がんリスク検査(マイシグナル:miSignal)マイクロRNA検査

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がんの早期発見につながる「マイクロRNA検査」とは

マイシグナルの画像

日本人の2人に1人は生涯で1度はがんにかかり、3人に1人はがんで亡くなっています。

一方で、がんは早期発見で約9割が治癒するといわれています。
この「がんの早期発見」に役立つのが「マイクロRNA検査」です。

「マイクロRNA」はRNAの一種で、たんぱく質の発現をコントロールする重要な役割を担っています。
マイクロRNAには2,000以上もの種類がありますが、がん細胞は早期の段階から特異なマイクロRNAを放出していることが明らかになっています。

この特性を利用したのが「マイクロRNA検査」です。
がんの種類によって放出されるマイクロRNAのパターンが異なるため、一度の検査で複数のがんのリスクを知ることも可能です。

マイクロRNAを用いた「マイシグナル(miSignal)」の特徴

当院では、マイクロRNAを用いたがんリスク検査「マイシグナル(miSignal)」を導入しています。

尿検査でがんリスクを検知

マイシグナルは、尿中に含まれるマイクロRNAを解析して現在のがんリスクを評価します。
痛みをともなわない検査で、ストレスも少なくてすむため、採血が苦手な方でも受けやすい検査といえます。

尿のマイクロRNAをAIで解析

マイシグナルは、尿中のマイクロRNAを抽出して測定・解析します。
尿中には1,300種類以上ものマイクロRNAが存在するため、膨大なデータを効率良く処理するためにAI技術を活用しています。

10種のがん種に対応

10種のがん

マイシグナルは、最大10種のがん(食道がん・乳がん・肺がん・胃がん・膵臓がん・腎臓がん・大腸がん・卵巣がん・膀胱がん・前立腺がん)のリスクを評価できます。
特に卵巣がん・膵臓がんは一般のがん検診で対象外となっていることが多く、また早期発見が難しいとされているため、マイシグナルによるがんリスク検査は大変有用といえます。

マイシグナルでリスク評価ができるがん種とその特徴

マイシグナルでリスク評価できる10種のがん種には、以下のような特徴があります。

食道がん
  • 飲酒・喫煙・偏食(野菜や果物を食べない、辛いものや熱いものを好む)などの生活習慣と関係が深い。
  • 早期から転移のリスクが高い。
  • 早期に発見できれば、内視鏡治療で切除できる場合もある。
  • おもな危険因子は、加齢・喫煙習慣・飲酒習慣・家族歴など。
乳がん
  • 女性の9人に1人は罹患するとされている。
  • 20代後半から罹患率が増え始める。
  • 早期なら9割以上が治癒するとされている。
  • おもな危険因子は、加齢・家族歴・出産経験がない・30歳以上での初産など。
肺がん
  • 初期症状が風邪症状(咳、痰、発熱など)に似ているため、見落とされやすい。
  • 転移のリスクが高い。
  • 男性は50代以降に罹患率が急増する。
  • おもな危険因子は、加齢・喫煙歴・家族歴・結核の罹患歴など。
胃がん
  • 自覚症状が乏しい。
  • 自覚症状があっても、症状(胃痛、胃の不快感や違和感、胸焼け、食欲不振など)が胃炎や胃潰瘍に似ているため、わかりづらい。
  • 高齢になるほど罹患リスクが高くなる。
  • 早期ならほとんどが治癒可能。進行がんでも治癒率は50%前後。
  • おもな危険因子は、加齢・ピロリ菌感染歴・家族歴など。
膵臓がん
  • 自覚症状がほとんどなく、早期発見が難しい。
  • 進行が速く、転移のリスクも高い。
  • 5年生存率が1割以下。
  • おもな危険因子は、加齢・家族歴・糖尿病歴・喫煙習慣・飲酒習慣など。
腎臓がん
  • 初期は自覚症状に乏しく、検診の画像検査で偶然見つかることも多い。
  • 進行すると血尿や腰背部痛を生じることがある。
  • 喫煙・肥満・高血圧が危険因子。
大腸がん
  • 日本国内で最も罹患数の多いがん。
  • 女性のがん死亡数は大腸がんが最も多い。男性は肺がんに次いで多い。
  • 早期に発見できれば、ほぼ完治が期待できる。
  • おもな危険因子は、加齢・家族歴・潰瘍性大腸炎の罹患歴・過体重など。
卵巣がん
  • 卵巣は骨盤の奥にあるため、異常があっても見つかりにくい。
  • 自覚症状が乏しく、進行してから見つかることが多い。
  • 死亡率が高い。
  • おもな危険因子は、不正出血・ひどい生理痛・子宮内膜症既往歴・妊娠や出産回数が少ないことなど。
膀胱がん
  • 血尿が初発症状として現れることが多い。
  • 男性に多く、喫煙が最大の危険因子。
  • 早期に再発する傾向があり、継続した経過観察が必要。
  • おもな危険因子は、喫煙・化学物質への職業曝露・慢性膀胱炎など。
前立腺がん
  • 男性特有のがんで、加齢とともに発症リスクが上昇する。
  • 初期症状が乏しく、検診で偶然見つかることも多い。
  • 進行すると排尿障害が現れる。
  • おもな危険因子は、加齢・家族歴・食生活(高脂肪食)など。

マイシグナルを活用するメリット

マイシグナルには、ほかのがんリスク検査とは異なるさまざまなメリットがあります。

一度に複数のがんリスクを知ることができる

マイシグナルは、一度の検査で最大10種のがんのリスクを知ることができます。
がん種別にリスクがわかるため、受診すべき診療科がわかりやすく、費用や時間、身体的負担を抑えられます。

検査前の制約がない

マイシグナルの使用に際し、食事や運動、薬の中止などの制約はありません。
尿を取るタイミングについても特別な制限はなく、どの時間帯の尿でも構いません。

ただし、血液が混入すると正確な結果が得られないおそれがあるため、生理中や血尿がある場合は「参考値」となります。

マイシグナルと腫瘍マーカー検査との違い

マイシグナルは、尿中のマイクロRNAを抽出・測定・解析して最大10種のがんのリスクを評価しますが、腫瘍マーカーの検査では、がんと関係が深い特定のたんぱく質などの値をチェックしてがんの有無や種類などを推測します。

腫瘍マーカーの値は体内のがんの量を反映するとされているため、がん診断の補助や経過観察、治療の効果判定などにも活用されています。
しかし、年齢や妊娠、飲酒や喫煙、服用している薬の影響などで値が変化することがあるほか、がんがあっても値が高くならない場合もあります。

そのため、がんの早期発見には必ずしも有効とはいえません。

一方、マイクロRNAは服用薬などの影響はほとんどなく、早期のがんであっても特有の発現パターンが見られることから、がんの早期発見に有用な検査といえます。

マイシグナルの注意点

マイシグナルは非常に簡便で高い精度が期待できる検査ですが、いくつかの点に注意が必要です。

検査の対象外となるケース

20歳未満の方、生理中や妊娠中の方、肉眼的な血尿がある場合は「参考値」となります。

また、マイシグナルは、がん未治療の方のデータを用いてがんリスクの評価を行っています。
再発がんやがんが転移した場合については研究データがありませんので、ご承知ください。

リスク判定結果について

マイシグナルでは、がんリスクを「低」「中」「高」の3段階で評価します。

しかし、「低」リスクであっても、がんに罹患していないことを絶対的に保証するものではありません。
また、あくまでがん罹患に関する「評価」であり、医療行為としての「診断」に代わるものではなく、確定的な診断でもありません。

気になる症状がある場合は、検査の結果にとらわれることなく速やかに医療機関を受診してください。

マイシグナルの費用

マイシグナルによるがんリスク検査は、保険適用のない自由診療となります。
当院での自己負担額は以下のとおりです。

項目 税抜 税込
マイシグナル 7種 55,000円 60,500円
マイシグナル 10種 63,000円 69,300円

※当院では上記金額で領収書を発行しております。
マイシグナルなどのがんリスク検査は、早期発見・診断のための検査として実施されており、個人の医療費控除としてご利用いただけます。所属されている企業の福利厚生制度により、一定額まで補助されるケースもございます。

よくあるご質問

1回検査を受けるだけでがんリスクがわかるのですか?

検査でわかるのは、検査時のがんリスクです。
がんのリスクは経時的に変化するため、定期的に検査を受けることをおすすめします。

どれくらいの頻度で検査を受けるべきですか?

前回の検査でがんリスクが低かった場合は、年に1回の継続的な検査をおすすめします。
発症リスクが高い場合は、がん種に応じた医療機関への受診をおすすめしますが、がんが見つからなかった場合でも短期間でがんが進行する可能性が否定できないため、半年に1回は検査を受けるほうがよいでしょう。

検査に年齢制限はありますか?

マイシグナルの対象年齢は20歳以上です。
使用年齢に上限はありません。
マイシグナルでリスク評価ができる10種のがんのなかには、若いうちから発症リスクが高まるものもあるため、不安がある場合はマイシグナルでの検査をおすすめします。

薬やサプリメントを飲んでいても検査を受けられますか。
ワクチンや予防接種が結果に影響することはありますか?

薬やサプリメントを飲んでいても、マイシグナルで検査することは可能です。
また、ワクチンや予防接種が結果に影響することもありません。

 

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。