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ミティキュアとは?
ミティキュアはハウスダストの原因であるダニのアレルゲン免疫療法(減感作療法)のお薬です。ダニを原料とするエキスから作られており、少量から服用することによって体を慣らし、ダニによるアレルギー症状を和らげます。
ハウスダストとは?
ハウスダストとは室内にたまるホコリを指します。ハウスダストの中には、ダニのフンや死骸、虫のフンや死骸、花粉、カビ、人の毛髪、フケ、ペットの抜け毛など様々な物質が含まれます。なんとハウスダストの約7割から9割がダニに関するものだという報告もあります。ハウスダストによるアレルギーがある場合、その原因の多くがダニによる可能性が高いと言えます。
それダニアレルギーの症状かも?
絨毯やカーペットの部屋、畳敷きの部屋や布製のソファーに行くと、鼻水や鼻づまり、咳やくしゃみが出る方がいらっしゃいます。寝た後に鼻づまりによる咳で充分に睡眠が取れないという方もいらっしゃいます。
これらの自覚症状がある場合ダニアレルギーが疑われます。簡単に検査が出来ますので、一度検査を受けられることをお薦めします。
もしダニが原因とわかれば舌下免疫療法を受けることができ、アレルギーの症状が軽くなる可能性が十分あります。
ミティキュア導入後の治療による効果
当院にも旅行や帰省のたびに鼻水やくしゃみが止まらないスタッフがいました。外泊する際にはマスクをつけ、あらかじめ抗アレルギー薬を服用してからチェックインするほどの念の入れようでしたが、ミティキュアによる治療を開始してしばらくたつとマスクも抗アレルギー薬も必要ないぐらい改善したそうです。
スギ花粉症治療薬のシダキュアと同様、アレルギー症状は本人にとっては大変つらいことが多いです。仕事や勉強など集中して取り組みたい活動のさまたげになることも多く生産性が落ちてしまいます。治療は少しずつ体を慣らしていくため一定期間の継続が必要です。受験を控えたお子さまの場合、受験日から逆算して前もって治療に取り組まれることをおすすめします。
ミティキュアの対象患者さんについて
- ダニアレルギーであることが確定している方
- 5歳以上の方
ミティキュアの治療期間
年間を通していつでも開始出来ます。
少なくとも3年~5年は毎日舌下投与が必要です。
患者さんによっては早めに治療効果があらわれる方もいます。
ミティキュアの副作用について
軽い副作用が口の中に起こりますが、軽症で経過観察だけで、何もしなくても自然に回復することがほとんどです。
<15%程度の確率で起きます>
- 口の中のはれ
- 口のかゆみ
- 口やのどの違和感
- 耳のかゆみ
<5%程度の確率で起きます>
- 口内炎、舌炎
- 舌のはれ、唇のはれ
- 舌のかゆみ、唇のかゆみ
- のどのはれ、のどの痛み
- お腹の不快感、むかむか
シダキュアとミティキュアの併用について
舌下免疫療法の併用について
アレルギー性鼻炎患者さんは複数の抗原に感作していることが多いとされています。実際、スギ花粉症を持つ患者さんに検査してみると、スギ花粉症だけでなく、ダニアレルギーにも感作している場合が少なからず認められます。
最近では舌下免疫療法は安全に併用出来ることがわかってきており希望される患者さんも増加しています。当院ではスギ花粉症とダニアレルギーを持つ患者さんの舌下免疫療法の併用に対応しています。
こんなことありませんか?
スギ花粉症は流行する季節がはっきりしており患者数も多いためご本人に自覚があることが多いです。スギ花粉飛散時期を過ぎても畳敷きの部屋やカーペット敷きの部屋に入ると鼻汁が垂れたり、咳込んでしまったりする場合、スギ花粉のアレルギーとダニアレルギーを併せ持っている可能性があります。
併用方法について
2剤一緒に処方スタートは出来ません。
一般に1剤目投与開始のあと、副作用の観察をしながら1ヶ月以上の期間をずらして2剤目の投与を開始します。
併用期間に入った場合、当院では最低1ヶ月間は朝晩に分けて1剤ずつ投与することにしています。
その後、副作用の状況を確認しながら、患者さんのライフスタイルに合わせた同時間帯での投与の御相談にも対応しています。
(同時間帯投与での注意点: 2剤一緒に口腔内の舌下に投与は出来ません。1剤目のお薬を舌下投与してから、最低5分間以上の間を空けて2剤目の投与をします。)
併用した場合の副作用について
舌下免疫療法の特有の口腔内での軽い副作用は当然ありますが、併用によって副作用の頻度が急激に上がったり、重くなったりすることは極めてまれで、安全に投与できます。特に導入期は患者さまの状態をみながら着実に服薬指導をさせて頂きますので、安心してご相談ください。