とびひ(伝染性膿痂疹)

  日祝
9:00~13:00 - -
15:30~18:30 - - -

☆休診日: 水曜、日曜、祝日
予約なしでも受診可能です

  • 巣鴨千石皮ふ科 ネット予約
  • ネット予約の手順
  • キーワード(症状、薬品名、治療、医院について等)をご入力ください。

FacebookTwitterLine

とびひ(伝染性膿痂疹)とは?

とびひ(伝染性膿痂疹、でんせんせいのうかしん)は、ブドウ球菌やレンサ球菌を原因とする、細菌性の感染症です。接触によって病気がうつり、火事の飛び火のように素早く広がってしまうことから「とびひ」という俗称がつけられ、知られています。
大きく分けて、水ぶくれができる「水疱性膿痂疹」と、かさぶたができる「痂皮性膿痂疹」の2種類があります。水疱性膿痂疹は鼻・口・目の付近から症状が始まることが多く、全身に広がっていくことがよくあります。痂皮性膿痂疹は全身のどこにでも発症する可能性があります。

水疱性膿痂疹

黄色ブドウ球菌が原因菌です。皮膚に水ぶくれが急速にできたあと、次第に膿をもつようになり、最終的に破けて皮膚がただれたような状態になる疾患です。うずくような強いかゆみを伴うことがあり、患部をひっかくと破けると滲出液が出てくるので、それが付着した手で体の他の部位や他人に触れると感染させてしまいます。特に湿度が高く温暖な夏にかかりやすいです。

痂皮性膿痂疹

主に化膿レンサ球菌が原因菌ですが、黄色ブドウ球菌にも同時に感染していることがしばしばあります。赤く皮膚が腫れ、小さくて厚いかさぶたが多数出現します。強い炎症と疼痛を伴うことがよくあり、全身症状として発熱、リンパ節の腫脹、咽頭痛などを併発することがあります。小児よりも成人によく見られます。季節に関係なく感染は起こります。

アトピー性皮膚炎の人はとびひにかかりやすいので、注意が必要です。

とびひ(伝染性膿痂疹)の原因

湿度が高い、不衛生であるといった環境的な要因に加え、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌など体内に入り込んだ原因菌に対して体のバリア機能・免疫機能が十分に働かないと発症しやすくなります。

傷口やあせも、虫刺され、湿疹の患部などをひっかいたりしてしまうと、とびひの原因になることがあります。また、鼻の中や穴の近くには細菌が多く、鼻を触るくせがある子供は、その周りにとびひの病変が発症するケースがよく見られます。

とびひ(伝染性膿痂疹)の診断

とびひによく似た症状として、アトピー性皮膚炎、あせも、水ぼうそう、じんましん、接触皮膚炎、水いぼなどの疾病があります。正しく診断せずに自己判断で市販薬などを使ってしまうと、適切な治療ができずに重症化する恐れがあるため、ご相談ください。

医師は問診と視診によって診断を行います。他の皮膚疾患と区別がつきにくい場合は、はがれた表皮を採取して、培養検査で細菌の種類を確認する方法なども用いることがあります。また、必要に応じて血液検査を行い、炎症の程度やレンサ球菌に対する抗体の上昇があるかどうかを確認していきます。

とびひ(伝染性膿痂疹)の治療

治療には主に抗生剤の外用薬を使用します。

抗菌薬の内服薬もよく処方されることがあります。水ぶくれは小さなものであれば通常そのままにしますが、大きい場合はその内容液が周りにつかないよう気をつけながら排出させます。

まず、患部を石鹸と清潔な水で1日数回やさしく洗浄します。湯船につかるよりもシャワーのほうが清潔という面で良いでしょう。

水疱性膿痂疹に対しては、病変の起こっている範囲に対して抗生剤の軟膏を塗ります。全体をガーゼで覆い、1日1~2回取り替えます。また、病変が広範囲に広がっている患者の場合は、セフェム系などの経口抗菌薬を使うこともあります。

痂皮性膿痂疹の場合は、レンサ球菌が原因菌のことが多いので、ペニシリン系抗生物質などを使用します。

その他の治療

アトピー性皮膚炎あるいは乾皮症の人には、皮膚軟化剤またはコルチコステロイドの外用薬を処方して、皮膚のバリア機能を改善することを目指します。

とびひ(伝染性膿痂疹)の予防や注意事項

とびひにかからないための予防法として、まずは手や体をよく洗うこと、また、うがいや保湿のスキンケアなどをきちんとすることで、清潔と衛生を守りましょう。いつも爪も短く切っておくと良いですね。

また、体の免疫機能が低下していることで発症しやすくなるので、食生活や睡眠に気をつけて、健康的に過ごすようにしておくこともおすすめします。

黄色ブドウ球菌は、とびひ以外のさまざまな皮膚症の原因にもなります。特にバリア機能の弱い乳幼児は、毒素が血液に入り込むことによるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群にかかりやすく、感染した場合は入院治療を要します。普段から予防することが大切です。

とびひを発症したら、感染を防ぐために同居の家族などとはタオルや衣類を共有しないでください。

化膿レンサ球菌の重症感染症では、腎障害などの合併病を引き起こしていることがあるため、尿中たんぱくを確認することを推奨しています。処方された薬は指示通りに最後まで飲みきり、自己判断で中断しないでください。もしとびひの治療後に体調が回復しなければ、ご相談ください。

FacebookTwitterLine