公開日:2023年12月17日
最終更新日:2024年04月29日
シミでお悩みのみなさまへ
年代別シミのお悩み分布
このグラフは当院を受診された患者さまの回答結果です。年代別に「シミ対策に興味がある」と答えた回答を集計すると、30代で気になり始め40代では5人に1人の方が気になっていることがわかりました。
こんなお悩みありませんか?
このシミなんなの?
単純にシミといっても色々な種類のシミがあり、成因によりそれぞれ効果的な治療法があります。まずは気になるシミを判別し、的確な対策を実施することが大事です。間違った判断でかえってシミが増えたり、濃くなったりすることもあるため、専門医の診断とアドバイスのもとに対策を行うことをおすすめしています。
どの薬が効くかわからない
ドラッグストアでシミ対策の薬を買ったけれど効果が出ずに途中でやめてしまったという話を聞きます。シミ対策のお薬はすぐに効果が出ないことが多いため、自分に合っているか確信がない状態で続けるのは大変です。お薬を選ぶ前にまずは状態を把握することが大事です。
シミの原因
シミができる原因は様々で、紫外線や老化をはじめ、ホルモンバランスの乱れ、遺伝的要素といったことも考えられますが、原因や症状によって、老人性色素斑、肝斑、そばかす(雀卵斑)、炎症後色素沈着などに分類されます。
シミの種類
主に大きく下の4つに分類されます。
※これ以外の症状もあり、併発することもあります。
画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」
日光黒子(老人性色素斑)
シミの中で最もできやすく、年齢を重ねると出てくるため「老人性色素斑」とも呼ばれます。今までに浴びた紫外線の量が多いほど出やすいと言われています。進行すると盛り上がってくることがあります。
肝斑
30代以降の女性にできやすく、ホルモンバランスの乱れやこすり刺激などによってできると言われているのが肝斑です。シミ取りレーザーでかえって症状を増悪させてしまうことがあるので、この種類のシミには特に注意が必要です。
雀卵斑
いわゆる「そばかす」といわれるものです。先天性のもので遺伝することが多いです。日光照射によって悪化します。
炎症性色素沈着
にきび痕、かぶれ、けが、やけどなど、皮膚が炎症を起こしたあとにできます。
一度できてしまったシミは自然に消えることはむずかしく、ケアをしないと年齢とともに濃くなり増えていくこともあります。
オンライン診療の活用について
オンライン診療は2022年に恒久的な診療のスタイルとして厚生労働省から認められました。通院せずに自宅などお好きな場所で受診できるため、移動する手間や通院にかかる時間などを節約することができます。
気になってはいてもなかなか始めにくいシミ対策を、皮膚科専門医のアドバイスのもとで始めてみませんか?
治療の継続しやすさ
忙しくて通院する時間が確保できない、医療機関への交通アクセスが悪いなどの事情により治療を継続できなかったことはありませんか?当院の患者さまの治療継続率を、対面診療とオンライン診療で比較すると同じ治療でもオンライン診療の方が高いことがわかりました。
オンライン診療であれば制約となる時間や地理的な条件を乗り超えることができます。通院する時間の都合を付けにくい方は、オンライン診療の活用をおすすめします。
ご要望の多さ
当院はオンライン診療を2020年より実施しています。開始当初は保険診療に限定していましたが、シミ対策などの自由診療のご相談をいただく方も多くいらっしゃいました。肌に関するお悩みを解決したいという患者さまのニーズにお応えするため、自由診療にも対応することにしました。
オンライン診療のお申込み方法
» オンライン診療の詳細はこちら
当院の提供する治療薬
当院では、シミに対して有効な外用薬(ハイドロキノン・トレチノイン)と、内服薬(トランサミン・シナール・ハイチオール・ユベラ)を処方いたします。
外用薬は朝晩のお手入れに加えるだけでよく、治療中でもお化粧は可能です。内服薬は1日3回飲み続けることで徐々に効果が表れてきます。
※治療は保険適用外の自由診療となりますので、初診料3,300円(税込)を頂戴します。
外用薬
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、肌の漂白剤ともいわれシミのもととなるメラニン色素を作るメラノサイトに作用します。
メラノサイトを不活性化してシミが濃くなるのを防ぎ、さらにメラニン合成酵素の働きを弱めることで、シミのもとになるメラニン色素を作らせないようにするものです。
これによりメラニン自体の働きを弱めて、すでにできてしまったシミを薄くしていくのです。
» ハイドロキノンの詳細はこちら
トレチノイン
トレチノインはビタミンAの誘導体で、皮膚の新陳代謝を促進させる働きがあり、シミの原因であるメラニンの排出を促す働きを持っています。角質をはがし皮膚の新陳代謝を促します。
これにより今あるシミを排出し、毛穴に皮脂が溜まりにくくなります。
また表皮の細胞をどんどん分裂させ、シミ・ニキビの改善や長期的には皮膚の張り、小じわの改善をもたらします。
» トレチノインの詳細はこちら
外用薬の料金
内服薬
トランサミン
トランサミン(トラネキサム酸)は、もともと風邪の際の、のどの炎症止めや、出血のときに止血効果を期待して使用される薬です。
プラスミンという酵素が出血やアレルギー、炎症反応と関係しており、トラネキサム酸はプラスミンの作用を抑えることで出血を止めたり、アレルギー、炎症を抑えます。また、プラスミンは皮膚のメラニン色素を作りだす作用にも関係しているため、プラスミンを抑えることでメラミン色素を作ることができず、シミや肝斑のケアにつながるのです。
とくに肝斑はレーザー治療も難しく、トラネキサム酸の治療効果が期待されます。効果が得られるまでに2~4ヵ月程度の内服が必要とされ、肝斑が強く出ている方ほど効果を実感しやすいと言われています。
美白効果を期待してトラネキサム酸を内服する場合には、通常用量に比べて多い量を内服することになります。もともと、脳血栓や心筋梗塞、血栓性静脈炎など血栓の傾向がある方では使用が好ましくない薬剤とされており、高容量を内服することで血栓症がおきる可能性が高くなるかもしれません。また、重篤な副作用としては人工透析中の方での痙攣が挙げられており、腎臓病などの基礎疾患がある方は注意が必要です。
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シナール
シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB)の配合剤で、なんとなく皮膚によさそうなイメージをもつ方もいるかもしれません。実際、皮膚科では、チロシンをメラニン色素に変えてしまうチロシキナーゼという酵素を抑えることでのシミの予防、活性酸素を抑え老化を予防したり、コラーゲン線維を増やすことに影響したりと皮膚にさまざまないい影響がある薬です。
とくに大きな副作用もないためとても飲みやすい薬剤であり、シミケアにはかかせません。食事でも取り入れるビタミンC,Bですが、1日量に比べ多くとった場合には尿として排出されるので過剰になる心配もないのです。
一気に飲んでも体に吸収することができないため、一日に数回にわけて内服しなければならないため飲み忘れに注意すること、また、吸収しやすい食後に内服することをお勧めします。
尿検査のときには、ビタミンCの影響で検査結果に影響があるため2,3日の間中止するのが好ましいでしょう。
内科では、鉄の吸収をよくするという効果で使用があり、鉄欠乏性貧血で使用されたり、口内炎のときに処方されることもあります。
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ハイチオール
ハイチオールはL⁻システイン製剤で湿疹や蕁麻疹、にきびといった皮膚疾患のほか、被爆による白血球減少症で使われる薬剤です。
L-システインは皮膚のメラニン色素が作られることを防ぎ、シミをできにくくします。また、すでにできてしまったシミの色、黒色メラニンをドーパキノンに変えて無色化してしまう作用、皮膚のターンオーバーを早めることでメラニン色素のついた細胞を外へ出しシミケアにもはたらきます。
市販の薬ではL-システインに加えてビタミンB群やビタミンCを配合したものなど様々な製品が商品化されています。副作用としてはごくまれに悪心や下痢、口喝などがみられる程度でそのほかの重篤な副作用はありません。
もともと皮膚疾患にも保険適応がある薬剤であり、気軽に試しやすい薬かと思います。処方薬では市販薬よりも有効成分が多く含まれていますので医師の指導のもと内服をされてはいかがでしょうか。
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ユベラ
ユベラはトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)製剤で、血流を改善することができ、冷え性などを含む末梢循環障害で処方される薬です。抗酸化作用が強いことで知られ、皮膚の老化を防止する効果もあるため皮膚科で美容を目的として用いられることもあります。強い抗酸化作用は紫外線からの皮膚へのダメージを受けにくく、シミができにくくする効果があるのです。同じく抗酸化作用の強いビタミンCと一緒にとることでより高い効果が期待できます。
皮膚のターンオーバーを早める作用もあることからシミのケアとしても期待できます。数週間から数ヵ月程度と長期にわたって内服することで効果が得られると考えられ、即効性には乏しいですが肝斑などレーザーが使えない場合など積極的に取り入れるといいでしょう。
添付文書上は下痢や胃部不快感、発疹といった副作用が記載されていますが、いずれも頻度は少なく、そのほかの重篤な副作用もみられないため安心して内服することができる薬剤です。
» ユベラの詳細はこちら
内服薬の料金
症状によって、保険適応となる場合もあります。医師にご相談ください。
こんな方にお勧め
- シミが気になり始めた方
- 自己流のケアではなく専門家のケアを知りたい方
- ドラッグストアで買ったシミ対策が続かなかった方
- シミと一緒に皮膚疾患の相談をしたい方
- 美容専門クリニックの受診は抵抗がある方
- 自宅で人知れず対策したい方
よくあるご質問
- シミの治療はどれぐらいの期間が必要でしょうか?
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効果発現には個人差がありますが、まずは3か月続けて効果判定をすることをおすすめしています。
- 肌に合わなかった場合はどうしたらよいですか?
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一定の割合でハイドロキノンによるアレルギー反応を起こす方がいらっしゃいます。アレルギーは体質によるものなので事前に予測ができません。そこで安心してお試し頂けますよう返金保証制度を設けております。
- 日焼けで皮がむけるとシミの原因になりますか?
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日焼けをすると、肌のターンオーバーサイクルが乱れて皮がむけることがあります。このとき、むけた皮の下にあるのは新たに作られた皮膚ですが、通常より短いサイクルで皮膚表面に押し出されてくるため未熟で、刺激に対して敏感な状態になっています。
そのため、皮がむけた部分を強い日差しにさらすなどすると炎症や色素沈着を起こしやすくなり、シミになるリスクも高くなります。
- 日焼け後に化粧水を使用するとしみるのですが、問題ないですか?また、対処法はありますか?
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日焼け後に化粧水がしみる場合は、肌が炎症(やけど)を起こしていると考えられます。そのような場合は、まず日に焼けた部分を濡れタオルなどで冷やし、それでも我慢できないほどの痛みが続く場合や水ぶくれがある場合はすぐに受診してください。
炎症が強くない場合は、冷やしてしばらくすると痛みが落ち着いてきます。しかし、普段の化粧水では刺激が強すぎるおそれがあるため、低刺激タイプの化粧水を使うようにしましょう。肌にしみにくいクリームタイプのスキンケア製品を使うのもおすすめです。
なお、保湿の際に肌をこすったりパッティングしたりするのは避けてください。優しくなじませ、肌を刺激しないようにしましょう。
- 紫外線はシミやシワの原因になりますか?
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紫外線を浴びると「日焼け(日光皮膚炎)」を起こして一時的に肌が黒くなったりしますが、長期的に見ると「シミ、シワ」の原因になります。
シミと関係が深いのはUV-B、シワと関係が深いのはUV-Aです。
ただ、シミ・シワの原因は紫外線だけではありません。ホルモンバランスの乱れや食生活などが影響することもあるため、紫外線対策と同時に健康的な生活を心がけるようにしましょう。
- なぜ紫外線を浴びるとシミの原因になるのですか?
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紫外線を浴びると、メラノサイト(メラニン色素を作り出す細胞)が刺激されてメラニン色素が生成されます。そして作られたメラニン色素は紫外線を吸収して、肌を守ります。
しかし、過剰に生成されたメラニン色素は表皮細胞内に蓄積していきます。そして、新陳代謝にともない蓄積した色素が肌の表面に押し出されてくると、シミやそばかすとしてあらわれることになります。
このようなことから、紫外線を浴びるとシミができやすくなります。
- 10代でも日焼けするとシミになりますか?または後々シミの原因となりますか?
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いわゆるシミ(老人性色素斑)は、紫外線を浴びてすぐにあらわれるものではなく、過去の紫外線ダメージの結果としてあらわれるものです。特に10代の頃は肌の新陳代謝が活発なので、紫外線でメラニン色素が増えてもすぐに排出されてシミになりにくいといわれています。
しかし、あまり多くはありませんが10代でシミが出てくる人もいます。たとえ10代でシミがほとんどない場合でも、日に焼ける機会が多いと将来的にシミができるリスクは高くなるため、注意が必要です。
- しみやそばかすの原因は主に日焼けですか?
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日焼けはシミの原因の一つですが、すべてではありません。シミの発生には、日焼けなどによるメラニン色素の蓄積のほか、ホルモンバランスの変化やストレス、肌のターンオーバーサイクルの乱れなどが影響しているといわれています。
一方、そばかすのおもな原因は遺伝だといわれています。ただし、そばかすは日焼けによる肌ダメージで悪化することが知られています。
- 日焼けをするとシミが濃くなる場合はありますか?
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炎症後色素沈着は、日焼けによって濃くなることがあります。また、肝斑も日焼けで濃くなることがあります。そばかすも日焼けで濃くなることが知られています。
ただし、突然できた大きなシミは病気である可能性も否定できません。気になる症状がある場合は、早めに受診して詳しい検査を受けてください。