ほてりを抑える漢方薬34「白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)」

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白虎加人参湯とは?

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白虎加人参湯は、体のほてりやのどの渇きをやわらげる「白虎湯(ビャッコトウ)」に、全身の「気」を補う「人参」を加えた処方です。その歴史は古く、中国の漢の時代の医学書「傷寒論(しょうかんろん)」にも記録が残っています。「白虎」の名は、処方の中心である「石膏」の色が白いことに由来するといわれています。

 

オンライン診療対応可能

当院では、初診からオンライン診療にて漢方薬の処方を行っております。通院なしで薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

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白虎加人参湯の特徴

白虎加人参湯には、以下の5種類の生薬が含まれています。

  • 石膏(セッコウ)
  • 知母(チモ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 粳米(コウベイ)
  • 人参(ニンジン)

これらのほか、添加物として日局ステアリン酸マグネシウム、日局結晶セルロース、日局乳糖水和物、含水二酸化ケイ素も含有しています。
※上記は、「クラシエ白虎加人参湯エキス細粒」に配合される生薬および添加物です。成分は、販売会社によって多少異なります。

主薬である石膏には、熱や炎症を強く抑える作用があります。同様に、知母と粳米にも体の熱を抑える作用があります。これらに、症状を緩和させる働きのある甘草、補気薬である人参を加え、より良い効果が発揮されるように工夫されています。

白虎加人参湯の効能効果

白虎加人参湯は、比較的体力がある人向きの薬です。添付文書上の効能効果は「のどの渇きとほてりのあるもの」とされていますが、体に熱がこもることで生じる湿疹や皮膚炎、皮膚のかゆみなどにも幅広く用いられます。また、糖尿病でのどの渇きが見られる場合や、シェーグレン症候群の口渇などにも使われることがあります。
皮膚科ではアトピー性皮膚炎の増悪時で体に熱がこもっているような場合などに、症状の鎮静化をねらって処方することもあります。

白虎加人参湯の使い方

成人の場合、1日量を2~3回に分け、食前あるいは食間に、水またはぬるま湯で内服します。ただし、服用量は年齢・体重・症状により適宜増減します。
飲み忘れた場合は、気が付いた時点で服用してください。次の服用時間が近い場合は1回飛ばし、次の回から服用すれば大丈夫です。
なお、白虎加人参湯は1日量が製品により異なります。処方されることが多い「クラシエ白虎加人参湯エキス細粒」は1日量が6.0g、「ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)」は1日量が9.0gです。

白虎加人参湯を服用する上での注意点

重大な副作用として、偽アルドステロン症が生じるおそれがあります。偽アルドステロン症の初期症状は、だるさ・血圧上昇・むくみ・体重の増加・手足のしびれや痛み・筋肉のけいれんや震え・脱力感などです。このような症状があらわれた場合には、すみやかに受診して診察・治療を受けてください。
その他の副作用としては、発疹・そう痒・蕁麻疹などの過敏症状、肝機能異常、口中不快感、食欲不振、胃部不快感、軟便、下痢などが報告されています。これらの不快な症状があらわれた場合も、すみやかに受診して診察を受けてください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

甘草(カンゾウ)を含む製剤やグリチルリチンを含む製剤と併用する際には、体調変化に特に注意してください。白虎加人参湯とこれらを含む製剤を併用すると、重大な副作用である偽アルドステロン症が発生するおそれがあります。これは、甘草の過剰摂取が原因と考えられています。
長期間併用していて特に問題がなくても、少しずつ副作用があらわれることもありますので、服用を続けている間は体調変化にご注意ください。
なお、甘草やグリチルリチンは、漢方薬だけではなく市販の風邪薬やトローチ、鼻炎薬などにも含まれています。併用に不安がある場合は、使用前にご相談ください。

特定の患者さまの使用に関して

妊娠中の方、ご高齢の方への使用に関して

妊婦あるいは妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与を考慮します。
ご高齢の方については、副作用の発生を防ぐために投与量を減量することがあります。ただし、ご高齢の方は一般的に生理機能が低下しています。そのため、服用量・期間などに関係なく、白虎加人参湯服用中に体調変化が生じたら、できるだけすみやかにお知らせください。

白虎加人参湯の患者負担・薬価について

医療用の白虎加人参湯としては、「クラシエ白虎加人参湯エキス細粒」や「ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)」がよく用いられます。散剤が苦手という方には、錠剤タイプの「クラシエ白虎加人参湯エキス錠」の処方を考慮することもあります。各薬剤の1日あたりの薬価は、以下のようになります。

製品名 1日あたりの薬価
クラシエ白虎加人参湯エキス細粒 153.6円
ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用) 160.2円
クラシエ白虎加人参湯エキス錠 148.8円

なお、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額になります。例えば、3割負担の患者さまが「クラシエ白虎加人参湯エキス細粒」を30日分処方された場合、ご負担金額は1382.4円です(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

白虎加人参湯はドラッグストアなどで購入できますか?

ドラッグストアでも販売されています。ただし医療用医薬品と一般用医薬品では用法用量が異なります。これは安全性をより高めるために服用量を調整しているためです。

ほかの漢方薬と併用してもいいですか?

ほかの漢方薬と併用する場合は、成分の重複に注意してください。特に、甘草の過剰摂取は重大な副作用である偽アルドステロン症をまねきやすくなります。また、ほかの成分も摂取量が多くなり過ぎると、気分が悪くなったりお腹の調子が悪くなったりすることがあるため、自己判断で併用するのはおすすめできません。
併用したい漢方薬や市販薬、健康食品などがある場合は、事前にご相談ください。

食前・食間の違いは何ですか?

食前とは、食事を摂る30分~1時間ほど前のことです。食間とは、食後2時間ほど経ったあとのことです。いずれも「空腹時」という点ではそれほど変わりないため、あまり厳密に考える必要はありません。
「朝は忙しくて飲み忘れてしまう」「夜は食事の時間が不安定で、なかなか薬が飲めない」という方もいらっしゃいますが、そのような場合は、朝の分を起床時、夜の分を寝る前に服用しても構いません。ご自身にとって都合の良い服用タイミングを決めておき、できるだけ継続して服用するようにしましょう。

メーカーによって1日量が違うようですが、量が多いほうが良く効くのですか?

たしかに「クラシエ白虎加人参湯エキス細粒」は1日量が6.0g、「ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒(医療用)」は1日量が9.0gですが、使用している生薬量は両者で違いはありません。1日量が異なるのは、エキス剤の製法や添加物の違いによるものです。作用の強さとは関係ありませんので、ご安心ください。
なお、一般的な話になりますが、薬の強さと服用量は必ずしも相関しません。服用量がごくわずかでも劇的な作用を示すものもありますし、服用量が多くても作用が非常にマイルドなものもあります。服用量につきましては、患者様の年齢や体質なども考慮して処方いたしますので、疑問点などがある場合はお気軽にお問い合わせください。

知り合いが白虎加人参湯を服用していてとても調子が良いようなので、処方してもらいたいのですが、お願いできますか?

白虎加人参湯は、比較的体力があり、のどの渇きやほてりがある方には効き目があらわれやすいですが、胃腸の弱い方や著しく体力の衰えている方には向かない処方です。体質的に合わない方が白虎加人参湯を服用すると、十分な効果が期待できないばかりではなく、副作用の発現リスクが高くなります。そのため、ご希望があっても処方できない場合がありますので、ご了承ください。

ほかにどんな漢方薬がありますか?

漢方薬には多くの種類があり、国内で医療用として承認されたものは148処方あります。詳細はこちらのページをご覧ください。

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