水虫(白癬)

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水虫とは?

水虫は白癬菌という皮膚の真菌症(カビの一種)です。
足の水虫は日本人の4人に1人にみられるとても多い皮膚病といえます。

白癬菌は身体のいろいろなところに感染しますが、足白癬が60%といちばん多く、つぎに爪白癬が34%、そのほかにも体部や、股間にも感染することがあります。

水虫の原因

前述したとおり水虫の原因は白癬菌(カビの一種)の感染によるものです。皮膚の角層という部分にあるケラチンを栄養源にしながら寄生領域を広げていきます。また、白癬菌はジメジメとした高温多湿な環境を好みます。

白癬菌の皮膚症状のなかでいちばん多いのが足白癬であり、靴や靴下を履いている時間が長いことで、ムレた状態になり白癬菌が増殖していきます。 人から人へ感染する感染症であり、家庭内や公共の施設の足拭きマットやスリッパなどの供用で感染が考えられます。また、足白癬の状態が続くと爪の端の部分から爪の下に白癬菌がはいりこみ、爪白癬になってしまうのです。
健康な皮膚の場合、24時間以内に洗浄すれば白癬菌が付着しても定着せず感染することはありません。ジムや温泉の公共足拭きマットに触れた後は、自宅や客室で再度足のみを洗うことをおすすめします。

水虫の症状や兆候

イメージ
画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

足白癬の主な症状は3つのタイプあります。

  • 趾間(しかん)型:足指の間の皮膚が白くふやけるたり、皮がむけたり、じくじくしたりする。
  • 角質増殖型:足裏全体の皮膚が乾燥して分厚く、硬くなりひび割れを伴う。
  • 小水疱型:小さな水ぶくれや軽い発赤が足裏にできる。

趾間型と小水疱型は強い痒みもあります。また、足白癬は足が臭くなる原因のひとつでもあります。

爪白癬では爪がボロボロになる、分厚くなる、白く混濁するような症状がでてきます。なかには、爪が浮いたり剥がれたりするタイプもあります。

足や爪以外の箇所として頭部や身体、手などにも症状が出る場合もあります。いずれも痒みが強く、カサカサの状態になり、中心部から徐々に症状がよくなっていきますが色素沈着になることがあります。頭部白癬では脱毛もあり、ほかの疾患との区別が大切です。

水虫の足の爪の変色

白癬菌が足の爪に感染すると「爪水虫」が発症することがあります。爪が白色や黄色に濁っていたり、爪が厚くもろくなって一部がはがれ落ちたり、両足の左右で爪の形が明らかに異なっていたら爪水虫の可能性が考えられます。爪の周辺は痛みやかゆみを感じにくいので気づかないことがあり、放置されることの多い疾患です。

爪水虫をそのままにしておくと、糖尿病の患者の方の場合は爪の下に膿がたまりやすくなります。また、爪が厚くなったことで巻き爪になり、皮膚を傷つけることもあります。

爪水虫は足の水虫から移るケースが大半なので、まずは足に水虫があるか皮膚科で診断を受けるといいでしょう。爪水虫の治療の基本は内服薬です。治療は半年~1年ほどかかるとされていますが、最近は効果の強い薬が出てきたため、3カ月ほどの治療期間で治るケースもあります。爪水虫にかかった爪の根本から健康的なきれいな爪が生えてくるので、根気よく治療しましょう。

水虫の診断

水虫と呼ばれる白癬菌感染症の診断の基本は、病変の部分に白癬菌がいることを確認することです。診察のときに患部の皮膚を採取して顕微鏡を使い、白癬菌が存在するか調べます。その場で病変の原因となる菌を確認することができるためすぐに治療につなげることができます。

白癬菌をはじめとした皮膚真菌症は、顕微鏡で直接みる直接鏡検が重要ですが、なかには培養検査をすることではじめて感染症の原因となる真菌がわかることもあります。必要に応じて培養検査やそのほか、採血検査なども補助的に行うことがあります。

多汗症チェック

局所多汗症は局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6カ月以上認められ、以下の6症状のうち2項目以上当てはまる場合診断されます。

該当する項目を選んでください。

これらのうち、該当する項目が多いほど水虫の可能性が高くなります。
水虫は治らない病気ではありません。
しかし、完治するまでには時間がかかります。症状が長引く場合は、内服薬による治療や皮膚科での処置が必要な場合もあります。
真菌検査で原因菌を特定すれば効率よく治療を進められますので、気になる症状がある場合はご相談ください。

水虫の治療

足の水虫と爪の水虫を一緒だと考えていませんか?皮膚科医は足白癬と爪白癬の治療を分けて考えます。なぜなら爪白癬は爪の深くまで薬剤を浸透させる必要がありますが、足白癬の外用薬では浸透させることができなかったからです。爪は厚みがありますし水虫によって肥厚するため十分な効果が望めませんでした。足白癬であれば市販されている薬でも対応できますが、足白癬が進行して爪に感染してしまい爪白癬になると医療機関を受診するしか治す方法はありません。

爪白癬の治療

爪白癬の治療は抗真菌薬の内服が第一選択です。しかし抗真菌薬の内服は肝機能障害や貧血の副作用がみられ、併用できない薬剤も多く特に高齢の方には使いづらい状況でした。

浸透性の低さが爪白癬に対する外用薬の弱点でしたが、しっかり透過する外用薬が発売されて状況が変わりました。内服薬による治療ができない方には本当によい治療法ができたと思います。

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当院では爪を薄くする処置を行っています。グラインダーで削って爪を薄くし、外用薬が浸透しやすい状態にすることで外用薬の効果を向上させることができます。
爪白癬の治療はネイリン(ホスラブコナゾール)やラミシール(テルビナフィン)、イトリゾール(イトラコナゾール)などの内服薬で治療を行いますが、内服できない場合などは爪の塗り薬、クレナフィン(エフィナコナゾール)、ルコナック(ルリコナゾール)を用いることもあります。
爪白癬では爪が生えかわるまで半年から1年程度の治療期間が必要です。
2018年に20年ぶりに白癬菌の内服薬としてネイリン(ホスラブコナゾール)が発売されました。3ヶ月間の毎日の内服を行いますが、いちばん治療効果が高いといえます。
ネイリンは3か月間毎日内服、ラミシールは爪が生えかわるまでの間毎日の内服、イトラコナゾールは1週間の内服後3週間休みという飲み方を3回繰り返し、その後期間をおいて生えかわるのを待ちます。

症状が似ていても、原因や菌の種類によって治療方法や効果のある薬は変わります。適切な診断と効果的な治療が大切です。なお爪白癬の場合、真菌検査が必須です。真菌検査とは顕微鏡で真菌の有無を確認することで当院でも行っております。ご相談ください。

足白癬の治療

足白癬の治療は抗真菌作用のある塗り薬を使用します。日本で多く使われている抗真菌外用薬は、イミダゾール系とよばれるルリコン(ルリコナゾール)、ニゾラール(ケトコナゾール)、アトラント(ネチコナゾール)、マイコスポール(ビホナゾール)と、テルビナフィン(ラミシール)、ブテナフィン(メンタックス)などがあります。

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足の裏がカサカサになる角質増殖型など足白癬のなかでも外用薬で治りにくいものでは、飲み薬で治療をおこない、テルビナフィンやイトラコナゾールがつかわれます。

内服の場合は、貧血や肝機能障害などの副作用が出ることがあり、定期的な血液検査が必要です。
足白癬では白癬菌が完全に治療できるまで3ヶ月から6ヶ月以上薬を塗ることを続ける必要があります。

水虫の予防や注意事項

足白癬、爪白癬にならないためにまずは足の清潔を保つこと、次に重要なのは湿度を下げることです。
毎日石けんをつけて足を洗いましょう。清潔をたもつことが治療を長引かせないための秘訣であり、白癬菌が長い間皮膚についていると感染しやすくなるので予防のためにも1日に一度は洗い流し、よく乾かします。

家族で水虫の方がいる場合には同じ足拭きマットやスリッパを使わないようにするなどうつさないための工夫が必要です。

水虫というと男性のイメージが強いかもしれませんが、女性の患者さまからご相談いただくことも多くあります。お話を伺うとストッキングを履く方が多いです。ストッキングはほとんど吸湿性がないため靴の内部が多湿状態になっていると思われます。同様に冬にブーツを履く方も注意が必要です。当院でおすすめしているのは5本指の靴下です。

靴の中はムレやすいので職場についたら靴をかえる、おなじ靴をはき続けなければいけない場合には靴下をかえるなどの工夫が必要です。

治療を開始した場合には、症状が治まったとしても菌が完全にいなくならなければ再発してしまう可能性があるのでしっかりと治療期間を守り外用や内服を行ってください。

水虫の市販薬で改善することもありますが、塗ったけど治らないと来院される患者さまには、そもそも足白癬ではなく薬にかぶれているだけのことがあります。また市販薬を塗っていると、白癬菌が表面に出てこずに真菌検査をしても見つかりにくいこともあります。おすすめはまず皮膚科専門医によって正しい診断を行い適切な治療をおこなうことが治ることへの近道と考えます。

 

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。