ラピフォートワイプとは?
2023年6月より新薬の処方日数制限が解除され、長期処方ができるようになりました!
ラピフォートワイプ2.5%(有効成分:グリコピロニウムトシル酸塩水和物)は、ワイプ型の塗り薬で原発性腋窩多汗症の発汗を抑制します。1回使いきりのワイプ製剤で、簡便かつ衛生的に使用することができます。
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米国では、濃度が異なるグリコピロニウムトシル酸塩水和物3.75%ワイプ製剤(国内未承認)が2018年10月より発売されております。国内においても臨床試験を行い、ラピフォートワイプ2.5%が2022年1月に製造販売承認され、5月23日に発売されました。
名称の由来はラピッドRapid(早く)と、コンフォートComfort(快適に)を組み合わせて、早く快適になるという意味を込めて命名されました。
オンライン診療対応可能
厚生労働省が保険承認した薬剤ですので市販の制汗剤よりも効果が期待できます。市販の制汗剤を使われている方は一度お試しになられてみてはいかがでしょうか?
当院では初診からオンライン診療に対応しておりご来院いただかなくとも診療が可能ですので、恥ずかしさをやわらげることができると考えています。
通院なしで症状に合った薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
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ラピフォートワイプの特徴
- ラピフォートワイプの有効成分は、汗腺のムスカリンM3受容体へのアセチルコリンの結合を阻害することで、発汗を抑制します。
- 1回使い捨てのワイプ製剤で、簡便かつ衛生的に使用することができます。
- 1日1回、一包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を左右の両わきに1回ずつ塗布することで原発性腋窩多汗症に対して効果を示します。
- 塗布後、20~30秒で薬液が乾燥することが期待できます。
- 原発性腋窩多汗症患者を対象とした臨床試験において、ベースラインと比較して平均発汗重量が50%以上改善した患者の割合は、2週目に92.9%に達し、28週で82.6%、52週で85.3%であり、即効性と毎日使用により効果の持続性が期待できます。
ラピフォートワイプの適応患者さんについて
9歳以上の原発性腋窩多汗症の患者さんに使用いただけます。
ラピフォートワイプの使用方法
1日1回、夜就寝前など、一定の時間帯に、以下の手順で両わきに1回使い切りで塗布します。
脇をタオルで拭く等、清潔で乾いた状態にしてください。使用する直前にラピフォートワイプを開封します。広げたワイプで脇を一拭きして、お薬を塗ります。同じワイプでもう片方の脇も同様にお薬を塗ります。他の方(特にお子様)が誤って触れることがないように注意し、袋に入れてから捨てるなど適切に廃棄してください。使用後は直ちに手を洗い、手についたお薬をきれいに洗い流してください。
注意すること
- 薬液飛散に注意し目から離して開封してください。
- ゴシゴシこすらないでください。
- 傷や湿疹・皮膚炎等がある部位への使用は避けてください。
- 汗ふきシートではありません。わき以外の部位へ使用しないでください。
ラピフォートワイプの副作用について
主な副作用(1%以上)として、羞明、散瞳、霧視、ドライアイ、排尿困難、頻尿、口渇、接触皮膚炎、湿疹が報告されています。
ラピフォートワイプを使用する上での注意点
- お薬に触れた手で目を触らないでください。
- お薬が目に入った場合、光をまぶしく感じる、目がかすむ、刺激を感じる等の症状があらわれることがあるので、目に入らないよう注意してください。万が一、目に入った場合は、すぐに水でよく洗い流してください。
- お薬を塗った部位をラップフィルム等で密封しないでください。
- お子様の手の届かないところに保管してください。
- 前立腺肥大による排尿障害のある患者さん、閉塞隅角緑内障の患者さんは本剤の禁忌に該当しますので、使用しないでください。
ラピフォートワイプの患者負担・薬価について
ラピフォートワイプ2.5%の薬価(薬剤の値段)は1包あたり256円です。1カ月当たりの処方分の薬価は28包=7,170円(3割負担:約2,151円)となります。※薬剤費のみの計算です。
よくあるご質問
- 1枚のシートを繰り返し使用できますか?
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薬液は十分量含ませておりますが、臨床試験では1日1枚の使い切りとして有用性は確認されております。衛生面で考えても、1日1枚使い切りでの使用をお願いいたします。
- お薬使用後の手洗いは、石鹸で行う必要がありますか?
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石鹸を使用する必要はありません。薬剤を浸透・乾燥させた綿手袋を流水で手をもみ込むことなく洗い流した結果、10秒で約90%の薬剤が除去されました。石鹸使用の有無によって大きな違いはありませんでした。
- わきにお薬を塗布後、どのくらいの時間洗わないでおく必要がありますか?
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臨床試験では薬剤の塗布後、少なくとも4時間は腋窩を洗わないことと設定して有用性が確認されました。
- 子供は何歳から使えますか?
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9歳以上からお使いいただけます。9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施しておりません。
- 塗布するタイミングは決まっていますか?
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1日のうち、いつ塗布するかの規定はありません。 なお、国内臨床試験では治療期間を通じて原則、同じタイミング(夜就寝前)で塗布されていました。
- わき以外にも使用できますか?
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効能・効果は「原発性腋窩多汗症」のみで、頭部や手掌などに対するデータはございません。薬剤の血中濃度が上がる可能性が考えられますので、わきの多汗のみに使用にしてください。
- 塗り忘れた場合はどうしたらいいでしょうか?
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使い忘れた場合は、気がついたときに本剤 1 枚を用いて塗ってください。ただし、2回分を一度に使用しないでください。
- ラピフォートワイプによる治療期間を教えてください。
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効果が認められる場合は継続して使用してください。使い続けることで発汗をコントロールすることができる薬剤です。臨床試験では52週での毎日塗布による効果の持続性が確認できています。
- ラピフォートワイプはワキガ(腋臭症)に効果はありますか?
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汗腺にはアポクリン汗腺とエクリン汗腺の二種類があります。腋臭症はアポクリン汗腺からの汗が皮膚常在菌によって分解されにおいが発生する疾患です。
ラピフォートワイプはエクリン汗腺に作用するお薬ですのでわきがへの使用はできません。ただし腋臭症ではなく多汗によるにおいの場合は改善する可能性はあります。
記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。