アトピー・ニキビでも脱毛できる?医療脱毛の施術可否と注意点

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医療脱毛で大切なのは「肌の状態」

医療脱毛は、肌にレーザーを照射して脱毛効果を得る施術です。

副作用として肌の乾燥や湿疹などが生じることもあるため、アトピー性皮膚炎などがあると肌の状態に関係なく施術を断る脱毛クリニックもあるようです。

たしかに、肌の症状によっては脱毛よりも治療を優先しなければならないこともあります。
しかし、皮膚科医のもとで適切な治療を受け、肌の状態をコントロールすれば、脱毛が可能になる場合が少なくありません。

実際、当院ではアトピー性皮膚炎の治療後に医療脱毛を受けられた方もいらっしゃいます。
また、ヒゲ剃りによるニキビの悪化を経験された方が、顔(ヒゲ)の医療脱毛を希望されることも多いです。

肌トラブル別|医療脱毛の可否と対応策

肌の乾燥が強い場合

乾燥した肌はバリア機能が低下しているため、ちょっとした刺激にも敏感に反応してしまいます。
特に、肌が乾燥して炎症を起こしている場合、あるいは、痛みや出血がある場合などは、無理に脱毛の施術を行うと症状が悪化するおそれがあります。

もっとも、肌の乾燥が強い方でも、適切な治療で肌の状態を整え、乾燥が落ち着いてくれば医療脱毛を受けることができます。
ただ、脱毛の施術では肌にレーザーを照射し、その熱で発毛組織を破壊するため、肌の乾燥が進みがちです。

そのため、「脱毛可能」と診断された場合でも、施術前後の保湿は十分に行う必要があります。

アトピー性皮膚炎(湿疹)がある場合

アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しているため、肌が乾燥しやすく刺激に弱い傾向があります。

特に、脱毛を希望する箇所の炎症がひどい場合、ひっかき傷などで色素沈着が生じている場合などは、医療脱毛でレーザーを照射するとヤケドや毛包炎が生じるリスクが高くなります。

そのため、アトピー性皮膚炎やそれにともなう湿疹などがある場合は、外用薬などで肌の状態をコントロールしてから医療脱毛を行うことになります。

なお、アトピー性皮膚炎の方の場合、見た目の状態が良くなっていても肌が乾燥していることが少なくありません。
医療脱毛による肌ダメージをおさえるためにも、適切なスキンケア(皮膚を清潔に保つ・保湿ケアを行う、など)を心がけるようにしましょう。

ニキビや毛包炎(毛嚢炎)がある場合

毛包炎(毛嚢炎)は、毛根を包んでいる「毛包」の細菌感染症です。
ニキビも毛包炎の一種です。

原因菌はおもに黄色ブドウ球菌ですが、緑膿菌や真菌の一種であるマラセチアによって生じることもあります。
脱毛を希望する部位に毛包炎やニキビがある場合は、外用あるいは内服の抗菌薬などで症状を改善してから施術を行います。

なお、カミソリや毛抜きなどでムダ毛やヒゲの自己処理をすると、肌のバリア機能が損なわれて毛穴に雑菌が入り込み、毛包炎を起こすことがあります。
しかし、医療脱毛を受ければ、自己処理の頻度が減り毛包炎を起こすリスクもおさえられます。

このようなことから、医療脱毛はヒゲ剃りなどでニキビ・毛包炎が悪化した経験がある方にもおすすめの施術といえます。

肝斑や色素沈着などがある場合

肝斑や色素沈着、ほくろなど肌の色の濃い部分については、医療脱毛を行えないことがあります。

医療脱毛で使用するレーザーは、メラニン色素に反応して熱を発し、発毛組織を破壊します。
そのため、メラニン色素が集積している部分、つまり、肝斑や色素沈着がある部分、ほくろなどに照射すると、炎症を起こしたり刺激を強く感じたりするおそれがあるほか、ヤケドのリスクも高くなります。

もっとも、色素沈着の範囲が狭い場合・ほくろの場合などは、その部分だけ照射を避けるなどして施術することは可能です。

ただし、肝斑については医療脱毛の可否をより慎重に判断しなくてはなりません。
肝斑は肌に刺激を与えると症状が悪化しやすいため、脱毛のためにレーザーを照射すると濃くなるおそれがあります。
また、肌の奥に潜んでいる肝斑が、レーザー照射により表面に出てきてしまうこともあります。

したがって、肝斑のある部分については施術の可否を慎重に検討し、症状によってはレーザー照射を行わないこともあります。

脱毛サロンや脱毛専門クリニックで施術を断られる理由

肌トラブルがあっても、肌の状態を整えたあとであれば医療脱毛を受けられる場合が多いです。

にもかかわらず、光脱毛を行う脱毛サロンや脱毛専門クリニックでは、アトピー性皮膚炎の方などの施術を避ける傾向があるようです。

その理由としては、以下のようなことが考えられます。

皮膚疾患の治療に対応していない

そもそも脱毛サロンは医療機関ではないため、医療行為を行うことはできません。
また、脱毛専門クリニックの多くは保険医療機関の指定を受けておらず、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療には対応していません。

そのため、「肌を良好な状態にコントロールしてから施術を行う」という選択肢がなく、「肌トラブルのある方の施術は行わない」という方針を取らざるを得ないと考えられます。

肌トラブルが起きた場合に十分な対応ができない

脱毛では肌にレーザーを照射するため、湿疹や肌の乾燥、毛包炎、ヤケドなどの肌トラブルが生じる可能性が否定できません。

脱毛サロンでこのような肌トラブルが起こると、提携の医療機関を紹介されることもありますが、迅速に対応してもらえるとは限りません。
また、脱毛サロンで肌トラブルが生じると、「違法な脱毛(例:医療機関でなければ使用できないとされている機器での脱毛、高出力での脱毛、など)が行われているのではないか」と疑われ、公的機関から調査・指導が入ることもあるようです。

一方、脱毛専門クリニックなどでは施術後に炎症をおさえるクリームなどが処方されることもあるようですが、肌トラブルが続く場合は皮膚科への受診を促される場合が多いようです。
これは、脱毛専門クリニックの多くが保健医療機関の指定を受けておらず、治療費がすべて自費になってしまうことも影響していると考えられます。

このようなことから、肌トラブルのリスクが高い乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方などの施術は、断られることが多いのでしょう。

医療脱毛は皮膚科での施術がおすすめ

医療脱毛は医療行為であり、一定の割合で肌トラブルが発生する施術です。
だからこそ、皮膚科専門医が在籍するクリニックで施術を受けることがとても大切です。

当院では、アトピー性皮膚炎や肌の乾燥がある方、ニキビなどでお悩みの方についても、「肌状態のコントロール」→「脱毛の施術」→「アフターケア」と切れ目のない対応を行っています。
もちろん、アトピー性皮膚炎や乾燥肌、ニキビや毛包炎などの治療は保険診療です。脱毛の施術で肌の乾燥や湿疹、毛包炎、ヤケドなどが生じた場合も、保険診療で治療できます。

また、施術を受ける際の痛みを極力おさえるために、当院では蓄熱式ダイオードレーザーの脱毛機器を採用しています。
蓄熱式の機器は熱破壊式の機器に比べて組織へのダメージが少ないため、敏感肌の方にも使いやすいという特長もあります。
産毛にもよく反応するため、毛量が多い方にもおすすめです。

医療脱毛を受ければ永続的な脱毛効果が得られるため、施術が終了すればムダ毛の処理は不要になります。
自己処理の必要がなくなれば、カミソリなどによる肌荒れに悩まされることもなくなるでしょう。
このようなことから、自己処理による皮膚症状の悪化に悩んでいる方にこそ、医療脱毛を受けていただきたいと思っています。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。