非ステロイド系抗炎症薬「アズノール軟膏(ジメチルイソプロピルアズレン)」

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アズノール軟膏とは?

アズノールの画像

アズノール軟膏(一般名:ジメチルイソプロピルアズレン軟膏)とは、痛みやかゆみを抑える効果がある塗り薬です。西洋ハーブであるカモミールを水蒸気蒸留することによって得られるアズレンが主成分で、濃い青色をしているのが特徴です。

その他にも羊の毛に付着した脂肪分から作られた精製ラノリンや、石油を材料とした白色ワセリンなどが含まれています。

アズノールの名前の由来は、主成分であるアズレンからきているそうです。

アズノール軟膏の特徴

アズノールは湿疹・やけどの傷・その他の皮膚疾患によってできるびらんや皮膚潰瘍などに対して治療効果があるお薬です。効果としては穏やかですが、痛みやかゆみをおさえ、さらに傷の治りを促進する効果も持ち合わせるため、いわば万能的なキズ薬のような立ち位置の薬です。

皮膚科でも帯状疱疹の傷・やけど・お子さまの湿疹などを代表とした様々な症状に対して処方されています。副作用も比較的少ないため、比較的軽めの湿疹・広範囲な病変・長期に渡って塗布することが予想される場合などは積極的に使用されています。逆に言えば、特定の症状に対して特化した治療効果を持つ他の薬(例:湿疹に対するステロイド外用薬)と比べると、アズノールの治療効果はやや劣ることが多いです。

アズノール軟膏の使い方

症状に応じて、1日1〜数回、適量のアズノールを患部に塗布します。使用する際の上限量や上限回数は特に定められていません。肌に強くすりこむ必要はないので、やさしくたっぷりと塗ってください。塗った後のベタつきが気にならなければ、表面が少しテカテカするくらい塗ってしまって大丈夫です。また、アズノールに対するアレルギーがなければ病変がない部位にアズノールが付いても問題はありません。

アズノール軟膏を外用する上の注意点

接触皮膚炎(かぶれ)に関して

日本皮膚科学会から発表されている「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」によると、アズノールの主成分であるアズレンや基剤として使われるラノリンは、どちらもかぶれの原因になりうる医薬品として報告されています。はじめて塗った時には症状が起きなくても、2回目以降の外用時にかゆみや赤みなどの症状が現れる場合がありますのでご注意ください。アズノールを塗った部位に赤みやかゆみが出てきてしまった場合は外用を中止しご相談ください。

粘膜への使用に関して

アズノールは口や陰部の粘膜には入っても問題ありません。うがい用のアズノール液もあるくらいです。ただし、目の中には入れないよう添付文書に記載されていますので、目の付近に外用する場合はお気をつけください。万が一目に入ってしまった場合には軟膏を水道水で洗い流し、異常があった場合には早めに医療機関を受診してください。

他の薬との併用に関して

内服薬を常用している場合でも、アズノールを外用することには差し支えありません。アズノール以外の外用薬を使用している場合は、その旨を主治医にお伝えください。

お子さま、妊娠中・授乳中の方、ご高齢の方への外用に関して

アズノールは生まれたばかりの赤ちゃんからご高齢の方まで、年齢や性別に関わらず外用することができます。赤ちゃんの場合は、オムツかぶれやあせもなどの皮膚症状に対して処方されることが多いです。赤ちゃんの肌や口に入っても大丈夫なお薬ですので、妊娠中や授乳中の方でも安心してお使いいただけます。

アズノール軟膏の患者さま負担・薬価について

アズノールの薬価は1gあたり5.3円なので20gのチューブ1本は106円です。3割負担の患者さまでは31.8円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。ただし、うがい用に特化したアズノールうがい液や、同成分含有のアズレン含嗽用顆粒は値段が異なります。

よくあるご質問

アズノールの市販薬はありますか?

アズノール軟膏は医療用医薬品です。処方せんがなければ購入できませんのでご注意ください。

アズノールはやけどにも有効ですか?

やけどの初期治療としてはアズノールが使われることが多いですが、やけどはその深さによって適切な治療が変わります。皮膚に水ぶくれや傷ができるようなやけどを負ってしまった場合は早めにご相談ください。

アズノール軟膏はニキビにも効果がありますか?

ニキビに対してアズノールを用いることは少ないです。ニキビでお困りの場合は、ニキビ用の治療薬を使って治療するのが近道です。

アズノールはアトピー性皮膚炎にも有効ですか?

アトピー性皮膚炎では皮膚に炎症が生じるため、アズノールが有効な可能性があります。ただしそれは軽症な皮疹の場合に限ります。中等症以上のアトピー性皮膚炎に対してはステロイドやプロトピック、コレクチムなどの軟膏が有効です。自己判断で治療を行わず、皮膚科医の診察に基づいて治療することをおすすめします。

 

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