分泌低下のいずれであっても血糖降下作用が期待できます。一方で、血糖に依存してインスリン分泌をうながすため、単独であれば低血糖が発生するリスクはそれほど高くありません。また、メトホルミン(メトグルコ)とよく似た構造をしていますが、メトホルミンの重篤な副作用である乳酸アシドーシスを起こしにくいと考えられています。

適応疾患・用法用量

ツイミーグは2型糖尿病に適応があります。
通常、成人には1回1000mgを1日2回、朝・夕に投与します。
なお、ツイミーグの適用は、あらかじめ非薬物療法(食事療法・運動療法)を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限って考慮します。

血糖改善効果

2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、ツイミーグを服用していないグループでHbA1cが平均0.15上昇したのに対して、ツイミーグを服用したグループでHbA1cが平均0.72低下したという結果が得られています。
また別の臨床試験では、長期間にわたり安定した血糖コントロールが維持されることが確認できています。

治療上のメリット

2型糖尿病の発症には、インスリン分泌能の低下やインスリン抵抗性の亢進が関与していると考えられていますが、従来の糖尿病治療薬ではこの2つを同時に治療することはできませんでした。
ツイミーグは、インスリン分泌をうながす膵作用と、肝臓や骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用をあわせ持つ今までにないタイプの糖尿病治療薬です。そのため、インスリン分泌低下・インスリン抵抗性亢進を同時に改善し、血糖を降下させる作用が期待できます。
また、ツイミーグによる膵作用(インスリン分泌をうながす作用)はグルコース(糖)の濃度に依存してあらわれるため、単剤で使用した場合に低血糖を起こしにくいという点も大きな特徴です。

ツイミーグを服用する上での注意点

ツイミーグを服用できない方

以下に該当する場合は、ツイミーグの服用が禁忌とされています。

  • ツイミーグの成分に過敏症の既往歴がある場合(重篤なアレルギー症状があらわれるおそれがあります。)
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の場合(輸液やインスリンによるすみやかな高血糖の是正が必須となるため、ツイミーグの投与は適しません。)
  • 重症感染症や手術前後、重篤な外傷がある場合(インスリン注射による血糖管理が望まれるため、ツイミーグの投与は適しません。)

服用に注意が必要な方

以下の場合は、ツイミーグの服用に注意が必要です。

  • 低血糖を起こすおそれがある以下の場合(ツイミーグの服用で低血糖の発生リスクが高くなります。)
  • 脳下垂体機能不全または副腎機能不全がある場合
  • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足、衰弱状態の場合
  • 激しい筋肉運動を行う場合
  • 過度のアルコール摂取がある場合

その他、中等度または重度の腎機能障害がある方への投与は、禁忌ではないものの推奨されていません。また、肝機能障害がある方・高齢の方なども、ツイミーグの服用には注意が必要です(参照:特定の患者さまへの使用に関して)。

ツイミーグの副作用

おもな副作用として、悪心や下痢、便秘などが報告されています。
また、重大な副作用として低血糖が報告されています。
万が一、低血糖の初期症状(脱力感、ひどい空腹感、発汗など)があらわれた場合は、糖質を含む食品や飲料を摂取するなど適切な処置を行ってください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

添付文書上、ツイミーグとの併用が禁忌となっている薬剤はありません。ただし、併用に注意が必要な薬剤はいくつかあります。他の医療機関で下記のような薬剤を処方されている場合は、診察時にご相談ください。

  • 糖尿病用薬:血糖降下作用が増強され、低血糖を起こすリスクが高まります。
  • ビグアナイド系薬剤(メトホルミンなど糖尿病の治療薬):血糖降下作用が増強されるおそれがあります。また、併用初期に消化器症状(悪心、下痢など)が多くあらわれる傾向があります。
  • 血糖降下作用を増強する薬剤(例:β遮断薬(高血圧や心不全などの治療薬)、サリチル酸剤(抗血小板薬など)、モノアミン酸化酵素阻害薬(パーキンソン病などの治療薬)など):血糖降下作用が増強されるおそれがあります。
  • 血糖降下作用を減弱する薬剤(例:副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、アドレナリンなど):血糖降下作用が減弱されるおそれがあります。

特定の患者さまへの使用に関して

腎機能障害がある方への使用

ツイミーグは、おもに腎臓から未変化体として排泄されます。そして、腎機能障害がある場合、腎機能障害の程度に応じて腎臓からの排泄が遅延してツイミーグの血中濃度が上昇します。そのため、腎機能障害がある方にツイミーグを使用する場合は、腎機能を定期的に検査するなどして、慎重に治療を進めていきます。
なお、ツイミーグは、中等度または重度の腎機能障害がある方を対象とした有効性・安全性に関する臨床試験を実施していません。これらの方ではツイミーグの血中濃度が著しく上昇するおそれがあるため、投与は推奨されていません。

肝機能障害がある方への使用

肝機能障害がある方にツイミーグを使用すると、ツイミーグの血中濃度が上昇するおそれがあります。また、ツイミーグは、重度の肝機能障害がある方を対象とした臨床試験を実施していません。
したがって、肝機能障害がある方にツイミーグを使用する場合は、症状の変化や副作用の有無などを確認しながら、慎重に治療の内容を検討していきます。

妊娠中の方への使用

ツイミーグは、動物を対象とした試験で胎児への移行が認められています。
また、胎児の器官形成期にツイミーグを投与した試験(動物を対象)では、生存胎児体重の低値や骨化遅延が確認されています。さらに別の試験(動物を対象)では、着床後死亡率の上昇傾向と生存胎児体重の低値傾向が見られました。
これらのことから、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方についてはツイミーグを使用せず、インスリン製剤を使用することとされています。

授乳中の方への使用

動物を対象とした試験で、ツイミーグは乳汁中への移行が確認されています。
そのため、授乳中の方にツイミーグを使用する場合は、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討します。

お子さまへの使用

ツイミーグは、小児などを対象とした臨床試験を実施していません。
ご家庭ではお子さまの誤服用を防ぐため、ツイミーグの保管場所などにご注意ください。

ご高齢の方への使用

高齢の方では、一般的に生理機能が低下しています。
したがって、高齢の方にツイミーグを使用する場合は、状態の変化などに留意しながら慎重に治療を進めます。

低血糖に関する注意点

ツイミーグを服用すると、副作用として低血糖を起こすおそれがあります。特に、インスリン製剤やSU剤、速効型インスリン分泌促進薬を併用している場合は低血糖の発現リスクが高くなるため、注意が必要です。
低血糖と思われる症状があらわれたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む食品や飲料などを摂取しましょう。ブドウ糖の場合、摂取量の目安は10~15g程度です。
なお、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用で低血糖症状があらわれた場合は、必ずブドウ糖を摂取してください。他の飲食物では、低血糖症状が十分に回復しないおそれがあります。
糖分を摂っても症状が回復しない場合は、すみやかに受診してください。症状が回復した場合でも、次回受診日には低血糖症状があらわれたことを必ず報告してください。

ツイミーグの患者さま負担・薬価について

ツイミーグは500mg錠のみで規格違いはありません。1錠あたりの薬価は34.4円です。
ただし、患者さまにご負担いただく薬剤費は保険割合によって変わります。
例えば、3割負担の患者さまがツイミーグ錠500mgを1回2錠(1000mg)、1日2回30日分処方された場合、ご負担金額は1238.4円になります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

ツイミーグには、インスリンの分泌をうながす作用と肝臓や筋肉での糖代謝を改善する作用の両方があるんですよね。では、他の薬はもうやめてもいいですか。
糖尿病治療薬にはいろいろな種類があります。作用機序もさまざまです。そのため、「ツイミーグを飲めば他の薬はいらない」ということにはなりません。また、ツイミーグは、他の薬との併用でより高い効果が得られることが臨床試験で示されています。したがって、複数の薬が出ている場合は指示通り服用するようにしてください。自己判断で薬を減らしてはいけません。
薬を減らして糖尿病が悪化すると、将来的に合併症(神経障害、網膜症、糖尿病性腎症など)をまねくおそれがあるため、大変危険です。
ツイミーグは、1回2錠、1日2回服用なので飲むのが面倒です。1回1錠になりませんか。また、1日分を一度に飲んではいけませんか。
ツイミーグは規格が1種類(500mgのみ)しかありません。1回の服用量は1000mg(2錠)とされているため、1錠にすることはできません。
また、1日分を一度に飲むこともできません。ツイミーグは服用から約2.5時間で血漿中濃度が最大となり、12時間後には有効成分の半分が消失してしまうため、1日中効果を持続させるためには2回に分けて服用する必要があります。
飲み方を変えると、作用のあらわれ方が変わるだけではなく、副作用が発現するリスクも高まります。健康被害を防ぐためにも、指示された用法用量を守るようにしてください。
ツイミーグを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
ツイミーグを飲み忘れた場合は、気がついたときに1回分を飲んでください。ただし、次の服用時間が近い場合は1回分飲むのをとばして、次の服用時間に1回分を飲んでください。その際、絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
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記事制作者

木村眞樹子

東京女子医科大学卒業。循環器内科専門医内科、睡眠科において臨床経験を積む。
東洋医学を取り入れた漢方治療にも対応。
オンライン診療に積極的に取り組む3児の母。