清暑益気湯とは
暑さによって起こる食欲不振、下痢、全身倦怠に使われる漢方薬です。
出典は1585年に記された「医学六要」です。
暑気を消し、涼しくすることを「清暑」、夏負け・夏やせなどにより生気の衰えた状態を回復させることを「益気」と言っており、その2つを併せて「清暑益気湯」と名付けられています。
熱を冷ます生薬や元気を補い、胃腸機能を改善する生薬などが配合されています。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
» オンライン診療の詳細はこちら
清暑益気湯の特徴
清暑益気湯は以下の生薬が含まれます。
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 人参(ニンジン)
- 麦門冬(バクモンドウ)
- 黄耆(オウギ)
- 陳皮(チンピ)
- 当帰(トウキ)
- 黄柏(オウバク)
- 甘草(カンゾウ)
- 五味子(ゴミシ)
清暑益気湯の対象患者さまについて
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠、夏やせです。
使用目標は以下の通りです。
(使用目標=証)
比較的体力の低下した人で、食欲不振、全身倦怠感を訴える場合に用いる。
1)軟便、尿量減少、自然発汗、手足の熱感などを伴う場合。
2)いわゆる夏やせ、夏まけに多用される。
清暑益気湯の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
清暑益気湯を服用する上での注意点
重大な副作用として偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されています。その他の副作用では過敏症(発疹、蕁麻疹等)や消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等)も報告されています。また、その他の注意として湿疹や皮膚炎が悪化すると記載されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。小児の投与については使用経験が少ないため、安全性は確立していないと添付文書ではなっています。用量については医師の指示に従ってください。
清暑益気湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている清暑益気湯としては「ツムラ清暑益気湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は162.00円で1包(2.5g)あたり54円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは1458円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 清暑益気湯にはどんな副作用がありますか?
-
詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 清暑益気湯はどんな効果がありますか?
-
暑さによって起こる食欲不振、下痢、全身倦怠、暑気あたりに効果が期待できる漢方薬です。
- 清暑益気湯はドラッグストアで売っていますか?
-
小太郎漢方製薬より第2類医薬品で販売されています。主に相談販売を中心とした薬局や薬店で取扱いがあるようです。詳しくは販売店舗にご確認ください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
-
漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
» 漢方薬の詳細はこちら
記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。