外用ビタミンA剤「ザーネ軟膏(ビタミンA油)」

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ザーネとは?

ザーネの写真

ザーネ(一般名:ビタミンA油)は、上皮保護因子として重要なビタミンAを配合した外用薬です。皮膚の角化や乾燥を改善する作用があるため、通常は角化性皮膚疾患の治療に使用されます。
なお、「ザーネ」は、ドイツ語で「クリーム」という意味です。

 

ザーネの特徴

ザーネの成分であるビタミンAには、皮膚の代謝機能を亢進し、表皮におけるケラチン形成を抑制する作用があります。臨床試験では、尋常性魚鱗癬をはじめとする角化性・乾燥性の皮膚疾患に対して有用性が認められています。
また、ザーネの基剤は親水性の乳剤性基剤(O/W)ですが、角化性皮膚疾患に対する皮膚保護効果を高めるため、水相よりも油相の量が多くなっているのが特徴です。

ザーネの効能効果・用法用量

効能効果・用法用量

ザーネは、角化性皮膚疾患(尋常性魚鱗癬毛孔性苔癬、単純性粃糠疹)に適応があります。
通常は、1日2〜3回、適量を患部に塗擦します

ザーネの禁忌・副作用など

ザーネを外用してはいけない例・外用に注意が必要な例

添付文書上、ザーネの使用にあたり禁忌とされている疾患・症状はありません。
ただし、皮膚刺激に対する感受性が亢進している方には慎重に使用することとされています。
その他、ザーネの成分に過敏症の既往歴がある場合は、使用を避けるべきでしょう。

ザーネの副作用について

ザーネの使用にあたり、特に重篤な副作用は報告されていません。
ただ、まれに紅斑や掻痒、発疹などの過敏症状があらわれることがあります。これらの症状があらわれた場合は、ザーネの使用を中止しなければならないこともあるため、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

添付文書上、ザーネとの併用が禁忌とされている薬剤はありません。もちろん、病気の治療のために内服薬を服用するのも問題ありません。
ただし、他の外用薬を使用している場合は使い分けが必要なこともあります。
そのため、併用薬がある場合は市販薬も含めてすべてお伝えください。

特定の患者さまへの使用に関して

妊娠中の方の使用に関して

ザーネの有効成分であるビタミンAは、動物を対象とした試験で催奇形性が報告されています(ただし、大量投与した場合)。
そのため、妊娠中の方や妊娠の可能性がある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を検討します。

授乳中の方、お子さま、ご高齢の方への使用に関して

ザーネを適量使う限りにおいては、特に問題はないと考えられます。ただし、副作用である紅斑や掻痒、発疹などの過敏症の症状があらわれる可能性は否定できません。
したがって、使用にあたっては自己判断で使用範囲を広げたりせず、副作用が疑われる症状があらわれた場合は速やかに受診して適切な処置を受けてください。

保管に関する注意

ザーネは、経時変化で徐々に黄変し、含量が低下することがあります。そのため、使用後は容器のふたをしっかり閉め、光や高温を避けて室温(1~30度)で保管してください。特に夏場は、高温になりやすい自動車内や直射日光の当たる場所に放置しないよう気を付けましょう。
なお、開栓後であっても、適切な条件で保管すれば3ヵ月は使用できます。この場合でも黄変は多少進みますが、有効成分の含量低下は規格内に留まりますのでご安心ください。

ザーネの患者負担・薬価について

ザーネの薬価は2.4円/gです。
もっとも、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額になります。例えば、3割負担の患者さまがザーネを100g処方された場合、ご負担金額は72.0円です(薬剤費のみの計算です)。
なお、ザーネにはジェネリック品がありません。薬局で希望しても変更できませんので、ご承知ください。

よくあるご質問

ザーネと同じ成分の市販薬はありますか?

医療用のザーネとまったく同じ成分の市販薬はありません。
ドラッグストアなどでは「ザーネ」の名称を持つ製品がいくつか販売されていますが、医療用のザーネとは成分が異なります。また、適応も同じではありません。
もっとも、ビタミンAが配合されている市販薬は多数販売されています。ただし、それらもザーネとは添加物などが異なりますし、ビタミンA以外の成分が配合されている場合もあります。
そのため、市販のビタミンA配合外用薬をザーネと同じように使用することはできません。

ビタミンAは抗酸化作用があるため、美肌に良いと聞きました。では、ビタミンAが主成分のザーネも毎日塗っていれば美肌になるのでしょうか?

たしかにビタミンAには抗酸化作用があるため、「抗酸化ビタミン」と呼ばれることもあります。また、ビタミンAには皮膚の新陳代謝を高め、ケラチン形成をおさえる作用があるため、ザーネを適切に使えば皮膚の角化や乾燥は改善されるでしょう。
しかし、ザーネに美肌の適応はありません。肌荒れの原因が皮膚の角化や乾燥にある場合は、ザーネの使用で肌の状態が良くなる可能性はありますが、それ以上の効果があるかどうかは不明です。
したがって、美肌目的でザーネを使用するのはおすすめできません。美肌目的でザーネを処方することもできませんので、ご承知ください。

ザーネが黄色っぽい色をしているのは何でですか?

ザーネが黄色味を帯びているのは、配合されているビタミンA油の色が黄色〜黄褐色であるためです。そして、ビタミンA油は空気や光で分解されるため、ザーネは保存期間が長くなると黄色度が増加してきます。
製薬会社の資料によると、開栓後に加温(40度)・加湿(75%)の条件下で保存した場合でも、3ヵ月間は有効成分の含量低下は規格内であったとされていますが、黄色度は増加したとのことです。
ご家庭では、高温多湿を避けて保管し、早めに使い切るようにしてください。

チューブタイプのザーネが欲しいのですが、処方してもらえますか?

ザーネは、ポリ容器入りの500g包装しかありません。チューブ品はありませんので、ご承知ください。
なお、軟膏容器の大きさは処方量に合わせて調剤薬局が決めています。
「手が不自由なので開けやすい大きめの容器がいい」「外出時に携帯したいので、小容量の容器に分けて入れて欲しい」などの要望を伝えれば対応してくれると思いますので、容器の大きさ・個数については薬局にご相談ください。その際、容器代が別途必要になる場合もありますので、その点もあらかじめご確認ください。

冷蔵庫の奥から、いつ処方されたかわからないザーネが出てきました。色やニオイはそれほど変化していないようなので、使ってもいいですか?

未開封のザーネは、適切に保管すれば色の変化も少なく含量もあまり低下しませんが、開封後のザーネは冷所に保管していてもやはり劣化が進みます。
そして、患者さまのお手元にあるザーネは、通常薬局で小分けしたものになるため、「開封後」のザーネということになります。
開封後のザーネは、たとえ見た目やニオイの変化がなくても、有効成分や添加物の劣化が進んでいる可能性があります。したがって、いつ処方されたかわからないザーネは、使用せずそのまま廃棄してください。
なお、薬は薬袋に入れた状態で保管することをおすすめします。通常、薬袋には薬を交付した日が記載されていますので、「いつの薬かわからない」などのトラブルを防げます。

ザーネを塗り忘れた場合はどうすればいいですか?

ザーネを塗り忘れた場合は、気が付いたときに1回分を塗布してください。ただし、次の塗布時間が近い場合は、忘れた分を飛ばして次の塗布時間に1回分を塗ってください。その際、塗り忘れ分をあわせて2回分塗る必要はありません。

 

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