小建中湯とは

虚弱体質や夜尿症、夜泣きなどの改善を目的に使用される漢方薬です。
消化吸収機能の低下した状態に用いる処方で、「中」とは 消化吸収に関る、腹部全体を指します。この働きを改善することを「建中」と表現しています。大建中湯に対比させて小建中湯と呼ばれています。
桂枝加芍薬湯(けしかしゃくやくとう)に膠飴(こうい)という生薬が加えられています。
出典は中国の医学古典書である傷寒論(しょうかんろん)、金匱要略(きんきようりゃく)です。
オンライン診療対応可能
当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
» オンライン診療の詳細はこちら
小建中湯の特徴
小建中湯は以下の生薬が含まれます。
- 芍薬(シャクヤク)
- 桂皮(ケイヒ)
- 大棗(タイソウ)
- 甘草(カンゾウ)
- 生姜(ショウキョウ)
小建中湯の効能効果
効能効果は体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え、頻尿および多尿などのいずれかを伴う次の諸症です。
- 小児虚弱体質
- 疲労倦怠
- 神経質
- 慢性胃腸炎
- 小児夜尿症
- 夜なき
使用目標(証)は、体質虚弱の人で疲れやすく、腹部は腹壁の筋肉がうすく腹直筋の緊張する場合に用います。
- 腹痛を伴う場合
- 心悸亢進、盗汗、四肢倦怠感などを伴う場合
- 虚弱児童に頻用される
小建中湯の使い方
成人の場合、1日合計15.0gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。
小建中湯の副作用
重大な副作用として偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されています。その他の副作用として過敏症(発疹、発赤、掻痒等)も報告されています。服用していつもと体調が違うようでしたら服用を中止し、医師へ相談してください。使用経験が少ないため、小児に対する安全性は確立していないと添付文書では記載されています。用量については医師の指示に従ってください。
小建中湯の患者さま負担・薬価について
医療用とされている小建中湯としては「ツムラ小建中湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は103.50円で1包(2.5g)あたり34.5円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは931.5円の薬剤費となります。(薬剤費のみの計算です)
よくあるご質問
- 小建中湯にはどんな副作用がありますか?
-
詳しくはこちらを参照ください。
症状に気づいた場合は、使用をやめ、処方元の医師や薬剤師にご相談ください。
- 小建中湯はどんな効果がありますか?
-
虚弱体質や夜尿症、夜泣きに効果が期待できる漢方薬です。
- 小建中湯はドラッグストアで売っていますか?
-
ツムラから第二類医薬品として販売されています。ただし安全性を高めるために、一般用医薬品では用法用量を調節していることがあります。詳しくは各販売店舗にお問い合わせください。
- ほかにどんな漢方薬がありますか?
-
漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。
» 漢方薬の詳細はこちら
記事制作者
小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)
「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。