ニキビ漢方薬「十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)」

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十味敗毒湯とは?

十味敗毒湯は、日本で初めて麻酔手術を行った外科医である華岡青洲(はなおかせいしゅう)が、中国の明時代にあった「荊防敗毒散(ケイボウハイドクサン)」という処方をもとに作成した漢方薬です。そもそも漢方薬は様々な植物や動物などから薬効となる成分を抽出した生薬(しょうやく)を組み合わることで作られており、十味敗毒湯は10種類(十)の生薬(味)を組み合わせて皮膚における化膿等の毒素を取り除く(敗毒)ということが名前の由来といわれています。

十味敗毒湯の特徴

十味敗毒湯には、以下の10種類の生薬が含まれます。

  • 桔梗(キキョウ)
  • 柴胡(サイコ)
  • 川芎(センキュウ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 防風(ボウフウ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 荊芥(ケイガイ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 樸樕(ボクソク)
  • 独活(ドクカツ)

この他、添加物として日局ステアリン酸マグネシウムと日局乳糖水和物も含有しています。
※上記はツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)に配合される生薬です。成分は販売会社によって多少異なります

これらの生薬を組み合わせることで皮膚の腫れや赤み、そしてかゆみを取るはたらきが期待できるとされ、じくじくと化膿したオデキや尋常性ざ瘡(ニキビ)、皮膚炎、じんましん水虫などに対して用いられています。尋常性ざ瘡に対して使用する場合に注目すると、日本皮膚科学会の出している「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)治療ガイドライン2017」において、十味敗毒湯は炎症を伴うニキビに対してのみ治療選択肢の1つとして推奨されています。炎症を伴わないニキビに対する治療として用いることも可能ですが、ガイドライン上での推奨はされていません。このように十味敗毒湯は、化膿してじくじくとしているような病変がある場合に用いられるイメージのお薬です。この他、アレルギー体質や肌が化膿しやすい体質を改善させるために使われることもあります。

十味敗毒湯の使い方

成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお容量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。

十味敗毒湯を服用する上での注意点

主な副作用として発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などが報告されています。十味敗毒湯の内服を開始してからこれらの副作用が生じてお困りの場合は、速やかに服用を中止して医療機関までご相談ください。また効果が現れるのは内服開始後1ヶ月程度経過してからが目安とされています。1ヶ月以上継続しても効果が感じられない場合には担当の医師にご相談ください。

日常生活における注意点

甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬やグリチルリチン製剤と十味敗毒湯を一緒に飲む場合は、副作用に注意が必要です。偽性アルドステロン症という副作用で低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウムや体液の貯留、浮腫、体重増加等の症状が出る場合があります。進行すると息苦しさ・尿の異常・糖尿病増悪・脱力感・四肢のけいれん・意識消失などが生じる場合もあります。これまで長期内服していて問題がなくとも、徐々にこれらの副作用が出る場合もあります。内服を続けている間は継続的な注意が必要です。

十味敗毒湯の患者さま負担・薬価について

医療用とされている十味敗毒湯としては「ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。その薬価は1包(2.5g)あたり36.25円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは978.75円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。この他、「クラシエ十味敗毒湯エキス錠」なども医療用です。こちらは1錠5.9円で、1日に18錠程度内服した場合の薬剤費は955.8円と、大きな差はありません。

よくあるご質問

十味敗毒湯には医療用医薬品と市販品があるようですが、違いはありますか?
他の漢方薬にもいえますが、同様の名称でも医療用医薬品の方が多くの有効成分が含まれています。市販品は有効成分が少ない分、効き目はおだやかで、副作用は少ないです。すぐに欲しい方や、お試しで使ってみたい方などには市販品が良いかもしれません。なお医療用医薬品には健康保険が適応されます。
十味敗毒湯は妊娠中でも内服できますか?
妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。妊婦又は妊娠している可能性のある患者さまには、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を検討いたします。妊娠している、もしくはその可能性がある方は診察時にご申告下さい。