- 魚の目の芯が黒い場合、どんなことが考えられますか?
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イボ(尋常性疣贅)の可能性があります。
- 魚の目は他人にうつりますか?
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魚の目が他人にうつることはありません。
- 魚の目や市販薬やパッチで治りますか?
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改善する可能性はあります。体重がかからなくなれば治ることもあります。
- 魚の目は手のひらや指にはできますか?
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魚の目は体重がかかる部位にできるため、手にはできません。
- 魚の目は手術で治りますか?
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原因を取り除こうとすると骨を削る必要があるため、基本的に手術は行いません。
目次
魚の目(鶏眼:けいがん)は、皮膚に継続的あるいは間欠的に摩擦・圧迫の刺激を受け続けることで、その部分の角質が厚く硬くなって生じる病変(角質肥厚)です。患部は小豆くらいの大きさで皮膚が硬くなっており、中央に穴のようなくぼみがあったり白い点が見えたりします。これが小さな目のように見えることが、「魚の目」や「鶏の目」と呼ばれるゆえんです。
一般的に足の裏や足の指(側面や付け根、指の関節)にできることがよくあります。たこ(胼胝:べんち)とでき方が似ていますが、患部の深さ・広さと痛みがあるかどうかで異なります。
魚の目は、角質が増殖して厚く硬化した皮膚が、内部に向かってくさび状に侵食していきます。また、魚の目はたこと違って「芯」という白く硬い角質柱が含まれています。この芯が皮膚の深部に向かって増殖していき、神経のある部位まで食い込んでいきます。このため歩行中に靴などに圧迫されると、芯が神経を刺激するため、強い痛みを感じることがあります。
一方でたこは、魚の目よりも広く浅い範囲で起こる病変です。厚くなった角質は表面が盛り上がるようになり、多くの場合は痛みや感覚に対して鈍くなります。
魚の目の芯は放置しているとさらに大きくなっていくことがあるほか、外因性の滑液包炎が生じることもあるため、早めの除去が大切です。
魚の目は日常的に外部からの刺激や圧迫が加えられることで、ゆっくり徐々に角質が硬く厚くなっていき、皮膚の奥で硬い芯ができていきます。そのため短時間でできるものではありません。
魚の目の初期には患部が周りの皮膚よりも厚く、奥に白い芯が見える状態になっており、痛みの程度もそれほど強くはありません。魚の目の芯を放置していると、どんどん患部が広がっていき、周辺にも角質や魚の目の芯ができやすくなります。
魚の目は、物理的な刺激を継続的または間欠的に受けたことで、皮膚を守るために角質が変容するというもの。他人や自分の身体の他部位への感染は起こりません。原因の大半は、足の形にあっていない靴を履いていることによる継続的な圧迫と刺激です。
サイズや形の合わない靴、ヒールが高く足指のつけねに大きく負担がかかる靴、固い靴などを履いていると魚の目ができやすくなります。とくに足先が細くなっている革靴やパンプスは、親指や小指の側面が圧迫されるため、指の側面にできやすくなります。
また、足底が薄かったりクッションが十分に機能しなかったりする靴を履いている、および歩き方の癖・立ち方に癖があることによっても、体重がかかることによる負担が大きくなって足の裏に症状が出やすいです。
女性は男性よりも冷え性で足の裏の血行が悪いため、魚の目を生じることが多いともいわれています。
芯が残っていると、周辺の厚くなった角質を削り落としても、何度も再発して拡大していきます。また、魚の目は皮膚の異常ではなく、靴などの外部環境によって生じるので、患部を治療しても再び同じ刺激を受ければ再発します。
皮膚科にて、視診と問診による臨床的評価で診断されます。魚の目は角質部分を削りとると、白から淡い黄褐色の半透明の芯が摘出されるため判断することができます。
芯があまり奥深くに侵入していない場合は痛みなども感じられないため、そのまま放置していても特に問題はありません。
ウイルス性のいぼ等と外観が似ているので、ダーマスコピーを使い正確な診断を行うことをおすすめします。ご相談ください。もしいぼだった場合は、液体窒素を用いた冷凍療法が必要になります。また、魚の目と見た目が似た症状に、足の裏にできる悪性腫瘍があるため、痛みを感じたり患部の病変が急激だったりする場合はご相談ください。
最後の項目に該当し、1~5番目に該当する項目がある場合は魚の目の可能性があります。
魚の目の治療薬は市販されていますが、治療が適切でないと再発を繰り返すことになります。また、治療にあたっては複数の診療科の連携が必要な場合もあります。
魚の目と思われる症状がある場合は、早めに受診しましょう。
魚の目の治療は、「サリチル酸を含有する外用薬の使用」「角化部位を削り、芯を除去する」「刺激を受けなくなるようなバイオメカニクス的治療・指導」が中心となります。
サリチル酸は、細胞同士を接着している蛋白デスモグレインを溶かす作用があり、硬くなった角質を柔らかくする効果があります。サリチル酸が主成分に含まれる角質溶解剤(17%サリチル酸含有コロジオン、40%サリチル酸絆創膏、40%尿素など)を患部に塗布あるいはシールを貼ることで除去しやすくなります。
サリチル酸を含む外用薬は、まわりの皮膚にも影響してしまうので、患部そのものよりも少し小さいサイズで塗る・貼ることが肝心です。事前にワセリンで正常な周辺皮膚を保護するのも良いでしょう。
角質を柔らかくしたあと、ハサミやメス、やすりなどを使って硬化した部分を取り除きます。入浴して柔らかくなった肌に対して軽石を使うことなども効果的です。
魚の目は芯を除去しないと何度も再発するので、皮膚科で丁寧に摘出することもおすすめします。
魚の目の下部に潰瘍が形成されている場合、細菌感染を起こす危険性があるので、潰瘍部分の洗浄も行います。
魚の目を治療しても、長期にわたって外部刺激を受ける・体重がかかるような生活習慣を続けていると、何度も再発しやすくなります。そのため、根本的な予防および治療として生体力学的(バイオメカニクス)な矯正を行うことも重要です。
靴のインソール(中敷き)やパッド、コットン、気泡ゴムといった保護用グッズの調整により体重や圧力を分散させることができ、魚の目防止効果が期待できます。また、日頃のウォーキングフォームに気を遣う必要もあります。
インソールの作成には保険適用できる場合もあるので、医療機関とその指定靴専門店などに問い合わせてみてください。
市販薬のスピール膏もサリチル酸を含んでおり、角質硬化作用があります。上記のように魚の目と自己診断して自己治療するのには多少リスクがあるため、できる限りご相談ください。
糖尿病がある場合や末梢の循環に障害を伴う疾病がある場合は、専門医による定期健診およびケアが必要となります。糖尿病の方は専門クリニックでの診療と指導も受けて、足の状態について相談してみましょう。当ビル3階には糖尿病内科があり、連携しております。
魚の目ができる原因となるような窮屈な靴の着用、不自然な癖による歩行、長時間の立ち仕事・歩き仕事などはできるだけ避けるようにしてください。これらの外的要因を普段の生活からできるだけ排除するようにしない限り発症・再発しやすくなります。
また、外反母趾や内反小趾、偏平足、ハンマートゥ、巻き爪など痛みを伴う症状がある場合、その部位をかばって歩行するようにするため、足の別の部位に負担がかかって魚の目ができる要因となりやすいです。
足の骨格そのものに歪みが出ているケースが多いので、整形外科やリハビリ科で骨格構造を診断してもらうといいでしょう。ストレッチやインソールの活用でも改善・予防することが可能です。
イボ(尋常性疣贅)の可能性があります。
魚の目が他人にうつることはありません。
改善する可能性はあります。体重がかからなくなれば治ることもあります。
魚の目は体重がかかる部位にできるため、手にはできません。
原因を取り除こうとすると骨を削る必要があるため、基本的に手術は行いません。