多汗症の漢方薬20「防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)」

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防已黄耆湯とは

防已黄耆湯の画像

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の出典は金匱要略(きんきようりゃく)です。処方名の由来は主薬の防已と黄耆の名を取って処方名としました。防已黄耆湯は過剰な水を捌いて浮腫を改善させる生薬と、胃腸機能を整えて、水の代謝を正常に行えるようにする生薬が配合されています。比較的体力がなく、色白の方で疲れやすく、浮腫や水太りで汗が止まらないような多汗傾向のある方に使用できる処方になります。

オンライン診療対応可能

当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

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防已黄耆湯の特徴

防已黄耆湯は以下の生薬が含まれます。

  • 防已(ボウイ)
  • 黄耆(オウギ)
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 大棗(タイソウ)
  • 甘草(カンゾウ)

防已黄耆湯の効果について

防已黄耆湯は水太り体質の人で、全身倦怠感、多汗傾向のある方の各症状に使われる漢方薬です。

また、癰(よう)や癤(せつ)といった皮膚症状にも投与される場合もあります。防已黄耆湯は皮膚症状以外にも様々な疾患に使用されることがあり、異病同治という考え方があります。同じ薬でも様々な疾患に使用されるという意味です。また同病異治という言葉もあります。

これは同じ疾患でも患者さんによって違う薬が使用されるという意味です。例えば多汗症では防已黄耆湯(水太り体質で浮腫傾向があるような場合)や補中益気湯(疲れやすく汗がダラダラと出てしまう場合)が使用されます。患者さんの症状や体質によって使う漢方が異なるということです。

他にも次の疾患に効果が見込まれます。

  • 多汗症
  • 腎炎
  • ネフローゼ
  • 妊娠腎
  • 陰嚢水腫
  • 肥満症
  • 関節炎
  • 癰(よう)
  • 癤(せつ)
  • 筋炎
  • 浮腫
  • 皮膚病
  • 月経不順

(使用目標=証)
比較的体力が低下し色白で筋肉軟らかく、いわゆる水太り体質の人が、全身倦怠感、多汗傾向を訴える場合に用います。
1)浮腫、尿量減少、関節(とくに膝関節)の腫脹・疼痛などを伴う場合。

防已黄耆湯の使い方

成人の場合、1日合計7.5gを2~3回に分割して食前もしくは食間に、水またはぬるま湯と一緒に内服します。なお用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。また万が一飲み忘れてしまった場合は気がついた時点で内服して下さい。ただし次に飲む時間が近い場合は1回飛ばして次の分から再開しましょう。

防已黄耆湯の副作用

主な副作用として間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸の報告がございます。また、過敏症(発疹、発赤、掻痒)も報告がございます。
いつもの体調と違うような症状が出た場合は一度、服用を中止し、ご相談ください。

防已黄耆湯の患者さま負担・薬価について

医療用とされている防已黄耆湯としては「ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)」が有名です。1日薬価は72円で1包(2.5g)あたり24円です。1日3包で30日分処方された場合、3割負担の患者さまでは648円の薬剤費となります(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

防已黄耆湯はドラッグストアで売っていますか?

ドラッグストアでも販売されています。ただし医療用医薬品と一般用医薬品では用法用量が異なります。これは安全性をより高めるために服用量を調整しているためです。

防已黄耆湯は効果が出るまでどれくらいかかりますか?

防已黄耆湯の効果発現時間につきまして個人差はあり、症例の報告でご参考ですが4週で多汗症状が消失したとの報告がございました。

防已黄耆湯と防風通聖散はどちらのほうが肥満症に効果がありますか?また違いを教えてください。

どちらも肥満症の適応はありますが、対象となる患者さまが異なるため使い分ける必要があり、効果は体質によって異なります。防已黄耆湯は多汗症にも効能効果があり、色白で水太り体質、浮腫みやすい方の肥満症にお役立ていただけます。
一方、防風通聖散は皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症にお役立ていただけます。

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防已黄耆湯を処方してもらうにはどうしたら良いですか?

防已黄耆湯を処方するには診察が必要です。当院では初診からのオンライン診療にも対応しておりますのでよろしければご利用ください。

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ほかにどんな漢方薬がありますか?

漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。