皮膚に寄生し繁殖するヒゼンダニによる皮膚感染症です。
皮膚の角質層に住みついたヒゼンダニの体やふん、脱皮殻などに対するアレルギー反応が起きることで皮膚症状とかゆみが生じます。疥癬は人から人へ感染する病気ですが、寝具等を介した間接的な接触でも感染します。抵抗力の弱った高齢者の方に多くみられ、高齢者施設の中で流行することがあります。

疥癬には、通常疥癬と角化型疥癬の２つのタイプがあります。
通常疥癬の場合、寄生しているヒゼンダニの数は数十匹ほどのため、感染力はそれほど強くありません。症状は強い痒みを伴う赤いブツブツが顔や頭を除いた全身に現れます。
角化型疥癬ではヒゼンダニの数が100万～200万匹程であり、その感染力に大きな違いがあります。角化型疥癬の症状は角質の増殖が特徴です。手足やおしり、ひじ、ひざ、爪などに、黄白色でざらざらの厚い角質がかさぶたのようにつきます。また、かゆみは人によって異なり、かゆみがない場合もあります。

治療はヒゼンダニを殺すことを目的に、塗り薬や飲み薬を使用します。また、かゆみに対してはかゆみ止めのお薬が使われます。