人参湯とは

体質虚弱もしくは体力が低下しており、冷え症で食欲不振や胃部停滞感、下痢など胃腸機能が落ちているケースに使用される漢方薬です。
4種の生薬で構成されており、その主薬である人参の名をとって処方名としています。人参湯の効能である中(身体の中央にある 消化管の機能)を理(治)める働きに基づいて理中湯とも呼ばれています。
胃腸機能を補う生薬、温める生薬、身体の水分バランスを整える生薬で構成されています。
出典は中国の医学書である、金匱要略(きんきようりゃく)、傷寒論(しょうかんろん)です。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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人参湯の特徴
人参湯は以下の生薬が含まれます。
- 乾姜(カンキョウ)
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 甘草(カンゾウ)
- 人参(ニンジン)
人参湯の効能効果
効能効果
体質虚弱の人、或いは虚弱により体力低下した人の次の諸症: 急性・慢性胃腸カタル、胃アトニー症、胃拡張、 悪阻(つわり)、萎縮腎です。
使用目標
(使用目標=証)
比較的体力の低下した冷え症の人で、食欲不振、胃部停滞感、下痢など胃腸機能が低下している場合に用いる。
1)胃腸虚弱、倦怠感、尿が稀薄で量が多い、口中にうすい唾液がたまるなどの症状を伴う場合。
2)腹部が軟弱無力で振水音のある場合。
人参湯の使い方
成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
人参湯の副作用
重大な副作用として偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されています。その他、過敏症(発疹、蕁麻疹等)が報告されています。
服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。使用経験が少ないため、小児に対する安全性は確立していないと添付文書では記載されています。用量については医師の指示に従ってください。また、アルドステロン症の患者、ミオパチーのある患者、低カリウム血症のある患者については服用は禁忌になります。
人参湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている人参湯としては「ツムラ人参湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は104.25円で1包(2.5g)あたり34.75円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは938.25円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 人参湯にはどんな副作用がありますか?
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詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 人参湯はどんな効果がありますか?
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体質虚弱もしくは体力が低下しており、冷え症で食欲不振や胃部停滞感、下痢など胃腸機能が落ちているケースに効果が期待できる漢方です。
- 人参湯はドラッグストアで売っていますか?
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ツムラから第二類医薬品として販売されています。ただし安全性を高めるために、一般用医薬品では用法用量を調節していることがあります。詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
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漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
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記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。