抗ヒスタミン薬「ポララミン(クロルフェニラミン)」

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ポララミンとは?

ポララミンの写真

ポララミン(一般名:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)は蕁麻疹、血管運動性浮腫、皮膚疾患に伴うかゆみ、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽(がいそう:せきのこと)などの症状に対する有効性が認められている薬です。

これらのアレルギー症状は体内で遊離ヒスタミンとH1受容体が結合することにより生じますが、ポララミンはH1受容体と結合することでヒスタミンの働きを阻害し、抗アレルギー作用を発揮します。

ポララミンの特徴

ポララミンは第一世代の抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬とは皮膚のかゆみや鼻炎の原因となるヒスタミンという物質の働きを抑制する薬の総称で、これまでに数多くの抗ヒスタミン薬が発売されています。

抗ヒスタミン薬は副作用の強さで第一世代と第二世代に分けられますが、第一世代の薬は脳への影響が大きく眠気が出やすかったり口渇や便秘、排尿困難などの抗コリン作用がみられる場合もあります。そのため現在では、副作用の少ない第二世代の薬を用いるのが主流です。しかしポララミンは第一世代抗ヒスタミン薬の中では比較的安全性や有効性が高いため、今でも重宝されています。

ポララミンの使い方

通常、成人には1回2mgを1日1~4回経口投与します。なお、投与量は年齢や症状により調整します。 小児の用量に関しては特に決まりはありませんが、参考までにアメリカでは以下のような基準が設けられています。

  • 2〜5歳の小児:0.5mgを必要により4~6時間毎に投与
  • 5〜12歳の小児:1mgを必要により4~6時間毎に投与。
  • 12歳以上の小児:1日0.15mg/kg又は4.5mg/m2(体表面積)を1日4回分割投与
  • 新生児・低出生体重児に対する投与はすすめられない。

なお薬を内服してから効果が出るまでにかかる時間は15~60 分、効果が持続する時間は4~8時間程度とされています。

ポララミンを服用する上での注意点

副作用

H1受容体は中枢神経にも存在しており、ヒスタミンが中枢神経のH1受容体に結合することでヒトの覚醒状態が保たれています。ポララミンが中枢神経のH1受容体と結合すると、覚醒が阻害されて眠気・倦怠感・ふらつきなどの症状が現れる場合があります。そのためポララミンを内服している間は自動車・バイクなどの運転ができませんのでご注意ください。また、ポララミンとH1受容体の結合によりけいれんが起きる可能性もあります。けいれんの既往がある方はポララミンの内服を避ける必要がありますので、診察時に医師に申告してください。この他にも頻尿・排尿困難・神経過敏・複視(ものが二重に見える)・視野狭窄(視野がせまくなる)・頭痛・口渇・吐き気・肝機能障害・発疹・かゆみなどを起こすこともあります。ポララミンの内服中にこれらの体調変化を感じたときは、医師に相談しましょう。

ポララミンを内服できない方

過去にこの薬で過敏症状を起こしたことのある方、前立腺肥大のある方、緑内障のある方、けいれんの既往がある方、低出生体重児や新生児などに当てはまる患者さまには使用できませんのでご注意ください。

他に内服中の薬がある場合

抗コリン作用のある薬剤、バルビツール酸系催眠鎮静剤、フェノチアジン系製剤、自律神経作用剤、MAO阻害剤、降圧剤などと併用するとお互いに作用を強めたり血圧が上昇するなどのリスクがありますので注意が必要です。内服中の常用薬がある場合には、診察時に申告してください。

アレルギー性鼻炎・結膜炎などに対する予防的投与に関して

ポララミンは季節性のアレルギー(花粉症など)に対して予防的に使用すると効果的な薬です。担当の医師と相談の上で、症状が起こりやすい季節より少し前から服用を開始しておくこともご検討ください。

飲酒に関して

眠気やふらつきなどの副作用が強く出ることがあるため、ポララミン内服中の飲酒は控えてください。

ポララミンの患者さま負担・薬価について

ポララミンには錠剤・粉薬(散)・シロップ・ドライシロップ(水に溶かしてのむ飲み薬)があり、それぞれの薬価は以下の通りです。

ポララミン錠2mg 5.7円/錠
ポララミン散1% 11.9円/g
ポララミンシロップ0.04% 1.61円/mL/g
ポララミンドライシロップ0.2% 5.8円/g

一般的に使われることの多い錠剤を例に挙げると、1日4回で30日分処方された場合、3割負担の患者さまで205.2円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

ポララミンを飲むと眠気が出ると聞いたことがありますが、実際に内服しても眠気は出ませんでした。薬の量が足りないのでしょうか?

ポララミンに限らず、薬の作用や副作用には個人差があります。治療の効果が十分実感できているのであれば問題ありません。

ポララミンを飲んでも眠気が出なければ車を運転してもいいですか?

添付文書(薬の説明書)には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。」と記載されています。そのため、運転を許可することは困難です。

 

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