麻黄湯とは
熱性疾患の初期で頭痛、発熱、悪寒、腰痛、四肢の関節痛などがあり、自然発汗がない場合に使用される漢方薬です。4種類の生薬からなり、その主薬である麻黄の名を用いて処方名としています。気を巡らせる生薬や温めながら発汗させる生薬、鎮咳の作用がある生薬等で構成されています。
出典は張仲景(チョウチュウケイ)が著した、傷寒論(ショウカンロン)です。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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麻黄湯の特徴
麻黄湯は以下の生薬が含まれます。
- 麻黄(マオウ)
- 杏仁(キョウニン)
- 甘草(カンゾウ)
- 桂皮(ケイヒ)
麻黄湯の対象患者さまについて
効能効果は悪寒、発熱、頭痛、腰痛、自然に汗の出ないものの次の諸症:感冒、インフルエンザ(初期のもの)、関節リウマチ、 喘息、乳児の鼻閉塞、哺乳困難です。
使用目標は以下の通りです。
(使用目標=証)
平素から丈夫で体力充実した人の熱性疾患*の初期で、頭痛、発熱、悪寒、腰痛、四肢の関節痛などがあり、自然発汗の ない場合に用いる。
1)喘鳴、咳嗽などを伴う場合。
2)乳幼児の感冒で、鼻閉塞のある場合。
*効能・効果参照
麻黄湯の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
麻黄湯を服用する上での注意点
重大な副作用として偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されています。その他の副作用では過敏症(発疹、発赤、掻痒等)、自律神経系(不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等)、肝臓(肝機能異常【AST(GOT)、ALT(GPT)】等の上昇)、消化器症状(食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐等)、泌尿器(排尿障害等)も報告されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。小児の投与については使用経験が少ないため、安全性は確立していないと添付文書ではなっています。用量については医師の指示に従ってください。
麻黄湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている麻黄湯としては「ツムラ麻黄湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は85.50円で1包(2.5g)あたり28.5円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは769.5円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 麻黄湯にはどんな副作用がありますか?
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詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 麻黄湯はどんな効果がありますか?
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感冒、インフルエンザに効果が期待できる漢方薬です。
- 麻黄湯はドラッグストアで売っていますか?
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ツムラから第二類医薬品として販売されています。ただし安全性を高めるために、一般用医薬品では用法用量を調節していることがあります。詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
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漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
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記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。