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目次
コセンティクス(セクキヌマブ)とは
コセンティクスは「IL-17A」の働きを抑える生物学的製剤として2015年に国内で初めて承認されたお薬です。主に尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬の治療に用いられます。
乾癬の生物学的製剤は日本皮膚科学会の検討委員会による審査を経て理事会で承認されて使用を許可されます。当院は日本皮膚科学会が作成する「乾癬生物学的製剤使用承認施設」に掲載されています。
IL-17Aとは?
IL-17Aは乾癬の免疫反応に深く関係する炎症性サイトカインのひとつです。
前述のようにIL-17は乾癬の皮膚症状が起きる最終段階で皮膚症状の形成に深く関与しています。そのため、IL-17の働きを抑えることは乾癬の症状が出るのを最終段階で抑える効果があります。したがって、免疫反応を幅広く抑えてしまうことを避けられるので大きな副作用が少ないばかりか、治療効果が高く、効果が比較的早く出ると言われています。
コセンティクスの特徴
コセンティクスは治療効果が高く、比較的早い段階で効果が出やすいのが特徴です。
コセンティクスを使用できる方とは
コセンティクスは使用できる方とできない方がいます。そのため、コセンティクスを開始する際は事前に確認をさせていただきます。
コセンティクスを使用できる方
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬の患者様のうち、以下のいずれかに当てはまる方はコセンティクスを使用できます。
- 今までの治療法で十分な効果が得られない方
- 皮膚の症状が全身の10%(手のひら10枚分の面積)以上ある方
- 難治性の皮膚症状または関節症状がある方
コセンティクスを使用できない方
- 重い感染症を患っている方
- 活動期の結核を患っている方
- コセンティクスに含まれる成分に対するアレルギーがある方
コセンティクスを使用する場合に注意が必要な方
- 感染症を患っている方
- 過去に結核にかかったことがある方
- 炎症性腸疾患(クローン病など)を患っている方
- ご高齢の方
- 妊娠中、授乳中の方
投与方法と投与スケジュール
投与方法
コセンティクスは注射薬です。太もも、お腹、二の腕などの皮下に注射します。
投与スケジュール
初回に投与した後は、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後に投与します。それ以降は4週間の間隔で投与を続けていきます。
初回の投与は医療機関で行いますが、2回目以降は自己注射も可能なお薬です。
当院の自己注射の指導方法について
患者さまが治療を選択する上で心配事となる自己注射について、当院の取り組みをご紹介いたします。どのような考えで自己注射の指導にのぞんでいるかをご覧いただき、少しでも患者さまの不安の解消につながれば幸いです。
コセンティクス使用中の注意点
IL-17Aは細菌やカビの感染を防ぐ働きもしているため、IL-17Aの働きを抑えるコセンティクスを使用すると感染症にかかりやすくなります。とくに皮膚や粘膜における感染(カンジダ症など)に注意が必要です。
日常生活では感染防御のために以下の点に注意していただきます。
- 手洗いうがいをしっかりする
- 手指消毒をする
- マスクをする
- 人混みを避ける
また、コセンティクス投与中に生ワクチン(BCG、麻疹、風疹など)の接種をすると感染症を起こす危険性があるため生ワクチンの接種はできません。
治療費
コセンティクスは高額なお薬であるため、高額療養費制度や医療費控除の対象となります。
高額療養費制度
高額医療費制度は医療費の負担額が一定額を超えた場合にその超えた金額を医療保険から支給される制度です。自己負担額は年齢や所得によって異なってきます。
医療費控除
生計を一にする家族の医療費が1月~12月の1年間で10万円を超える場合、確定申告を行うことで所得税の控除を受けることができます。