イボ治療薬「モノクロロ酢酸(MCA)」

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モノクロロ酢酸(MCA)とは?

モノクロロ酢酸の写真

モノクロロ酢酸とは強い酸性を持つ化学物質で、モノクロロ酢酸溶液をいぼに塗ることでいぼの組織を腐食・壊死させ、取り除くことができます。
日本皮膚科学会が発表している尋常性疣贅診療ガイドラインでも治療選択肢の1つとして記載されています。
凍結凝固療法の他にも、いぼを壊死させて除去する方法があります。その一つが、モノクロロ酢酸を用いる方法です。

実際の治療方法

まず、いぼがぶ厚い場合は、カミソリやメスを用いて表面をある程度削ります(厚すぎる部分を少しだけ取り除くイメージです。削りすぎると傷になり、酸を塗ったときに痛むことがあります)。次にいぼに対し、爪楊枝などを用いてモノクロロ酢酸を塗ります。尖っている先端でいぼに少し刺すように塗るのがコツといわれていますが、いぼが大きい場合は爪楊枝の頭側を使って塗ることもあります。ちなみに綿棒や綿球だとモノクロロ酢酸を吸い取ってしまい効果が落ちるため、使用しません。酸を塗ったら乾かします。うちわなどであおいでも大丈夫です。乾いたら院内での処置は終了です。靴下と靴を履いてご帰宅いただけます。

ただ、モノクロロ酢酸が正常な皮膚に付着すると皮膚がダメージを受けて水ぶくれや傷になることがあります。いぼ以外の皮膚に薬が付かないように、治療後数時間は患部を濡らさないようにしてください。治療後数時間以内の運動も、同様の理由でオススメしません。処置当日の入浴を控えた方がいい場合もあります。

治療がうまくいった場合は2、3日でいぼが白く変色し、脱落します。一回でいぼが全て取りきれなくとも、部分的に取れていればひとまず成功です。

凍結凝固療法と同様に、この一連の治療を約2週間に1回のペースでいぼがなくなるまで続けます。治療期間は凍結凝固療法よりも短くなることが多い印象ですが、部位によってはやはり数ヶ月の治療を必要とすることもあります。

モノクロロ酢酸が向いている患者さまと不向きな患者さま

モノクロロ酢酸による治療は冷凍凝固療法と比べて痛みが少ないため、痛みが苦手な患者さま・小さなお子様の治療に向いています。

ただそれでもまれに、処置の数時間後に鈍い痛みが出たり、数日後に強い反応が起きて水ぶくれや傷ができてしまう場合もある点には注意が必要です。

また、凍結凝固療法でいぼが完治しなかった患者さまにも、次の治療手段としてオススメすることがあります。

モノクロロ酢酸による治療は、2週間に1回の通院を継続することが難しい患者さまには向いていません。通院間隔を開けすぎると、治療して小さくなりつつあるいぼが再度増大してしまい、いつまでも治らなくなってしまいます。また、モノクロロ酢酸は強い酸性を持つため、粘膜(目・口・陰部)の近くにできたいぼには使用できません。この治療法が患者さまに不向きと判断した場合には、他の方法をご提案させていただく場合もありますのでご了承ください。

また同じウイルス性のいぼでも、水いぼや尖形コンジローマに対してモノクロロ酢酸を使って治療することはあまりありません。老化に伴ういぼ(脂漏性角化症・軟性線維腫)にも用いることはありません。

» モノクロロ酢酸のコラムはこちら

よくあるご質問

モノクロロ酢酸は市販薬として販売されていますか?

モノクロロ酢酸は、法人向けに試薬として販売されていることもありますが、劇物に指定されているため一般の方が入手するのは難しいと思われます。
たとえ入手できても取り扱いが難しいため、いぼ治療の目的で使用するのはおすすめできません。

モノクロロ酢酸は市販のいぼ治療薬に配合されていますか?

市販のいぼ治療薬に、モノクロロ酢酸は配合されていません。
皮膚科でもモノクロロ酢酸による治療を行っているクリニックは限られていますので、治療をご希望でしたら当院にご相談ください。

モノクロロ酢酸と木酢液は同じものですか?

モノクロロ酢酸と木酢液はまったくの別物です。
モノクロロ酢酸は不純物を含まない単一成分の試薬ですが、市販の木酢液は酢酸が主成分で、その他約200種以上の成分が含まれているとされています。
なお、木酢液をいぼ治療に使う民間療法もあるようですが、木酢液がいぼの除去に効果があるというエビデンス(科学的根拠)はありません。

モノクロロ酢酸は家庭で作れますか?

モノクロロ酢酸は、酢酸を塩素化するか、硫酸を使用してトリクロロエチレンを加水分解することによって工業的に製造されるようですが、一般家庭で作ることはできません。
当院でも、試薬として販売されているモノクロロ酢酸を購入して治療用の飽和水溶液を作っています。

モノクロロ酢酸に副作用はありますか?

モノクロロ酢酸は、正常な皮膚に付着すると赤みや痛みが生じたり、やけどしたような状態になったりすることがあります。また、誤って経口摂取すると、腹痛や灼熱感を起こすことがあり、大量に摂取すると意識を失うこともあります。
処置後数日してから水疱や傷ができることもあるため、気になる症状があらわれた場合はすぐに受診してください。

 

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