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マーデュオックス
マーデュオックスもドボベットと同様に、ステロイドとビタミンD3を混合した外用薬です。
薬の強さという点ではドボベットと大きな差はありませんが、それぞれ違う薬が配合されています。
具体的にはステロイドにはベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(アンテベート)、ビタミンD3にはマキサカルシトール(オキサロール)が用いられています。
尋常性乾癬でお困りの患者さまにとっては「どちらの方がより高い効果があるのか」が気になるところだと思います。しかし残念ながら、その答えはまだ分かっていません。現時点では、患者さまごとの問題に応じて適した薬剤を選択しています。
こちらも1日1回の外用で効果が得られるため、患者さまの外用処置の負担が少ない薬剤です。
マーデュオックス®の副作用︎
副作用に関しても、ドボベットを使用する場合と同様の注意を必要とします。副作用を防ぐためにマーデュオックス®にも使用上限量が定められており、1日10g、1週間では70gまで使用可能です。
また、まれなケースだとは思いますが、ドボベットとマーデュオックスを併用して使用すると結果として過剰な投与量になってしまう可能性があります。併用して治療を行いたい場合には、必ず医師の指示に従って使用してください。
マーデュオックスの剤型・容量・お値段
ドボベットは顔面に使用することができませんが、マーデュオックスは部位による使用制限がなく全身どこの皮疹でも使用できます。顔面に対してはステロイドの力価がやや強すぎる印象はありますが、塗布自体は可能です。
ただし、剤型が軟膏しかないという難点があります。
そのため、
- 軟膏によるべとつきが苦手な患者さま(ただし、軟膏のべたつきは、ドボベットよりマーデュオックスの方が少ないです)
- 皮疹の部位や季節によって剤型を使い分けたい患者さま
- 頭皮などの有毛部に病変が多くみられる患者さま
上記のような項目に当てはまる方にはおすすめしにくい薬といえます。
そのかわり、
- 使用制限の上限量は1日1本(10g)までとわかりやすい
- 1gあたり197.3円と、ドボベットよりも1gあたり20円ほど安価である
- 剤型が一つしかないため、悩む必要がない
といったメリットもあります。
マーデュオックス 自己負担額早見表 |
10g (軟膏) |
---|---|
3割負担 | 592円 |
2割負担 | 395円 |
1割負担 | 197円 |
参考:マルホサイト
※上記記載額は薬代です。診察代など、その他諸費用は含まれておりません。
※小数点は四捨五入しています。
お子様や妊娠中・授乳中の患者さまへの使用
添付文書に記載されている注意事項として、どちらの薬もお子様(16歳未満)や妊娠中・授乳中の患者さまへの使用は推奨されていません。
妊娠の可能性がある場合も含め、上記に当てはまる患者さまは診察時にお申し出ください。その際には他の治療方法を提案させていただく場合がありますので、ご了承ください。
その他の注意点
⑴他の容器に移して使用できるか
元の容器から移して使用する場合、薬剤の安定性は保証されていません。そのため小さなチューブから大きな容器に移して処方することはできかねます。ご自身でも他の容器に移さずに使用してください。
⑵他の薬と混ぜて良いか
元々安定性の低い薬剤ということもあり、他の軟膏やクリームと配合することは認められていません。