AGA治療薬「ザガーロ(デュタステリド)」男性型脱毛症 飲み薬

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ザガーロとは?

ザガーロの写真

ザガーロ(一般名:デュタステリド)は、AGA(男性型脱毛症:思春期以降の男性の進行性脱毛症)の治療に用いられる薬剤です。5α還元酵素I型とII型を阻害し、ジヒドロテストステロンの産生をおさえてAGA改善効果を発揮します。
同系統のAGA治療薬としては、プロペシア(一般名:フィナステリド)があります。

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ザガーロとプロペシアの違い

プロペシアは、5α還元酵素II型を阻害する薬剤です。ザガーロは5α還元酵素II型だけではなくI型も阻害する薬剤です。
5α還元酵素II型は前頭部や頭頂部に多く分布するため、5α還元酵素II型を特異的に阻害するプロペシアを用いれば、AGAの症状の多くは改善が期待できます。
一方、5α還元酵素I型はほぼ全身に分布しており、特に側頭部と後頭部に多く存在します。そのため、より広い範囲でAGAの改善が期待できます。

ザガーロの効能効果および用法用量

効能効果

ザガーロは、男性における男性型脱毛症のみに適応があります。男性型脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症など)や女性の脱毛症には使用できません。

用法用量

服用量は1日1回0.5mgです。
治療開始から12週間(3ヵ月程度)でAGAの改善が見られる場合もありますが、通常は6ヵ月の連日服用が必要です。また、効果を持続させるためには継続的に服用しなければなりません。

ザガーロを服用する上での注意点

禁忌

ザガーロの成分に過敏症の既往歴がある方や、他の5α還元酵素阻害薬(プロペシアなど)に対し過敏症の既往歴のある方は、服用を避けなければなりません。
また、女性や小児、重度の肝機能障害がある方への投与は禁忌とされています。

重大な副作用

重大な副作用として、肝機能障害や黄疸が報告されています。発生頻度は不明ですが、食欲不振や全身の倦怠感、皮膚や粘膜が黄色くなるなどの症状があらわれた場合は、すぐに診療を受けてください。

その他の副作用

その他の副作用としては、以下のような症状が報告されています。

発生頻度:1%以上
  • 生殖系:性機能不全
    (性欲減退、勃起不全、射精障害)
発生頻度:1%未満
  • 過敏症:発疹
  • 精神神経系:頭痛、抑うつ気分
  • 乳房障害:(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)
  • 消化器:腹部不快感
頻度不明
  • 過敏症:蕁麻疹、アレルギー反応、瘙痒症
    限局性浮腫、血管性浮腫
  • 精神神経系:浮動性めまい、味覚異常
  • 生殖系:精巣痛、精巣腫脹
  • 皮膚:脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
  • 消化器:腹痛、下痢
  • その他:倦怠感、血中CK(クレアチンキナーゼ)増加

ザガーロを服用したすべての人に、これらの副作用が発生するわけではありません。ただし、ザガーロを服用して体調変化があらわれた場合は、早めにご相談ください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

ザガーロと併用禁忌の薬剤はありませんが、CYP3A4阻害作用を有する薬剤との併用には注意が必要です。このような薬剤と併用すると、ザガーロの血中濃度が上昇するおそれがあります。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤としては、リトナビル(抗ウイルス化学療法剤)などがあります。

特定の患者さまの使用に関して

妊娠中または授乳中の方の使用

ザガーロは、男性専用のAGA治療薬です。女性の脱毛症には適応がありません。
特に、男児を妊娠している女性にザガーロを投与すると、胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆されています。また、ザガーロの有効成分が乳汁中へ移行するかどうかは不明です。
そのため、女性、特に妊娠中の方・妊娠の可能性がある方・授乳中の方への投与は禁忌とされています。

お子さまへの使用

ザガーロは、小児など20歳未満の人に使用した場合の安全性・有効性に関する臨床試験を実施していません。そのため、処方は20歳以上の男性に限られます。

ご高齢の方の使用

ご高齢の男性については、使用に特別な制限はありません。また、副作用の発現率が高まるという報告もありません。しかし、高齢者では有効成分の代謝・排泄の遅延が見られることもあります。そのため、症状や他の疾患の有無などにも配慮して処方内容を検討します。

その他の注意点

軟カプセル剤の取り扱いについて

ザガーロは軟カプセル剤ですが、服用の際にカプセルを噛んだり無理やりこじ開けたりするのは避けてください。カプセルの内容物が漏れ出ると、口やのどの粘膜に刺激感を覚えることがあります。
また、カプセルから漏れ出た薬剤に触れると、有効成分が皮膚から吸収されるおそれがあります。そのため、女性やお子さんが破損したカプセルに触れることがないように注意してください。

前立腺がんの検診を受ける予定がある場合

ザガーロは、前立腺がん検査で測定されるPSA値を低下させることがわかっています。したがって、検査を受ける際には医師にザガーロの服用を伝えてください。
なお、PSA値はザガーロの服用をやめれば6ヵ月以内に元の値に戻ります。

献血制限について

ザガーロ服用中は、献血ができません。これは、ザガーロの成分を含む血液が男児を妊娠中の女性に輸血された場合、胎児の外生殖器の発達を阻害するおそれがあるためです。
誤って献血してしまった場合は、献血カードに記載されている献血センターに連絡してください。
なお、ザガーロの服用をやめて6ヵ月以上経てば献血は可能です。

ザガーロの費用

ザガーロは保険適用外の薬剤なので、全額自己負担となります。ザガーロ0.5mgの当院での薬剤費は0.5mg:11,000円/30カプセル(税込)です。ジェネリックのデュタステリドは8,800円/30カプセル(税込)です。

よくあるご質問

ザガーロと同じ成分の市販薬はありますか?

ザガーロと同成分の市販薬は販売されていません。ザガーロは処方箋医薬品なので、必要な場合は医療機関を受診して処方してもらってください。
最近は、個人輸入や海外ネット通販などを利用して海外製のAGA治療薬を購入する人もいるようですが、外国の薬剤は日本の法律に基づく品質や有効性・安全性の確認が行われていません。なかには、粗悪品や有効成分がまったく含まれていないものもあるようです。
健康リスクを避けるためにも、医療機関以外でザガーロなどAGA治療薬を入手しないようにしましょう。

ザガーロと同じ成分の前立腺肥大症治療薬があると聞きました。これをAGA治療のために処方してもらうことはできますか?

たしかに、前立腺肥大症治療薬のなかにはザガーロと同成分のものもあります。しかし、適応が異なるためAGAを治療する目的で処方することはできません。
前立腺肥大症治療薬をAGA治療薬として用いた場合、適正な使用とは認められないため、万が一健康被害が生じても国の医薬品副作用被害救済制度による救済を受けられません。

塗るタイプの育毛剤や発毛剤と併用してもいいですか?

ザガーロは、塗るタイプの育毛剤や発毛剤と併用しても構いません。飲み薬については併用に注意が必要な場合もあるため、服用前にご相談ください。

飲み忘れたら、どうすればいいですか?2回分飲めばいいですか?

飲み忘れた場合は、気が付いた時点でその日の分を服用してください。2回分を一度に飲む必要はありません。
なお、ザガーロは食事の影響を受けないため、いつでも服用できます。飲み忘れを防ぐために、毎日同じタイミングで服用するようにしましょう。

ザガーロを飲み始めてから、かえって脱毛が増えた気がします。飲むのをやめるべきでしょうか。

ザガーロを飲み始めてしばらくすると、一時的に抜け毛が増えることがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれる症状で、ヘアサイクルが正常に戻る過程で起こるものです。ザガーロの初期脱毛は、治療開始から10日後くらいから2ヵ月ほどの間に見られることが多く、それから3ヵ月ほど続くこともあります。AGAが急に進行したわけではないので、心配しないでください。
なお、初期脱毛を育毛剤や発毛剤でおさえることはできません。また、初期脱毛があらわれない人もいます。治療効果と初期脱毛の有無には相関がありませんので、ご承知ください。

 

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