八味地黄丸とは

中年以降特に老齢者の方の膀胱カタル、陰萎や坐骨神経痛、腰痛などに使用される漢方薬です。出典は張仲景(チョウチュウケイ)が記した中国の古典医学書である金匱要略(キンキヨウリャク)です。8種類の生薬から構成されていることを八味といい、生薬の地黄を主薬とすることから八味地黄丸と名付けられたものと考えられています。八味丸、八味腎気丸、金匱腎気丸と呼ばれることもあります。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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八味地黄丸の特徴
八味地黄丸は以下の生薬が含まれます。
- 地黄(ジオウ)
- 山茱萸(サンシュユ)
- 山薬(サンヤク)
- 沢瀉(タクシャ)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 牡丹皮(ボタンピ)
- 桂皮(ケイヒ)
- ブシ末(ブシ末)
八味地黄丸の効能効果
次の症状に効果があります。
- 疲労や強い倦怠感がある
- 尿が少ない、または回数が多い
- のどが渇く
- 手足に交互に冷えや熱感がある
対象となる病気は次の通りです。
腎炎、糖尿病、勃起障害(陰萎)、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱炎(膀胱カタル)、前立腺肥大、高血圧
使用目標(証)は、中年以降、特に高齢者によく使われます。
主な目安は以下の通りです。
- 腰や下半身の力が抜ける、冷える、しびれる
- 夜間の頻尿など排尿異常がある
- 上腹部に比べて下腹部が弱く力がない(臍下不仁)
- 多尿・頻尿・尿量減少・排尿痛などがある
- 疲労感、腰痛、口の渇きがある
- 高齢で体が弱っている(フレイル)
八味地黄丸の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
八味地黄丸の副作用
副作用として過敏症(発疹、発赤、掻痒等)、肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GTP)、T-Bilの上昇)消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等)、心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ等が報告されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。また、小児等には慎重に投与すること。[本剤にはブシ末が含まれている。]と記載がございます。
八味地黄丸の患者さま負担・薬価について
医療用とされている八味地黄丸としては「ツムラ八味地黄丸エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は73.50円で1包(2.5g)あたり24.5円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは661.5円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 八味地黄丸にはどんな副作用がありますか?
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詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 八味地黄丸はどんな効果がありますか?
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中年以降特に老齢者の方の膀胱カタル、陰萎や坐骨神経痛、腰痛などに効果が期待できる漢方薬です。
- 八味地黄丸はドラッグストアで売っていますか?
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ツムラから第二類医薬品として販売されています。ただし安全性を高めるために、一般用医薬品では用法用量を調節していることがあります。詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
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漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
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記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。