手足口病

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手足口病とは?

手足口病とは、子どもを中心に、主に夏(ピークは7月下旬)に流行するウイルス性感染症で、口の中、手の平、足の裏、おしりなどに2~3㎜の水疱性の発疹が発現します。次第にびらん、アフタ性潰瘍を形成していきます。疼痛があり、水や食物をとりにくくて脱水症状を起こしやすい点に注意が必要です。

感染症発生動向調査によると、4歳くらいまでの幼児が中心で、特に2歳以下が半数を占めています。こうした乳幼児~低年齢の子どもはウイルスに感染した経験がまだ少ないため、感染すると高確率で発症します。潜伏期間は2~5日間で、通常は3~7日間のうちに自然快癒していきます。しばしば微熱を伴いますが、発熱は高くて38度台です。

病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)で、コクサッキーウイルスA10などが原因になるケースもあります。これらはアルコール消毒剤や熱に強いウイルスの一種です。

手足口病の合併症として、骨髄炎、脳炎、小脳失調症といった中枢神経系、また心筋炎、急性弛緩性麻痺、神経原性肺水腫、ギラン・バレー症候群なども確認されています。ただし合併症の発症はまれです。EV17に感染するケースでは、中枢神経系の合併症を引き起こす確率がやや高くなります。

コクサッキーウイルスA6に感染したとき、手足口病の症状が治まってから1カ月ほどの回復期に、手足の爪が一時的に脱落する(爪甲脱落症)という症例も報告されていますが、自然に治っていくとされています。

手足口病はあまり目立った症状が出ないこともあり、感染しているのに発病せず、そのうえでウイルスを排泄しているというケースもあり、家族や保育園など共同生活をしている人は注意が必要です。また、症状がほとんどないのでそのままにしていたら重症化してしまったというケースもあるので、手足口病に感染した子どもの経過は注意深く観察する必要があります。

手足口病の原因

手足口病の感染経路は、くしゃみなどの飛沫を浴びて感染する飛沫感染・直接触れあったり、ドアノブやリモコンやスマートフォンを経由して感染する接触感染・乾燥した排泄物の中にあるウイルスが飛び、口の中に入ることで糞口感染が知られています。

例えば、手足口病にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をする保育園や幼稚園などでは、子ども同士の濃厚接触が生じやすい環境であり、かつ子ども本人の衛生観念が十分に発達していないことなどから、手足口病の発症者が出た場合に集団感染に至りやすい傾向が見られます。

手足口病の診断

手足口病の診断は臨床診断で行われるのが一般的です。季節や患者の周辺での流行状況と症状(発疹の形態や部位)を見て医師が判断することが多いです。

病原診断を行う場合はウイルスの分離や検出がポイントです。意識障害やぐったりして呼び掛けても返事をしない、嘔吐を繰り返すなどのケースでは合併症が疑われるので、医療機関を受診してください。

手足口病の治療

手足口病には特別な治療法はありません。基本的には軽い症状の病気なので、経過観察をしたうえで、症状に応じた治療となります。かゆみが強い場合はかゆみ止めの内服薬や塗り薬を処方されます。

毛の柔らかい歯ブラシと食塩水を使った口腔衛生、酸味や塩分を控えめにしたのど越しの良い食事をとると良いでしょう。口内炎があるときは、すりおろした果物やゼリーなどがおすすめです。

経過観察をしっかりと行い、発熱が2日以上続く、高熱が出ている、嘔吐を繰り返す、頭痛を訴える、呼吸が苦しそう、ぐったりとしている、水分を摂れなくて排尿量が少ないなどの症状が見られた場合は医療機関を速やかに受診してください。

その他の治療

水を飲みにくいので脱水症状を起こしやすいです。水分補給に気をつけてください。

手足口病の予防や注意事項

手足口病に有効なワクチンや予防薬などはまだ確立していません。また、子どもの多くは手足口病にかかり、治った後もウイルスを2~4週間にわたってウイルスを排出しているなど、一見するとやっかいな疾病のように思われます。

しかし、発病しても比較的軽い症状で治るケースがほとんどであり、免疫を獲得できるという点においても過剰に恐れる必要があるものではありません。終生免疫ができますが、原因ウイルスは複数存在するので、何度か罹患することもあります。

一般的な感染対策は、石鹸と水を使って手洗いをしっかりとし、身の回りを清潔にしていること。また、排泄物を適切な方法で処理することです。おむつの交換時などは排泄物に直接触れないようにし、袋に入れた後はしっかり口を閉じて、あとは保護者も手洗いを徹底してください。おむつを取り替えた直後に顔に触れると感染しやすいです。また、共同生活者に感染者がいる場合は、タオルなどの共用は避けてください。

登園・登校は、発熱がなく食事が食べられるようなら可能と考えられていますが、ご心配な場合はご相談ください。
 

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