アレジオン眼瞼クリームとは？

アレジオン眼瞼クリーム（一般名：エピナスチン塩酸塩眼瞼クリーム）は、抗アレルギー作用のある眼周囲専用の外用薬です。

有効成分は、抗アレルギー薬のアレジオン錠やアレジオン点眼液・アレジオンLX点眼液と同じエピナスチンです。

ヒスタミンH1受容体拮抗作用とメディエーター（アレルギー症状を惹起する物質）遊離抑制作用をあわせ持ち、アレルギー性結膜炎によるかゆみや充血などを抑えます。

なお、「アレジオン」という名称は、病変（=lesion）を無くする（=A）という意味に由来します。

アレジオン眼瞼クリームの特徴

アレジオン眼瞼クリームは、1日1回眼周囲（上まぶたと下まぶた）に塗布するクリームタイプの製剤で、アレルギー性結膜炎治療薬では世界初の剤形です。

アレルギー性結膜炎治療用点眼液の場合、通常は1日2～4回の点眼が必要ですが、アレジオン眼瞼クリームは1日1回上下のまぶたに塗布するだけで有効成分が浸透し、結膜で持続的に作用します。
成人はもちろん、自分では点眼が難しいお子さんや介助が必要な方でも使いやすく、適切な使用が期待できます。

また、国内で実施された臨床試験において、アレルギー性結膜炎の主症状であるかゆみや充血につきプラセボ群に対する優越性が認められています。なお、長期使用にともなう重篤な副作用は報告されていません。

アレジオン眼瞼クリームの使い方

適応疾患と使用回数

アレジオン眼瞼クリームは、アレルギー性結膜炎に適応があります。
通常、適量（片目あたり約30mg、目安として約1.3cm）を1日1回上下の眼瞼に塗布します。

アレジオン眼瞼クリームを塗るときのコツ

アレジオン眼瞼クリームの塗り方は以下のとおりです。

• 最初に、手をせっけんと流水でよく洗います。
• チューブを軽く押しながら適量のクリームを指先に出します。
  1回の使用量は、片目あたり約30mg（絞り出したクリームの長さとして約1.3cm）です。
  大人の人差し指の先端から第一関節までの長さの半分程度が約1.3cmです。
• 軽く目を閉じ、指先に出したクリームを上下のまぶたに半量ずつのせ、透明になるまで指でやさしくなじませます。

反対側のまぶたにも塗る場合は、2.3.をくり返してください。

なお、塗布直後に入浴・洗顔するとクリームが洗い流されてしまいます。

有効成分を十分に浸透させるため、入浴後や洗顔後、就寝前に塗布するようにしてください。

アレジオン眼瞼クリームを外用する上での注意点

アレジオン眼瞼クリームを塗ってはいけない例

アレジオン眼瞼クリームの成分に対して過敏症の既往歴がある場合は、重篤なアレルギー症状があらわれるおそれがあるため使用を避けなければなりません。

なお、アレジオン眼瞼クリームは目のまわり（まぶた）に塗ることで有効成分が浸透し、効果を発揮します。
目に入れたり塗布したりする薬ではないため、誤って目に入った場合はすぐに水で洗い流してください。

アレジオン眼瞼クリームの副作用について

アレジオン眼瞼クリームのおもな副作用として報告されているのは、まぶたのかゆみや赤みなどです。

これらの副作用の発生頻度は0.1～5％未満とそれほど高くありませんが、症状によっては薬の中止・変更が必要になることもあります。

したがって、アレジオン眼瞼クリームの使用にともない気になる症状があらわれた場合は、早めにご相談ください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

病気の治療で内服薬を服用している場合でも、アレジオン眼瞼クリームは使用できます。

ただし、ほかの点眼薬や眼軟膏などを併用する場合は、アレジオン眼瞼クリームを最後に使用してください。

使い方に不安がある場合は、診察時にご相談ください。

特定の患者さまの使用に関して

妊娠中または妊娠の可能性のある方の使用に関して

動物を対象とした試験で、高用量のアレジオンを経口投与した場合に受胎率が低下したことが報告されています。

また、器官形成期の高用量・経口投与で胎児致死作用があったとの報告もあります。

そのため、妊娠中の方または妊娠している可能性のある方については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみアレジオン眼瞼クリームの使用を検討します。

お子さまへの使用に関して

アレジオン眼瞼クリームは、12歳未満の小児などを対象とした臨床試験を行っていません。

もっとも、「臨床試験を行っていないこと」と「危険であること」は、必ずしもイコールではありません。
実際、アレジオンの経口薬（ドライシロップ剤）は小児にも適応があります。

したがって、実際の治療では有益性と危険性を比較しながら使用の可否を判断します。

アレジオン眼瞼クリームの患者負担・薬価について

アレジオン眼瞼クリームの薬価は、1gあたり1,686.7円です。

チューブ1本あたりの容量は2gなので、薬剤費は3373.4円/本になります。

なお、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額になります。
例えば、3割負担の患者さまにアレジオン眼瞼クリーム2g/1本が処方された場合、ご負担金額は1012.02円です（薬剤費のみの計算です）。

よくあるご質問

アレジオン眼瞼クリームと同じ成分の市販薬はありますか？

市販薬にアレジオン眼瞼クリームと同じ成分のものはありません。

アレジオン眼瞼クリームの有効成分であるエピナスチンを主成分とする飲み薬はドラッグストアなどでも購入できますが、同等の効果が得られるとは限りません。
また、市販のエピナスチン錠はいずれも適応疾患が「アレルギー性鼻炎」に限定されているため、アレルギー性結膜炎の症状改善には使えません。

このようなことから、市販のエピナスチン製剤をアレジオン眼瞼クリームの代替品として使うことはできませんので、ご注意ください。

アレジオン眼瞼クリームを、アレルギー性結膜炎以外に使うことはできますか？

アレジオン眼瞼クリームの適応疾患はアレルギー性結膜炎のみです。
ほかの症状・疾患には処方できませんし、使うこともできませんので、ご承知ください。

アレジオン眼瞼クリーム1本で、何回くらい使えますか？

アレジオン眼瞼クリームの1回の使用量は片目あたり約30mg、両目で約60mgです。

アレジオン眼瞼クリームは1本に2g入っているため、両目に使った場合約33回（約1ヵ月）使える計算になります。

アレジオン眼瞼クリームのおすすめの使用タイミングはいつですか？

アレジオン眼瞼クリームは効果が1日中続くので、基本的にいつ塗布しても構いません。

ただ、洗顔前・入浴前に使用すると、有効成分が浸透する前にクリームが洗い流されてしまいます。
そのため、洗顔後あるいは入浴後に使用するようにしてください。

おすすめの使用タイミングは、就寝前です。
寝る前に塗布しておけば、起床時までに薬剤がしっかり浸透して結膜に作用するため、朝からかゆみに悩まされることが少なくなります。

また、メイクする場合でもべたつきが気にならなくて済みます。

アレジオン眼瞼クリームは、目のかゆみがあるときだけ使えばいいですか？

アレジオン眼瞼クリームは、かゆみがあるたびに使う薬ではなく、かゆみの発生を抑えるために毎日使用する薬です。

治療期間中は、かゆみの有無・程度に関係なく、毎日まぶたに塗布してください。

正しく使い続ければ、かゆみの少ない状態を維持できます。

アレジオン眼瞼クリームを塗り忘れた場合はどうすればいいですか？

アレジオン眼瞼クリームを塗り忘れた場合は、気が付いたタイミングで塗布すれば大丈夫です。

ただし、次の塗る時間が近い場合は忘れた分をとばし、次の回から指示通りに塗ってください。

ただし、塗る量は1回分のみです。2回分塗らないでください。