ドキシサイクリンはビブラマイシンの成分名（一般名）です。テトラサイクリン系の抗生物質で、細菌のたんぱく質合成を阻害して抗菌作用を発揮します。皮膚科領域ではおもに炎症をともなうニキビの治療などに用いられますが、適応菌種・適応症が非常に幅広く、炭疽やペスト、コレラ、ブルセラ症、Q熱など特殊な細菌感染症にも適応があります。
なお、これらの特殊な細菌感染症に対する治療薬としての効能・効果が追加承認されたのは、2001年9月11日に発生したアメリカにおける同時多発テロ事件がきっかけです。生物兵器テロに使用される可能性のある炭疽菌などに対する治療薬について、厚生労働省より文献調査および効能追加申請の依頼がなされ、ビブラマイシンの薬物動態や数々の試験結果、論文やアメリカのガイドラインなどの資料をもとに炭疽、ペスト、コレラ、ブルセラ症およびQ熱の効能追加について申請を行い、2002年3月6日に効能・効果が追加承認されました。

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