粉瘤

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粉瘤とは?

粉瘤(ふんりゅう)とは良性皮膚腫瘍の一種で、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)が生成され、その中に角質や皮脂など、本来は皮膚から剥がれ落ちるはずのものが溜まることによって生じます。よく脂肪の塊だと言われることがありますが、正体は脂肪ではありません。

医学的には「表皮嚢腫」に分類されますが、外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫も粉瘤の一種と考えられています。外毛根鞘性嚢腫は頭部の毛根に生じやすいタイプで、多発性毛包嚢腫はその名の通り、

  • わきの下
  • 胸部
  • 背中

など、体のあらゆる部位に20~30個など多数生じることがあります。

粉瘤の病態は、色は普通の皮膚と変わりません。半球状のふくらみの頂上に小さな穴(開口部)があいていることがしばしば見られ、開口部周辺はやや黒ずんでいる場合もあります。粉瘤は

  • 耳の後ろ
  • 背中
  • 足の裏
  • 陰部

など、全身のどこにでも発症し得るもので、通常はあまり変容しない、あるいはゆっくりと大きくなる程度です。

軽症であれば痛みや硬化もほとんど感じられませんが、炎症を伴ったり感染が生じたりした場合は、急速に膨張しやすくなり、発赤や紅斑を伴って圧痛を感じます。さらに嚢腫内に膿がたまった後は、悪臭の原因になったり、破裂期といって内容物の液体が排出されたりします。このように粉瘤は、症状の進行によって段階に分けられ、ループのように繰り返します。膿の排出が終わると炎症と感染も次第に落ち着いて見えますが、再発性の高い疾患なので、自己完治することはほぼありません。

粉瘤の原因

粉瘤ができる原因はさまざまあると考えられており、単一の原因は解明されていません。ただ、毛穴が皮脂で詰まった・ニキビができた場合や、外傷など表皮の創傷に皮膚(角質)の一部がもぐりこんだり、ウイルス感染が起こった場合などに生じることがあります。

粉瘤は、あまり大きくならず無症状のままであることもあります。細菌やウイルスに感染すると赤い腫れや痛みを伴うことがあり、自分で膿をむりやり出そうとすると破裂した内部から広がり、慢性化してしまう恐れがあります。

粉瘤の診断

ほとんどの粉瘤は医師の視診によって診断可能です。患部が拡張していたり、病変が深部に到達していたりする場合は、画像検査によって周辺細胞組織の様子を確認することがあります。

診断のポイントは、粉瘤の症状がどの段階にあるか、個々の状態を見極めることです。何度も再発を繰り返して硬化している場合は、嚢腫の摘出手術に注意が必要な場合があるため、患部の状態と発症部位、また患者の希望などをもとに慎重な診断が行われます。

粉瘤の治療

サイズの小さいものでも薬では治療できません。粉瘤は良性腫瘍であり、悪性に転化することはめったにないので切開するかどうかは本人の希望と医師からの勧めによります。患部の表皮を紡錘状に切り取り、嚢腫を取り出して、傷口を縫合するという方法です。手術は保険適用です。ご希望の場合、ご相談ください。

その他の治療

軽度の炎症性粉瘤になった場合や化膿している場合は、炎症を抑える目的で抗生物質またはステロイド剤の投与によって症状を鎮静化させることがあります。化膿が進行していると薬物治療ではなく切開手術が必要になり、感染の広がりを抑えるため抗菌剤を投与します。

一律に切開手術と抗生物質の投与を選択すれば良いというものではなく、症状の程度と副作用を考慮しながら慎重に診療を行うことが重要です。

粉瘤の予防や注意事項

基本的に粉瘤そのものを予防する方法はありません。頭部に生じやすいものは外毛根鞘性嚢腫などは、毛穴が詰まって皮脂排出が滞ったときなどに起こることがあるので、皮膚表面を普段から洗浄・清潔にすることを心がけましょう。ただし、皮膚の洗浄の際は過度の刺激を与えないように気をつけましょう。

外科手術を行った場合、術後の患部の傷がふさがるまでは医師の指導に従ってください。「くり抜き法」は施術が短時間で済みますが、傷口がふさがるまで数週間かかることがあります。抗生物質やステロイド剤の処方のため、しばらくの間は通院が必要になるケースもあります。

粉瘤は安定期にあるときは痛みや不快感もなく、色もまわりの皮膚と変わらないため、気にならないという人もいます。ただ、炎症を起こしたり、徐々に大きくなるものであり審美的にも考慮します。まずはご相談ください。

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