AGA(男性型脱毛症)・FAGA/FPHL(女性型脱毛症)

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AGA・FAGA/FPHLとは?

AGA(男性型脱毛症)とは

AGAとはandrogenetic alopeciaの頭文字で、アンドロゲン(男性ホルモン)による脱毛症を意味し「男性型脱毛症」を指します。主に成人男性に特徴的な進行性の頭髪脱毛症状のことで、日本人男性の3人に1人がAGAだと言われているほど一般的な症状で、額の生え際が後退したり、頭頂部の髪が抜けて薄くなったりします。

進行性の症状で、放置しておくと髪はどんどん薄くなる一方のため、早めに治療を開始することが重要になってきます。また、治療を中断するとAGAの進行が再開してしまうため、継続する必要があります。

朝起きた時に枕に髪の毛がたくさん落ちている、洗髪やブラッシング、ドライヤーを行っている時などの抜け毛の量が増えてきた気がする、頭頂部や額の毛が細く薄くなって地肌が目立つようになってきた、といったことでAGAをうっすらと自覚する人が多いようです。

AGAには進行パターンがいくつかあり、

  • ①頭頂部から抜け毛が進行するO字タイプ
  • ②額の生え際から始まるM字タイプ
  • ③前頭部から後退していくU字タイプ

とに分類されています。

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画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

アジア人は欧米人に比べてO字タイプの割合が比較的高いと言われています。

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)とは?

FAGA/FPHLはfemale AGA/female pattern hair lossの頭文字です。男性型脱毛症を指すAGAという言葉の認知度が高く、女性を意味するfemaleを付けてFAGAとされ一般的に知られるようになりました。しかし前述のとおりAGAは男性ホルモンであるアンドロゲン由来の脱毛症という意味になり、女性型脱毛症は男性ホルモンでは説明がつかない場合もあるため国際的にもFPHLという病名を使われることが多くなっています。
※当院では混乱を防ぐため、AGA(男性型脱毛症)・FAGA/FPHL(女性型脱毛症)と併記いたします。

FAGA/FPHLでは男性と異なり、頭頂部の比較的広い範囲の頭髪が薄くなることがあります。脱毛症の分類としてはルードヴィヒ(Ludwig)分類が使われます。

ルードヴィヒ分類

当院では女性型脱毛症の治療を開始する前に血液検査を実施して基礎疾患の有無を確認しています。例えば膠原病や甲状腺機能に異常がある場合は適切な医療機関をご紹介しています。異常がない場合はFAGA/FPHLとして治療を開始します。

AGA・FAGA/FPHLの治療法

  • (1)抜け毛・薄毛の進行を抑える方法
  • (2)今ある髪の毛の発育を促す方法
  • (3)新しく髪を生やす方法

の3種類があります。

当院がAGA・FAGA/FPHLに力を入れる理由

AGA・FAGA/FPHLに力を入れる理由は大きく3つあります。

①一般皮膚科における治療の選択肢の少なさ

男性型脱毛症は内服薬を処方することで安全で効果の高い治療を選択可能です。しかし女性型脱毛症では男性と同じ内服薬は禁忌であり、塗り薬やサプリメントなど選択肢が限られています。AGA専門クリニックではなく一般の皮膚科クリニックで薄毛治療を希望する方も多くいらっしゃいます。そこで当院では外用・内服・赤色LED・注射と必要に応じて幅広く選択肢をご提供できるような体制をとっています。

②当事者であること

私の母が女性型脱毛症で悩んでいます。医師になったころから母親には女性型脱毛症の対策についてアドバイスをしてきました。クリニックを開院してからは特に力を入れて安全で効果がある治療を探し求めてきました。母親にも施術できるような治療法を患者様にご提供したいと考えています。

③自費診療の情報収集の難しさ

保険診療であればガイドラインや臨床試験など情報が広く公開されており、医療従事者でなくても客観的に比較検討をすることができます。新薬の情報などは医師顔負けの詳しい患者様もいらっしゃいます。
しかし薄毛の治療は基本的には自費診療になるため、情報の取捨選択が重要になります。
当院では情報を入手しやすいクリニック運営の立場から約5年ほどかけて薄毛の治療について情報収集してきました。
ご興味のある方はご相談ください。

AGA・FAGA/FPHLの原因

AGA(男性型脱毛症)の原因

AGAの原因はいくつかあると考えられていますが、中でも男性ホルモンのバランスが大きく影響していると思われます。

毛には寿命があり、成長期・退行期・休止期・脱毛を繰り返す「ヘアサイクル」に従って成長しています。毛周期(ヘアサイクル)は平均で男性3~5年、女性4~6年で、健康な頭皮からは1日平均50~150本程度といわれています。

  • 成長期……毛が成長している段階で、全体の85~90%の髪が成長期。髪の元となる毛母細胞が活発に分裂・増殖していて、毛がどんどん成長していきます。
  • 退行期(2~3週間)……毛母細胞に栄養などを送る毛乳頭の働きが低下し、毛母細胞の分裂が徐々に遅くなり、毛の成長が止まります。髪全体の1%ほど。
  • 休止期(数カ月)……毛母細胞尾や毛乳頭の活動が休止し、毛穴の奥で新たに成長を始めた髪の毛に押し出されるようにして自然と抜け落ちます。髪全体の10~20%ほど。

ヘアサイクルが乱れると、毛が成長していく途中で髪が抜け始めてしまい、短く細い毛しか残らなくなってしまいます。

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画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

ヘアサイクルの乱れの原因のひとつが、男性ホルモンのテストステロンです。テストステロンは頭皮のある5αリダクターゼという酵素と結合し、ジヒドロテストステロンになります。これが毛乳頭の男性ホルモン受容体に受け取られると、脱毛するようにとの命令を発し、成長期の間に毛が抜けるようになります。ジヒドロテストステロンの生成は自然にコントロールできないので、AGA治療を受けて生成を抑制していく必要があります。

FAGA・FAGA/FPHLの原因

女性型脱毛症の原因はまだ明らかにはなっていません。関連がある要因として考えられることを以下に記載します。

  • 加齢
  • 遺伝(家族歴)
  • ストレスや疲労
  • 喫煙
  • ダイエット

AGA・FAGA/FPHLの診断

AGA(男性型脱毛症)の診断

AGAの診断は、医師の問診および視診によって行われます。家族歴や脱毛の経過などをヒアリングし、額の生え際・頭頂部・前頭部の毛髪の太さ・長さを確認。専用の拡大鏡を用いたダーモスコピー検査なども有用です。

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の診断

女性型脱毛症は女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ったり働きが低下することで薄毛になりやすくなります。AGAと違ってFAGA/FPHLは頭髪全体が細く薄くなるのが特徴です。近年薄毛に悩む女性が増えていますが、デリケートな問題のため治療に踏み出せないという患者さんが少なくありません。しかし、適切な治療を受けることでFAGA/FPHLは改善することができます。

AGAの治療

AGAの治療は保険適用外のため、すべて自費になります。主な治療法は外用薬と内服薬で、場合によって注射や光線療法を行うこともあります。

外用薬

「ミノキシジル」は市販薬としても販売されている外用薬です。血流改善などにより発毛や髪の成長を促進する作用があり、髪が成長しやすい状態に整えます。プロペシアやザガーロなどの治療薬と併用が可能です。血管拡張作用があるため、高血圧や狭心症などの疾患を抱えている方は使用に注意が必要です。

内服薬(※男性のみ)

ザガーロ」はデュタステリドを有効成分とする内服薬です。ジヒドロテストステロンの生成を抑制する作用があり、ヘアサイクルの正常化・改善が期待できます。飲み始めは一時的に抜け毛が増えますが、正常化するので問題ありません。自己判断で中断せず、医師の指示の下で服用してください。

プロペシア」の有効成分はフィナステリドです。ザガーロ同様、ジヒドロテストステロンの生成を抑制する働きがあります。ザガーロのほうが治療効果は高いとされていますが、プロペシアのほうが副作用の可能性が低いと報告されています。

診療にかかる費用 ザガーロ 11,000円/月
デュタステリド(ジェネリック) 8,800円/月
プロペシア 8,800円/月
フィナステリド(ジェネリック) 6,600円/月
効果 AGAの原因のひとつと考えられるジヒドロテストステロン
という男性ホルモンの産生を阻害し、ヘアサイクルを
正常に近づけることで発毛を促進する。
テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する
1型、2型の5α還元酵素をともに阻害するのが
デュタステリド、2型のみ阻害するのがフィナステリドである。
副作用 重大な副作用として肝機能障害や黄疸があらわれる
ことがある。男性機能の低下を起こすこともある。

PRP療法(注射)

詳細はこちらのリンクからご確認ください。

» PRP療法(注射)についてはこちら

ヘアフィラー(注射)

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赤色LED治療

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その他の治療

このほか、AGAによる抜け毛で地肌が透けて見えてしまっている場合は、植毛・増毛、ヘアウィッグなどの対症療法もあります。

AGAの予防や注意事項

AGAは遺伝による影響が大きいので、血縁者に薄毛の方がいるかを問診時にお伝えください。こういった情報も有効な治療方法を考えるうえで大切になってきます。

一般的に発毛に良いと言われている生活習慣の改善や市販薬、マッサージなどは、抜け毛の進行を少し遅らせることはできますが、治療としては投薬や注射による治療が効果的です。

また、最近はAGA治療薬が、個人輸入の通信販売などで簡単に手に入りやすくなっていますが、偽造品や体質にあわない薬を使用して健康被害にあったという声が出ています。保険の対象にならず、万が一健康を害することがあっても補償してもらうことはできません。

安全かつ適切なAGA治療を受けるために、ご相談ください。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。