爪白癬治療薬「クレナフィン(エフィナコナゾール)」

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クレナフィンとは?

クレナフィンの写真

クレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)は、非イミダゾール系の抗真菌薬です。真菌の細胞膜を構成するエルゴステロールの合成を阻害し、抗真菌作用を示します。
なお、「クレナフィン(Clenafin)」という名称は、「爪白癬に罹患した爪を清浄(Clean)にするエフィナコナゾール製剤(Efinaconazole)」に由来します。

クレナフィンの特徴

クレナフィンは、爪白癬の治療に特化した薬剤です。
クレナフィンの有効成分であるエフィナコナゾールは、爪白癬の原因真菌(皮膚糸状菌)に対して強力な抗真菌活性を有します。また、爪の成分であるケラチンとの親和性が低いことから爪甲での透過性に優れており、爪中・爪床で高い抗真菌活性を発揮します。
このようなことから、クレナフィンは爪白癬の治療に高い効果が期待できる薬剤といえます。
なお、爪の白癬感染面積が20~50%の方を対象としてクレナフィンを1日1回×48週間塗布した臨床試験では、52週目の完全治癒率(感染面積が0%で真菌がまったく検出されなかった人の割合)は、17.8%でした。
治癒率が低いように思われますが、52週目において真菌がまったく検出されなかった人の割合は55.2%、感染面積が10%未満になった人の割合は35.7%、感染面積が5%以下で真菌がまったく検出されなかった人の割合は26.4%となっており、いずれも非投与群に比べて有意差が認められています。

クレナフィンの効能効果・用法用量および使い方

効能効果・用法用量

クレナフィンは、皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬に適応があります。
使用回数は1日1回で、罹患爪全体に塗布します。
塗布タイミングに制限はありませんが、患部が清潔になっている入浴後がおすすめです。

クレナフィンの使い方

使用前の操作

クレナフィンのボトルには、先端に薬剤を塗布するためのハケがついています。
使用前には容器を軽く斜めに傾けて、薬剤をハケにしみ込ませてください。このとき、ボトルの側面を押すと薬液が出すぎることがあるため、ご注意ください。

爪に塗布する方法

クレナフィンは、1日1回爪全体に塗布します。
まず、爪全体に薬剤を塗ってください。塗る際は、爪と皮膚の境界までしっかり塗りましょう。
次に、指先の爪と皮膚の隙間にも薬剤を塗布してください。
塗り終わったら、周りの皮膚についた薬液をティッシュペーパーや綿棒などで拭き取っておきましょう。
使用後のクレナフィンはキャップをしっかり閉め、容器の外側についた薬液は拭き取っておいてください。

クレナフィンを外用する上での注意点

クレナフィンを塗ってはいけない例・使用に注意が必要な例

クレナフィンの成分に対して過敏症の既往歴がある方は、クレナフィンを使用できません。
また、眼科用ではないため、角膜、結膜には使用できません。万が一目に入った場合は、すぐに水で洗い流してください。

クレナフィンの副作用について

クレナフィンの使用にあたり、重篤な副作用は報告されていません。
比較的頻度の高い副作用として、塗布部位の皮膚炎や水疱が報告されています。
発生頻度の低い副作用としては、塗布部位の赤みや腫れ、痛み、かゆみ、皮膚の剥脱、感覚の異常、爪甲の脱落、変色、湿疹などが報告されています。
副作用の症状によっては薬の変更・中止が必要なケースもありますので、気になる症状がある場合は早めに受診してください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

水虫以外の病気の治療で飲み薬などを服用している場合でも、クレナフィンは使用できます。
ただし、クレナフィンを使用している部位に、自己判断でステロイド外用薬を塗るのは避けてください。真菌感染症に対してステロイド外用薬を使用すると、症状が悪化するおそれがあります。
その他の外用剤についても使い分けが必要な場合がありますので、併用したい薬がある場合は診察時にご相談ください。

保管法などその他の注意点

クレナフィンは薬液中に可燃性成分を含んでいるため、直射日光や火気を避け、涼しい場所で保管してください。塗布する際も火気を避けてください。
なお、爪白癬の感染拡大を防ぐため、家族を含めほかの人とクレナフィンを共用するのは避けてください。

特定の患者さまへの使用に関して

妊娠中の方への使用に関して

クレナフィンの妊娠中の方に対する安全性は確立されていません。
そのため、妊娠中の方、あるいは妊娠している可能性がある方については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方を考慮します。

授乳中の方への使用に関して

動物を対象とした試験で、クレナフィンは皮下投与により乳汁中へ移行することが報告されています。
したがって、授乳中の方については、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討します。

お子さまへの使用に関して

クレナフィンは小児などを対象とした臨床試験を実施しておらず、安全性が確立されていません。
ただし、「安全性が確立していないこと」と「危険であること」は必ずしもイコールではありません。実際の治療では、有益性と危険性を比較しながら使用の可否を判断します。

クレナフィンの患者さま負担・薬価について

クレナフィンの薬価は1475.8円/gです。4mL/本なら3.56gなので薬価は5253.848円/本、8mL/本なら7.12gなので薬価は10507.696円/本になります。
したがって、3割負担の患者さまに4mL/本が1本処方された場合、ご負担金額は約1576.15円/本になります(薬剤費のみの計算です)。
なお、クレナフィンにはジェネリック品がありません。薬局で希望しても変更できませんので、ご承知ください。

よくあるご質問

クレナフィンと同じ成分の市販薬はありますか?通販で買えますか?

クレナフィンと同じ成分の市販薬はありません。通販でも購入できません。
そもそも、爪白癬に適応のある市販薬は販売されていませんので、爪白癬が疑われる場合は皮膚科を受診して治療を受けてください。

クレナフィンを皮膚に塗ってもいいですか?

クレナフィンを皮膚に塗ると、刺激感を覚えたり皮膚炎や水疱が生じたりすることがあります。したがって、皮膚についてしまった場合はティッシュペーパーや綿棒などで拭き取ってください。
なお、皮膚の水虫には専用の塗り薬があります。副作用を防ぐためにも、自己判断でクレナフィンを皮膚に塗るのは避けてください。

クレナフィンの効果を高めるために爪を削る必要はありますか?

クリニックでは、爪が変形している箇所や厚くなっている部分を削ることもありますが、診察時に特に処置がなくクレナフィンが処方されている場合は、基本的にご自身で爪を薄く削る必要はありません。
ご家庭にあるやすりなどで無理に爪を削ると、爪周囲の皮膚や爪床まで傷つけるおそれがあるため、爪の肥厚が気になる場合などは診察時にご相談ください。

クレナフィンは1本で何日分ですか?

クレナフィンを両足(爪10枚分)に毎日使用する場合、4mL/本で約1週間分になります。片足(爪5枚分)のみなら4mL/本で約2週間分です。
ただし、爪の大きさには個人差があるため、これらの数値はあくまで目安です。
爪白癬は継続治療が大切なので、薬が足りなくなりそうな場合は早めに受診するようにしてください。

クレナフィンを塗り忘れた場合はどうすればいいですか?

塗り忘れに気付いたら、気が付いたタイミングで1回分を塗布すれば大丈夫です。ただし、1度に2回分塗る必要はありません。

治療はどれくらいかかりますか?爪がきれいになったら治療はやめてもいいのですか?

クレナフィンは、いったん変色・変形した爪をきれいにする薬ではありません。爪がきれいに生え変わるまでには1年以上かかる場合もありますので、焦らず爪の変化を見守ってください。
なお、爪の見た目がきれいになっても白癬菌が残っていることがあります。治療の中止時期については診察時に指示しますので、不安などがある場合はお気軽にご相談ください。

 

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