ニキビ治療薬「アクアチム(ナジフロキサシン)軟膏・クリーム・ローション」

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アクアチムとは?

アクアチムの写真

アクアチム(一般名:ナジフロキサシン)は、ニューキノロン系と呼ばれる抗菌薬の外用剤です。塗ることで皮膚表面の細菌が増殖するのを妨げ、殺菌する効果があります。皮膚感染症の原因菌である表皮ブドウ球菌やアクネ菌を殺菌・除去することができ、とびひ・おでき・ニキビなどの治療に用いられています。

Acne and Trauma, Infection of Mucosa(にきび・外傷・粘膜の感染症)の頭文字がアクアチムの名前の由来とされていますが、実際には粘膜に用いられることはあまりありません。

アクアチムの特徴

アクアチムは表皮ブドウ球菌やアクネ菌を含め、グラム陽性菌、陰性菌、嫌気性菌と幅広い菌種に対して強い抗菌力を発揮します。とびひやおできは表皮ブドウ球菌が原因となることが多く、治療の初期から完治するまでアクアチムなどの抗菌外用薬が用いられます。

ニキビの場合は毛穴のつまりを意味する「面皰(いわゆる白ニキビや黒ニキビ)」の状態と、そこにアクネ菌などの細菌が感染して炎症を起こした「炎症性皮疹(いわゆる赤ニキビ)」の状態があり、アクアチムは炎症性皮疹の治療において有効とされています。

日本皮膚科学会が発表している尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017でも、ニキビの炎症性皮疹に対する外用抗菌薬の1つとしてアクアチムを強く推奨しています。

アクアチムの使い方

アクアチムは通常、適量を1日2回患部に塗布します。それより多く使用しても効果は高まりません。逆に回数が少ないと治療が長引く可能性があります。また、病状に応じて他の外用薬も併用しながら治療に当たることもあります。ニキビに対して外用する場合は、患部を洗ってからアクアチムを塗るようにしてください。顔に薬を塗った直後にお化粧をするとよれやすいため、お化粧をされるよりも少し早めに外用しておくのがおすすめです。

耐性菌の発現を防ぐため、漫然と長期間塗り続けないことも大切です。ニキビの治療は長引くことも少なくありませんが、アクアチムを4週間使用しても効果がみられない場合は中止することが推奨されています。効果がみられた場合は患部の赤みや腫れがとりきれた時点で外用を中止します。

アクアチムを外用する上の注意点

副作用について

アクアチムの副作用としては、かゆみ・発赤・つっぱり感・刺激感・かぶれなどを生じる場合があります。軽い症状であれば継続可能ですが、副作用がつらい場合は無理に継続せず、一旦外用を中止して医師にご相談ください。炎症性のニキビに効く外用抗菌薬は他にもあるので、薬を変更して経過をみることができます。

お子さまへの使用について

使用できないわけではありませんが、赤ちゃんやお子さまへの使用実績は少なく、安全性が確立していません。お子さまではとびひで使用する場合がありますが、病状をみながら必要に応じて慎重に用います。

日常生活における注意点

用法用量を守ってご使用いただければ特に注意することはありません。内服中の薬があっても使用可能です。もし他の外用薬を使用している場合は、診察を受ける際に医師に申し出てください。

アクアチムの患者さま負担・薬価について

アクアチム軟膏・アクアチムクリーム・アクアチムローションとも薬価は29.7円/gです。アクアチム軟膏・アクアチムクリームは1本10g規格のチューブで販売されているので、1本あたりの値段は297円です。3割負担の患者さまが10gチューブを1本処方された場合、89.1円の薬剤費となります。アクアチムローションは1本20mLのプラスチック容器になりますので1本596円、3割負担で188.2円の薬剤費となります。(すべて薬剤費のみの計算)

よくあるご質問

アクアチムクリームをニキビの無いところに塗っても大丈夫ですか?

細菌による炎症を起こしていないところに抗生物質を外用し続けると、皮膚の常在菌のバランスが崩れてしまう、あるいは耐性菌が出現する原因になる可能性があります。基本的には医師の診察を受けた上で指示通りに外用してください。ただしニキビがない部分に数回塗った程度でこれらの悪影響が出ることは通常ありませんので、過剰に心配する必要はありません。

アクアチムクリームはニキビの跡にも効きますか?

残念ながら、できてしまったニキビ跡にアクアチムは無効です。レチノイド(ビタミンA)外用薬、もしくはケミカルピーリングやレーザー治療などの検討が必要です。ニキビ跡の治療希望の場合はご相談ください。

アクアチムには市販薬はありますか?

アクアチムは処方箋医薬品であり、購入には処方箋が必要です。市販薬はありません。アクアチムに似た成分の市販薬はありますが、抗菌薬は不適切に使用すると悪影響を被る可能性もありますのでご注意ください。

 

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。