多汗症治療薬「プロ・バンサイン(プロパンテリン臭化物)」

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プロ・バンサインとは?

プロバンサインの写真

プロ・バンサイン(一般名:プロパンテリン臭化物)は神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げる薬で、抗コリン薬とも言われています。アセチルコリンの働きが亢進する類の病気に対して有効で、皮膚の病気としては多汗症(汗が過剰に出てしまう病気)に対して使用されることがあります。皮膚科領域以外では、消化管のけいれんや胃液の過剰分泌を抑える目的のほか、夜尿症の治療にも用いられています。

プロ・バンサインの特徴

多汗症に対する内服薬には①プロ・バンサイン②カタプレス③グランダキシンなどがあります。しかしいずれもその効果は完全に証明されておらず、効き具合も患者さまごとにばらつきがあるといわれています。ただプロ・バンサインに関しては他の薬に比べて有効性を示す症例報告の数が多く副作用も少ないため、多汗症に対する内服薬として唯一保険適用となっています。また多汗症の治療に用いる他の抗コリン薬として、エクロックゲルがあります。エクロックゲルは2020年9月に承認されたばかりの新薬でありその効果が期待されていますが、こちらは腋窩の多汗症に対してのみ保険適用となっています。

» エクロックゲルの詳細はこちら

プロ・バンサインの使い方

多汗症の治療には「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版」によってアルゴリズム(治療方針の選び方)が示されています。このガイドラインによると、プロ・バンサインは全身のどの部位の多汗症に対しても用いることができます。しかし治療効果にばらつきがあることなどを考慮されてか、あくまでも他の治療の補助的な立ち位置とされています。

具体的な内服方法としては、成人の場合1回1錠(プロパンテリン臭化物として15mg)を1日3〜4回に分けて経口で投与し、患者さまの年齢や症状によって適宜増減します。多汗症で受診していただく患者さまの中にはお子さまもいらっしゃいますが、プロ・バンサインの添付文書には「小児(15歳未満)への安全性は確認されていない」と明記されているためお子さまに対して使用されることは多くありません。なお妊娠中の患者さまに対しても安全性が確立していませんが、授乳婦に対する注意書きはありませんので使用することが可能です。

治療を継続する期間に関しても目安となる決まりはありません。症状が落ち着くか、数ヶ月使用しても効果が実感できなかった場合には中止を検討します。

プロ・バンサインを服用する上の注意点

禁忌

抗コリン作用によって病状が増悪する病気として閉塞隅角緑内障・排尿障害のある前立腺肥大・重篤な心疾患・麻痺性イレウスをお持ちの患者さまは、プロ・バンサインの投与の影響で重篤な副作用が起きる可能性があります。そのためプロ・バンサインを投与することができません。これらの病気がある方は、診察時に必ずお申し出ください。

慎重投与

排尿障害のない前立腺肥大・甲状腺機能亢進症・うっ血性心不全・不整脈・潰瘍性大腸炎・開放隅角緑内障などの病気をお持ちの場合にも副作用のリスクがあります。これらの病気がある方も、診察時に必ずお申し出ください。またプロ・バンサインは発汗を抑える効果があるため、高温の環境でも汗をかきにくくなる可能性があります。体温調節機能が働かずに体温が異常に上昇してしまう可能性があるため、高温の環境で長時間過ごされる方には不向きです。

副作用

持病のない方が使用する分には重篤な副作用が起きることはほとんどありません。軽い副作用として目のかすみ・口の渇き・頭痛・眠気などを感じることがあります。内服治療中は自動車の運転など危険を伴うので機械の操作をしないようご注意ください。

日常生活における注意点

飲み合わせ

プロ・バンサインは三環系抗うつ剤のイミプラミン・アミトリプチリン、フェノチアジン系の抗精神病薬であるプロクロルペラジン・クロルプロマジン・ジエチルペラジン等、パーキンソン病治療薬のモノアミン酸化酵素阻害剤などと併用すると効果が増強される恐れがあります。また強心薬であるジゴキシンと併用した場合はジゴキシンの作用が増強される可能性があります。これらの薬を一緒に内服する必要がある場合には、薬の効きすぎに注意が必要です。

プロ・バンサインの患者さま負担・薬価について

プロ・バンサイン(15mg)の薬価は9.2円/錠であり、1日4回内服した場合は30日間で1104円です。

多汗症に対しては保険がききますので、3割負担の患者さまの場合は30日間で331.2円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

多汗症に対する他の治療と併用して内服することは可能ですか?
可能です。プロ・バンサインはメインの治療でおさまりきらない症状に対して、メインの治療と同時進行する形で投与することが多いです。
いわゆる「ワキガ」にも有効ですか?
ワキガの方は多汗症を併発することが多いため汗を減らすことで臭いの軽減につながる可能性があります。