茵蔯蒿湯とは

体力があり尿量が少なく、やや便秘がちの方の黄疸や口内炎、蕁麻疹などに使用される漢方薬です。
主薬である茵蔯蒿の名を取って名付けられています。
出典は中国・後漢時代の「金匱要略(キンキヨウリャク)」「傷寒論(ショウカンロン)」です。
身体の熱と余分な水分を取り去り、冷やして乾かす生薬から構成されています。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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茵蔯蒿湯の特徴
茵蔯蒿湯は以下の生薬が含まれます。
- 茵蔯蒿(インチンコウ)
- 山梔子(サンシシ)
- 大黄(ダイオウ)
茵蔯蒿湯の対象患者さまについて
効能効果は尿量減少、やや便秘がちで比較的体力のあるものの次の諸症: 黄疸、肝硬変症、ネフローゼ、じんましん、口内炎です。
使用目標は以下の通りです。
(使用目標=証)
比較的体力のある人で、上腹部より胸部にかけての膨満感、不快感を訴え、悪心、便秘を伴う場合に用いる。
1)黄疸のある場合。
2)口渇、尿量減少、皮膚瘙痒感などを伴う場合。
茵蔯蒿湯の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
茵蔯蒿湯を服用する上での注意点
重大な副作用として腸間膜静脈硬化症、肝機能障害、黄疸が報告されています。その他、消化器症状(食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢等)が報告されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。また、使用経験が少ないため、小児に対する安全性は確立していないと添付文書では記載されています。用量については医師の指示に従ってください。
茵蔯蒿湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている茵蔯蒿湯としては「ツムラ茵蔯蒿湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は102.75円で1包(2.5g)あたり34.25円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは924.75円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 茵蔯蒿湯にはどんな副作用がありますか?
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詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 茵蔯蒿湯はどんな効果がありますか?
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じんましんや口内炎、黄疸に効果が期待される漢方薬です。
- 茵蔯蒿湯は薬局で売っていますか?
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第二類医薬品として販売されています。効能効果など、詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
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漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
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記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。