- シミの治療はどれぐらいの期間が必要でしょうか?
- 肌に合わなかった場合はどうしたらよいですか?
- 日焼けで皮がむけるとシミの原因になりますか?
- 日焼け後に化粧水を使用するとしみるのですが、問題ないですか?また、対処法はありますか?
- 紫外線はシミやシワの原因になりますか?
- なぜ紫外線を浴びるとシミの原因になるのですか?
- 10代でも日焼けするとシミになりますか?または後々シミの原因となりますか?
- しみやそばかすの原因は主に日焼けですか?
- 日焼けをするとシミが濃くなる場合はありますか?
このグラフは当院を受診された患者さまの回答結果です。年代別に「シミ対策に興味がある」と答えた回答を集計すると、30代で気になり始め40代では5人に1人の方が気になっていることがわかりました。
単純にシミといっても色々な種類のシミがあり、成因によりそれぞれ効果的な治療法があります。まずは気になるシミを判別し、的確な対策を実施することが大事です。間違った判断でかえってシミが増えたり、濃くなったりすることもあるため、専門医の診断とアドバイスのもとに対策を行うことをおすすめしています。
ドラッグストアでシミ対策の薬を買ったけれど効果が出ずに途中でやめてしまったという話を聞きます。シミ対策のお薬はすぐに効果が出ないことが多いため、自分に合っているか確信がない状態で続けるのは大変です。お薬を選ぶ前にまずは状態を把握することが大事です。
シミができる原因は様々で、紫外線や老化をはじめ、ホルモンバランスの乱れ、遺伝的要素といったことも考えられますが、原因や症状によって、老人性色素斑、肝斑、そばかす(雀卵斑)、炎症後色素沈着などに分類されます。
主に大きく下の4つに分類されます。
※これ以外の症状もあり、併発することもあります。
画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」
シミの中で最もできやすく、年齢を重ねると出てくるため「老人性色素斑」とも呼ばれます。今までに浴びた紫外線の量が多いほど出やすいと言われています。進行すると盛り上がってくることがあります。
30代以降の女性にできやすく、ホルモンバランスの乱れやこすり刺激などによってできると言われているのが肝斑です。シミ取りレーザーでかえって症状を増悪させてしまうことがあるので、この種類のシミには特に注意が必要です。
いわゆる「そばかす」といわれるものです。先天性のもので遺伝することが多いです。日光照射によって悪化します。
にきび痕、かぶれ、けが、やけどなど、皮膚が炎症を起こしたあとにできます。
一度できてしまったシミは自然に消えることはむずかしく、ケアをしないと年齢とともに濃くなり増えていくこともあります。
オンライン診療は2022年に恒久的な診療のスタイルとして厚生労働省から認められました。通院せずに自宅などお好きな場所で受診できるため、移動する手間や通院にかかる時間などを節約することができます。
気になってはいてもなかなか始めにくいシミ対策を、皮膚科専門医のアドバイスのもとで始めてみませんか?
忙しくて通院する時間が確保できない、医療機関への交通アクセスが悪いなどの事情により治療を継続できなかったことはありませんか?当院の患者さまの治療継続率を、対面診療とオンライン診療で比較すると同じ治療でもオンライン診療の方が高いことがわかりました。
オンライン診療であれば制約となる時間や地理的な条件を乗り超えることができます。通院する時間の都合を付けにくい方は、オンライン診療の活用をおすすめします。
当院はオンライン診療を2020年より実施しています。開始当初は保険診療に限定していましたが、シミ対策などの自由診療のご相談をいただく方も多くいらっしゃいました。肌に関するお悩みを解決したいという患者さまのニーズにお応えするため、自由診療にも対応することにしました。
当院では、シミに対して有効な外用薬(ハイドロキノン・トレチノイン)と、内服薬(トランサミン・シナール・ハイチオール・ユベラ)を処方いたします。
外用薬は朝晩のお手入れに加えるだけでよく、治療中でもお化粧は可能です。内服薬は1日3回飲み続けることで徐々に効果が表れてきます。
※治療は保険適用外の自由診療となりますので、初診料3,300円(税込)を頂戴します。
ハイドロキノンは、肌の漂白剤ともいわれシミのもととなるメラニン色素を作るメラノサイトに作用します。
メラノサイトを不活性化してシミが濃くなるのを防ぎ、さらにメラニン合成酵素の働きを弱めることで、シミのもとになるメラニン色素を作らせないようにするものです。
これによりメラニン自体の働きを弱めて、すでにできてしまったシミを薄くしていくのです。
トレチノインはビタミンAの誘導体で、皮膚の新陳代謝を促進させる働きがあり、シミの原因であるメラニンの排出を促す働きを持っています。角質をはがし皮膚の新陳代謝を促します。
これにより今あるシミを排出し、毛穴に皮脂が溜まりにくくなります。
また表皮の細胞をどんどん分裂させ、シミ・ニキビの改善や長期的には皮膚の張り、小じわの改善をもたらします。
薬剤名 | 金額(税込) | 主な作用 |
---|---|---|
ハイドロキノン クリーム 5%5g |
2,750円 | メラニンの 生成を抑える |
トレチノイン クリーム 0.05%5g |
2,750円 | ターンオーバーを 促進する |
ハイドロキノン +トレチノイン セット割10%引き |
4,950円 | メラニンの生成を おさえターンオーバー を促進する |
トランサミン(トラネキサム酸)は、もともと風邪の際の、のどの炎症止めや、出血のときに止血効果を期待して使用される薬です。
プラスミンという酵素が出血やアレルギー、炎症反応と関係しており、トラネキサム酸はプラスミンの作用を抑えることで出血を止めたり、アレルギー、炎症を抑えます。また、プラスミンは皮膚のメラニン色素を作りだす作用にも関係しているため、プラスミンを抑えることでメラミン色素を作ることができず、シミや肝斑のケアにつながるのです。
とくに肝斑はレーザー治療も難しく、トラネキサム酸の治療効果が期待されます。効果が得られるまでに2~4ヵ月程度の内服が必要とされ、肝斑が強く出ている方ほど効果を実感しやすいと言われています。
美白効果を期待してトラネキサム酸を内服する場合には、通常用量に比べて多い量を内服することになります。もともと、脳血栓や心筋梗塞、血栓性静脈炎など血栓の傾向がある方では使用が好ましくない薬剤とされており、高容量を内服することで血栓症がおきる可能性が高くなるかもしれません。また、重篤な副作用としては人工透析中の方での痙攣が挙げられており、腎臓病などの基礎疾患がある方は注意が必要です。
シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB)の配合剤で、なんとなく皮膚によさそうなイメージをもつ方もいるかもしれません。実際、皮膚科では、チロシンをメラニン色素に変えてしまうチロシキナーゼという酵素を抑えることでのシミの予防、活性酸素を抑え老化を予防したり、コラーゲン線維を増やすことに影響したりと皮膚にさまざまないい影響がある薬です。
とくに大きな副作用もないためとても飲みやすい薬剤であり、シミケアにはかかせません。食事でも取り入れるビタミンC,Bですが、1日量に比べ多くとった場合には尿として排出されるので過剰になる心配もないのです。
一気に飲んでも体に吸収することができないため、一日に数回にわけて内服しなければならないため飲み忘れに注意すること、また、吸収しやすい食後に内服することをお勧めします。
尿検査のときには、ビタミンCの影響で検査結果に影響があるため2,3日の間中止するのが好ましいでしょう。
内科では、鉄の吸収をよくするという効果で使用があり、鉄欠乏性貧血で使用されたり、口内炎のときに処方されることもあります。
ハイチオールはL⁻システイン製剤で湿疹や蕁麻疹、にきびといった皮膚疾患のほか、被爆による白血球減少症で使われる薬剤です。
L-システインは皮膚のメラニン色素が作られることを防ぎ、シミをできにくくします。また、すでにできてしまったシミの色、黒色メラニンをドーパキノンに変えて無色化してしまう作用、皮膚のターンオーバーを早めることでメラニン色素のついた細胞を外へ出しシミケアにもはたらきます。
市販の薬ではL-システインに加えてビタミンB群やビタミンCを配合したものなど様々な製品が商品化されています。副作用としてはごくまれに悪心や下痢、口喝などがみられる程度でそのほかの重篤な副作用はありません。
もともと皮膚疾患にも保険適応がある薬剤であり、気軽に試しやすい薬かと思います。処方薬では市販薬よりも有効成分が多く含まれていますので医師の指導のもと内服をされてはいかがでしょうか。
ユベラはトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)製剤で、血流を改善することができ、冷え性などを含む末梢循環障害で処方される薬です。抗酸化作用が強いことで知られ、皮膚の老化を防止する効果もあるため皮膚科で美容を目的として用いられることもあります。強い抗酸化作用は紫外線からの皮膚へのダメージを受けにくく、シミができにくくする効果があるのです。同じく抗酸化作用の強いビタミンCと一緒にとることでより高い効果が期待できます。
皮膚のターンオーバーを早める作用もあることからシミのケアとしても期待できます。数週間から数ヵ月程度と長期にわたって内服することで効果が得られると考えられ、即効性には乏しいですが肝斑などレーザーが使えない場合など積極的に取り入れるといいでしょう。
添付文書上は下痢や胃部不快感、発疹といった副作用が記載されていますが、いずれも頻度は少なく、そのほかの重篤な副作用もみられないため安心して内服することができる薬剤です。
症状によって、保険適応となる場合もあります。医師にご相談ください。
薬剤名 | 金額(税込) | 主な作用 |
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トランサミン | 4,400円 | メラニンの生成を抑える 肝斑への治療効果 |
シナール | 2,200円 | メラニン色素をつくる酵素を抑える 活性酸素を抑え老化を予防 コラーゲン線維を増やす |
ハイチオール | 2,200円 | メラニンの生成を抑える すでにあるメラニンを無色化する 皮膚のターンオーバーを早める |
ユベラ | 2,200円 | 抗酸化作用で皮膚の老化を防止する 紫外線からの皮膚へのダメージを減らす 皮膚のターンオーバーを早める |