乙字湯とは
便秘傾向のある方の痔に使われる漢方薬です。江戸時代の医家、原南陽は自製の常用処方に甲、乙、丙、丁の十干(じっかん)の文字を付けており、原南陽創製の第二処方という意味合いで乙字湯と名付けられました。炎症を取る生薬や血流を改善し血を補うことで皮膚の損傷を治す生薬、筋肉を適度に引き締め脱肛を防ぐ生薬などで構成されています。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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乙字湯の特徴
乙字湯は以下の生薬が含まれます。
- 当帰(トウキ)
- 柴胡(サイコ)
- 黄芩(オウゴン)
- 甘草(カンゾウ)
- 升麻(ショウマ)
- 大黄(ダイオウ)
乙字湯の対象患者さまについて
効能効果は病状がそれほど激しくなく、体力が中位で衰弱していないものの次の諸症:キレ痔、イボ痔です。
使用目標は以下の通りです。
(使用目標=証)
体力中等度の人の痔疾患で、症状のあまり激しくないものに用いる。
1)便秘の傾向のある場合。
2)肛門または陰部の疼痛や瘙痒を伴う場合。
3)軽度の出血を伴う場合
乙字湯の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
乙字湯を服用する上での注意点
重大な副作用として間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸が報告されています。その他、過敏症(発疹、発赤、掻痒等)、消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢等)が報告されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。また、使用経験が少ないため、小児に対する安全性は確立していないと添付文書では記載されています。用量については医師の指示に従ってください。
乙字湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている乙字湯としては「ツムラ乙字湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は114.00円で1包(2.5g)あたり38円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは1026円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 乙字湯にはどんな副作用がありますか?
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詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 乙字湯はどんな効果がありますか?
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便秘傾向の方の痔に効果が期待できる漢方薬です。
- 乙字湯はドラッグストアで売っていますか?
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ツムラから第二類医薬品として販売されています。ただし安全性を高めるために、一般用医薬品では用法用量を調節していることがあります。詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
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漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
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記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。