乾癬治療薬「オテズラ錠(アプレミラスト)」PDE4阻害薬

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オテズラ(一般名:アプレミラスト)とは?

オテズラスターターパック

オテズラはアメリカで2014年に承認された、乾癬の内服治療薬(のみ薬)です。日本でも2017年に承認され、現在では広く用いられています。
そもそも乾癬とは体内の免疫バランスの異常によって、皮膚や関節に異常な炎症を引き起こす病気です。慢性的に悪化と軽快を繰り返すのも特徴です。
乾癬の治療では、軽症の場合にはまずステロイドや活性型ビタミンD3の外用薬を用いた局所療法で経過をみることが多いです。局所療法で治療効果が得られなかった場合や重症の場合には、角化症治療薬・免疫抑制薬などの飲み薬、または生物学的製剤のような注射薬など、全身療法の導入が検討されます。大まかなイメージとしては、外用薬→内服薬→注射薬の順に強い治療となっていきます。この他に紫外線を当てる治療も存在します。

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乾癬の病態にはホスホジエステラーゼ4(PDE4)の過剰な発現や、それに伴う炎症性サイトカイン(炎症反応に関わる化学物質)の大量産生が関与していると言われています。これに対しオテズラはPDE4の働きを阻害することで炎症性サイトカインの産生量を調節し、皮膚の炎症を抑制する働きがあります。そのため、オテズラは「PDE4阻害薬」とも呼ばれています。

オテズラの作用機序

オテズラは以下のような状態の患者さまに使用されています。

  • 局所療法で効果不十分な尋常性乾癬(外用剤等で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶことが目安)
  • 関節症性乾癬(関節の痛みや腫れなど症状を有する乾癬)
  • 局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍(乾癬とは異なる病気で唯一、適応あり)

オンライン診療対応可能

当院では、初診からオンライン診療に対応してます。通院なしで薬剤をお送りすることも可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。

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オテズラの特徴

オテズラは以下のような特徴をもつことが明らかになっています。

  • 投与開始後2〜4週間程度の早い時期にかゆみがおさまりやすい
  • ただし、投与開始後24週間ほど経過してから症状が治まってくることもある
  • 関節症状に対しても改善効果あり
  • 頭部、手のひら、足の裏、爪など、治りにくい部位の病変にも効果あり

さらに尋常性乾癬に対する他の内服薬(角化症治療薬や免疫抑制薬)と比較すると、肝機能や腎機能障害などの重篤な副作用が起きる確率が低いため、定期的な血液検査が不要というメリットがあります。

オテズラの使い方

これまでにも述べた通り、オテズラは内服薬です。
まず少量から開始し、以下の表のように少しずつ増量していきます。

1日目 朝10mg
2日目 朝10mg、夕10mg
3日目 朝10mg、夕20mg
4日目 朝20mg、夕20mg
5日目 朝20mg、夕30mg
6日目以降 朝30mg、夕30mg

6日目以降は基本的に同じ量を継続しますが、症状に応じて減量することもあります。他の治療と併用することも可能です。

オテズラの副作用や服用する上での注意点

オテズラの副作用や注意点として、以下のようなポイントがあります。

  • オテズラに対する過敏症が出ることがある
  • 頻度は低いですが、オテズラに対するアレルギー症状としてかゆみや蕁麻疹などの皮膚症状や、息苦しさなどの呼吸器症状が急激に現れることがあります。もしこのような症状が出た場合は、ご自身で様子を見ずに速やかにご相談ください。

  • 投与開始時期に副作用が生じやすい
  • 5%以上の確率で吐き気や下痢や頭痛などの副作用が生じることがわかっています。内服薬を徐々に増やすのは、薬に体を慣らすためです。これらの副作用はあらわれてから2週間程度で改善することが多いといわれています。

  • 感染症の合併・再発のリスクがある
  • 現在なんらかの感染症にかかっている患者さま、感染症が疑われる又は再発性感染症の既往歴のある患者さまなどの場合、オテズラ投与によって感染症の病状が増悪する可能性があります。そのため必要に応じてオテズラの投与を開始する前に感染症の有無をチェックすることがあります。

  • 気分になんらかの変化が生じることがある
  • 海外では、オテズラによってうつ病になったり自殺を考えたりした方がいると報告されています。治療を開始したことをきっかけに、以前より落ち込むようになり意欲がわかないなど、気分に変化がみられた場合はなるべく早めにご相談ください。

  • 重度の腎機能障害のある(Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)方は内服量を減らす必要がある

もともと腎機能が低下している患者さまには、お薬の投与量を減らして処方する必要があります。腎機能が低下していると指摘されたご経験がある場合には、必ず前もってお伝え下さい。

日常生活における注意点

他の病気に対して常用している内服薬がある場合、飲み合わせに注意する必要があります。具体的にはリファンピシン・フェノバルビタール・カルバマゼピン・フェニトイン・メトトレキサートと併用するとオテズラの血中濃度が薄まって効果が弱まりますし、ケトコナゾールと併用するとオテズラの血中濃度が濃くなって必要以上に効果が強まってしまいます。これらの薬のいずれか一つでも内服している、あるいは他院で新たに処方を受けた際は、必ず医師にお伝えください。
またオテズラは、妊娠を予定している、もしくは現在妊娠している方には投与できません。服用時には避妊が必要ですのでご注意ください。授乳中の方への使用は禁忌ではありませんが、動物実験では薬剤が母乳中へ移行すると確認されています。小児の患者さまへ基本的に投与できない薬であることも考えると、授乳中の方への投薬はオススメしにくいところです。

オテズラの患者負担・薬価について

2021年12月現在、オテズラの規格と薬価はそれぞれ10mg:329.9円/錠、20mg:659.8円/錠、30mg:990.0円/錠です。30mgの錠剤を1日2回内服する場合、1日あたりの薬剤費は1980円です。三割負担の患者さまの場合、1日あたりの薬剤費は594円になります。

よくあるご質問

オテズラのジェネリックはいつ発売されますか?

ジェネリック医薬品は、基本的に先発医薬品の特許期間が切れたあとに発売されます。
オテズラは比較的新しい薬で特許期間もまだ数年あると思われるため、ジェネリック医薬品はしばらく販売されないと思われます。
なお、海外は日本と特許の制度が異なるため、オテズラのジェネリック品がすでに流通している国もあるようです。しかし、個人輸入でオテズラのジェネリック品を入手するのはおすすめできません。個人輸入した医薬品を使用して副作用が生じても、メーカー保証は受けられず国の医薬品副作用被害救済制度の対象にもなりません。不純物が混入している粗悪品が販売されていることもあるため、安易な購入は避けてください。

オテズラの具体的な副作用発現率を教えてください。

尋常性乾癬、乾癬性関節炎を対象とした海外の臨床試験およびベーチェット病を対象とした国際共同試験の併合解析では、おもな副作用として、下痢:14.6%、悪心:12.9%、頭痛:5.9%、上気道感染:2.7%、嘔吐:2.7%、緊張性頭痛:2.5%、ウイルス性上気道感染:2.2%、消化不良:2.0%、腹痛:2.0%などが報告されています。
なお、重大な副作用である重篤な感染症の発現率は0.7%、重篤な過敏症の発現率は0.1%未満だったとのことです。

オテズラで痩せると聞きました。本当ですか?希望すれば処方してもらえますか?

たしかにオテズラの副作用として「体重減少」が報告されています。ただ、その発現率は1.1%程度で、減少の程度もそれほど大きくないとされています。
そのため、オテズラの服用で痩せることは難しいでしょう。
なお、オテズラを痩身目的で処方することはできません。安易な服用で重篤な副作用をまねく可能性も否定できないため、個人輸入などで入手・服用しないようにしてください。

薬を飲み忘れてしまった場合はどうしたらいいですか?

次の内服予定時間まで数時間以上ある場合には、気がついた時点で内服すれば問題ありません。気がついた時点と次の内服予定時間が近い場合は、次のタイミングから内服を再開してください。ただし、2回分をまとめて内服することは決してしないでください。

 

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