抗菌薬「フロモックス(セフカペンピボキシル)」セフェム系

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フロモックスとは?

フロモックスの画像

フロモックス(一般名:セフカペンピボキシル塩酸塩水和物)とは、セフェム系に分類される抗生物質の一つです。抗生物質とは簡単にいえば感染症の原因になる細菌を退治してくれる薬です。抗生物質にはペニシリン系やセフェム系といったように様々な系統に分類されますが、セフェム系は感染症治療において非常に良く使われるものの1つです。一般的には、呼吸器・皮膚・耳・尿路など広い範囲の細菌感染症に対して効果を発揮します。また、風邪を代表とするウイルス性疾患の際に、細菌による二次感染を予防するために処方されることもあります。

フロモックスの特徴

セフェム系抗生物質は、開発時期や有効となる細菌の種類などからさらに第1世代~第4世代に分類されます(※第4世代は注射薬のみ)。フロモックスは第3世代に含まれ、グラム陽性菌よりもグラム陰性菌に効きやすいのが特徴です(菌の分類に関してはとても複雑ですので、ここでの解説は省きます)。フロモックスは副作用や飲み合わせなどの問題が少なく、安全性も高いのでこれまで様々な診療科でよく処方されてきました。しかし近年では体内への吸収率の低さや耐性菌の問題から、フロモックスをはじめとする第3世代セフェムの処方を行わない医師も増えてきています。

フロモックスの使い方

通常、成人には1回100 mgを1日3回食後に経口投与します。難治性または効果不十分と思われる症例には、1回150mgを1日3回服用する場合もあります。小児の場合は1回3mg/kgを1日3回食後に投与し、年齢・体重・症状に応じて適宜増減します。フロモックスは空腹時よりも食後に服用したほうが吸収効率は良いという臨床データがありますので、可能なかぎり食後に内服しましょう。また耐性菌を作らないためにも、自己判断で内服を中断せずに処方された分を最後まで飲み切るようにしてください。

フロモックスを服用する上の注意点

副作用について

発現する頻度は不明ですが、フロモックスによる重大な副作用として肝機能障害・腎機能障害・ショック・腸炎・血球異常・横紋筋融解症などが生じる場合があるといわれています。その他の軽い副作用としても発疹やかゆみ、下痢、食欲不振、体のだるさなど、様々なものが報告されています。フロモックスを内服し始めてから体調に異変を感じた場合は、医師または薬剤師までご相談ください。

アレルギーに関する注意点

セフェム系の抗生物質に対してアレルギーをお持ちの方は、フロモックスを投与することができません。また、ペニシリン系もセフェム系に近い構造からなるため、ペニシリンアレルギーがある方の場合も注意が必要です。過去に抗生物質でアレルギーを起こしたことがある方は、診察時に申告してください。

持病がある場合の注意点

腎機能障害がある場合は、フロモックスの投与量や投与間隔を調整する必要があります。当院以外での血液検査結果をお持ちの方は診察時に結果の用紙をご持参いただきますと、診察がスムーズになる場合があります。

お子さまに投与する場合の注意点

血清カルニチンが低下する先天性代謝異常があるお子さまの場合、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがあると報告されています。比較的まれな病気ではありますが、当てはまる場合は診察時にお申し出ください。

日常生活における注意点

他の薬との飲み合わせに関して

フロモックスの添付文書には、他のお薬との相互作用についての記載はありません。基本的に飲み合わせに注意が必要な薬はないという認識で問題ありませんが、ご心配な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。

こな薬に関して

お子さまにフロモックスが処方される際、多くの場合は小児用細粒が処方されます。フロモックス小児用細粒は飲みやすくするためにイチゴの味でコーティングされています。若干苦味を感じる方もいらっしゃいますが、比較的飲みやすく作られています。飲ませる際に薬を水に溶かしてしまうとコーティングが取れて苦味を感じやすいため、できるだけ溶かさずに飲ませることをおすすめします。

フロモックスの患者さま負担・薬価について

フロモックスには以下の剤型があり、それぞれに薬価が設定されています。

フロモックス錠75mg 38.4円/錠
フロモックス錠100mg 42.5円/錠
フロモックス小児用細粒100mg 124.4円/g

例えばフロモックス錠100mgを1日3回、7日間内服した場合、三割負担の患者さまでは267.8円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

フロモックスを飲み忘れてしまった場合、どうしたら良いですか?

フロモックスをしっかり効かせるためには、基本的には等間隔で服用することが重要です。万が一服用し忘れてしまった場合には、気づいた時点で服用し、次に服用するまでの時間を調整しましょう。フロモックスは約4-6時間で血中濃度が低下しますので、4-6時間ほどの間隔をあけて服用すると良いでしょう。またフロモックスを内服する前には、少量でも良いので何か口に含んでからにしてください。

フロモックス小児用細粒を大人が内服してもよいですか?

大人でも、錠剤の内服が困難な場合は小児用細粒を内服して構いません。

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