- タリオンと同じ成分の市販薬はありますか?使うときの注意点はありますか?
- タリオンを飲み忘れてしまいました。処方時の用法が「食後」となっているので、何か軽く食べてから服用するべきでしょうか。
- 他のアレルギーの薬と一緒に飲んでもいいですか?
- 季節性のアレルギー症状が出る前に、タリオンを飲み始めるように言われました。なぜですか?
目次
タリオン(一般名:ベポタスチンベシル酸塩)は、ヒスタミンH1受容体拮抗作用とインターロイキン-5産生抑制作用をあわせ持つ薬剤で、鼻症状や皮膚のかゆみなどの改善に用いられます。
タリオンは、ヒスタミン受容体選択性が高く、抗コリン作用があらわれにくい第二世代の抗ヒスタミン薬です。そのため、従来の抗ヒスタミン薬と比べて、口渇や排尿障害などの副作用はそれほど多くありません。
なお、「タリオン」という名称は、ギリシア神話の美の三女神のうちの一人「Thalia:花(=鼻)の盛り」に由来します。
当院では、初診からオンライン診療にてアレルギーの治療薬の処方を行っております。通院なしで症状に合った薬剤をお送りすることが可能です(送料無料)。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご利用ください。
タリオンは、アレルギー性鼻炎・蕁麻疹・皮膚疾患にともなうそう痒に適応があります。
対象年齢は7歳以上です。
小児と成人の用法用量は以下のとおりです(下表)。
7歳未満の小児 | 使用できない |
---|---|
7歳以上の小児 | 1回10mg・1日2回 |
成人 | 1回10mg・1日2回 年齢・症状により適宜増減する。 |
なお、タリオンは食事の影響を受けないため、服用は食後でなくても大丈夫です。
タリオンは効果発現までの時間が短く、臨床試験では30分~1時間程度で効果があらわれたと報告されています。
作用持続時間は中程度で、通常は1日2回の服用で1日中効果が持続します。
タリオンは第二世代の抗ヒスタミン薬で、眠気の副作用の発生頻度は0.1~5%未満とされています。しかし、眠気の副作用が発生するかどうかは事前に予測できません。また、普段眠気の副作用があらわれない人でも、体調がすぐれないときには眠気を感じやすくなります。
したがって、タリオン服用中は自動車の運転や高所での作業など、危険をともなう動作・作業は避けてください。
タリオンには、普通錠とOD錠(口腔内崩壊錠)があります。
普通錠は、水や白湯で服用してください。
なお、普通錠は苦味をおさえるために表面を特殊なフィルムでコーティングしています。口の中に長くとどめるとフィルムが溶けて苦味を感じるおそれがあるため、ご注意ください。
OD錠は、口の中ですばやく溶ける錠剤です。唾液のみで錠剤が崩壊するため、水なしでも服用できます。もっとも、口腔粘膜からはほとんど吸収されないため、錠剤を溶かしたあとの唾液はそのまま飲み込んでください。
なお、寝たままの状態でOD錠を服用する際は、必ず水と一緒に服用してください。体を起こさずに水なしでOD錠を服用すると、誤嚥を起こすリスクが高くなります。
タリオンの成分に過敏症の既往歴がある方は、タリオンを服用できません。
また、タリオンのおもな副作用としては、眠気やだるさ、頭痛、めまい、口渇、悪心、胃痛、胃部不快感、蕁麻疹などがあります。その他、血液の異常(白血球数増加、白血球数減少、好酸球増多)、肝臓の検査値異常、尿検査の異常などがあらわれることもあります。
これらの副作用の発生頻度は決して高くありませんが、万が一気になる体調変化があらわれた場合は放置せず、早めに受診してください。
添付文書上、タリオンとの併用が禁忌とされている薬剤はありません。症状によっては、他のアレルギー治療薬と併用する場合もあります。
ただし、他剤との併用で眠気などの副作用がより強くあらわれる可能性は否定できません。
予期せぬ副作用を防ぐためにも、他院で薬を処方されている場合・健康食品やサプリメントを使用している場合・市販薬を併用している場合などは、診察時にご相談ください。
タリオンは体内に吸収されたあと、ほとんど代謝されることなく腎臓を介して尿中に排泄されます。そのため、腎機能障害があると血中濃度が高くなり、効果がより強くあらわれたり副作用の発生リスクが高くなったりするおそれがあります。
このようなことから、腎機能障害がある方にタリオンを処方する場合は、低用量からスタートする・服用回数を減らすなどして用法用量をコントロールし、症状によっては減量・休薬を検討することもあります。
タリオンの妊娠中の投与に対する安全性は確立していません。また、動物を対象とした試験で、胎児への移行が確認されています。そのため、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方には投与しないことが望ましいとされています。ただし、治療上の有益性が危険性を上まわる場合は投与を検討することもあります。
さらに、タリオンは動物を対象とした試験で乳汁中への移行が認められています。したがって、授乳中の方には投与しないことが望ましく、やむを得ず使用する場合は授乳を避ける必要があるとされています。
タリオンは、低出生体重児・新生児・乳児・幼児を対象とした臨床試験を実施しておらず、安全性も確立されていません。使用できるのは7歳以上の小児ですので、ご承知ください。
ご家庭では、7歳未満のお子さまがあやまってタリオン錠を口にしてしまうことがないように気を付けてください。
ご高齢の方は一般的に生理機能が低下しているため、タリオンを服用すると高い血中濃度が続くおそれがあります。したがって、ご高齢の方に処方する場合は、症状や合併症の有無なども考慮して用量用法を加減します。
タリオンの薬価は以下のとおりです。
剤型 | 薬価 |
---|---|
タリオン錠5mg | 25.8円/錠 |
タリオン錠10mg | 30.5円/錠 |
タリオンOD錠5mg | 25.8円/錠 |
タリオンOD錠10mg | 30.5円/錠 |
患者さまのご負担額は、保険負担割合によって変わります。
例えば、3割負担の患者さまがタリオン錠10mgを1日2回30日間処方された場合、ご負担金額は549.0円です(薬剤費のみの計算です)。
ジェネリック薬を使用する場合は、さらに薬剤費をおさえられます。