接触皮膚炎(かぶれ)

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接触皮膚炎(かぶれ)とは?

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接触皮膚炎は皮膚に本人にとって刺激となるものが皮膚に接触することで炎症がおき湿疹ができることをいいます。
ヒリヒリした感じや痒みもあります。

接触皮膚炎の原因

接触性皮膚炎のタイプは刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、光接触皮膚炎それから全身性接触皮膚炎の4タイプにわけられます。

①刺激性接触皮膚炎

刺激物質が皮膚バリアの弱い部分から侵入することで炎症がおきることをいいます。正常な皮膚では刺激となるものがバリアとなる皮膚角層を通過することはないと考えられていますが、生活様式の変化から角層がこわれてしまうケースも多く、刺激性接触皮膚炎は起きやすくなっています。

画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

②アレルギー性接触皮膚炎

刺激性接触皮膚炎よりも少しのアレルゲンがふれることで接触皮膚炎がおきます。アレルギーがでるようになるとアレルゲンに少しでも触れるとアレルギーの症状としてアレルギー性接触皮膚炎がおきるようになるのです。

画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

③光接触皮膚炎

光に対するアレルギーで接触皮膚炎が起こる場合がほとんどです。皮膚に接触皮膚炎をひかる物質が触れていて光があたらない状態では異常がでないのに、紫外線(UVA)にあたると接触皮膚炎と同じ症状を引き起こします。光にあたることによりアレルギー性接触皮膚炎を引き起こすためとかんがえられています。

④全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群

なんども接触皮膚炎を繰り返すことにより接触したところだけでなく広い範囲で湿疹がおきることをいいます。全身のアレルギー症状喘息や鼻炎、腹痛などの症状、ひどい場合にはアナフィラキシーショックにいたることもあります。

口の周りの接触皮膚炎

口の周りにできるかぶれの原因としては、食品アレルギー、服用中の薬の影響、肌に合わない化粧品や歯磨き粉、紫外線によって皮膚がダメージを受けたことなどがよく挙げられます。食品アレルギーではたとえば柑橘類、パパイヤ、桃、マンゴー、玉ねぎ、にんにく、蕎麦、大根、こんにゃく、ほうれんそう、ナッツ類など、かぶれの原因になる可能性があるものは多数あります。アレルギー性の皮膚炎の場合は、原因物質を特定できる場合は、その物質からできるだけ遠ざかることが有効な予防策です。
また、薬や日常的に使っている化粧品などの刺激や作用が強いため、皮膚のバリア機能が低下し、それらに含まれる成分が肌に触れることで接触皮膚炎を引き起こすということもあります。化粧品は低刺激性のものを使うようにし、日焼け止めを塗って肌を守ることをおすすめします。たまに口唇周囲に使っている薬によってかぶれを起こすことがありますのでご相談ください。

接触皮膚炎の診断

どの年代でも接触皮膚炎になりますが、20~30代と50~75歳代に多いという調査結果もあります。アレルギー性接触皮膚炎の原因となるものとして、化粧品・薬用化粧品(染毛剤、シャンプー、化粧下地、化粧水)が54%といちばん多く、医薬品25%、ジュエリー・アクセサリー9%と続きます。
参照:接触皮膚炎診療ガイドライン 2020

接触皮膚炎の原因を調べるためには問診、そしてパッチテストが重要になります。そのうえで、疑わしい薬品、物質を含めてパッチテストがおこなわれます。光接触皮膚炎を疑う場合には光パッチテスト、そうでない場合には通常のパッチテストをおこないます。
また、パッチテストの際には、かぶれの原因と考えられるものを持参いただき、その物質と一般的にアレルギーが多いといわれている複数種類の物質で同時にパッチテストをおこないます。保険でできるアレルギー検査は項目が限られているためパッチテストで陰性だったとしても接触皮膚炎がないわけではないので注意してください。また、妊娠中の方のパッチテストは推奨されていません。

パッチテストは上背部、または上腕の外側に48時間貼り付けたままにします。そして、48時間後に剥がし、15分~30分後に判定をおこなうのです。さらに、試薬を貼ってから72時間後、96時間後、そして1週間後に判定をおこなうことが推奨されています。
※当院の金属パッチテスト実施状況に関しましては、お問い合わせフォームからご連絡ください。

接触皮膚炎の治療

接触皮膚炎の治療の基本は原因として可能性が高いものを回避することです。そのうえで、ステロイドの外用薬、痒みが強い場合には抗アレルギー薬をつかい、さらに症状がひどい場合にはステロイド内服薬を使うこともあります。そして多くは2週間以内には症状が軽快していきます。

» ステロイド外用薬の詳細はこちら

» 抗アレルギー薬の詳細はこちら

その他の治療

症状がよくならず、原因も特定されないことから回避もできない場合に重症で経過することもあります。その場合には、ステロイドを定期的に内服することもあります。
職場で使っているものが接触皮膚炎の原因になっている場合を職業性接触皮膚炎といい、原因が回避できない場合には配置転換もやむを得ないかもしれません。

接触皮膚炎の予防や注意事項

皮膚のバリア機能の衰えが接触皮膚炎をひきおこす一因になります。日頃から保湿クリームを使うことで皮膚を守ることにつながります。また、手袋をつかうことで接触を防ぐことができます。しかし、ゴム手袋を長時間つけることはバリア機能を壊してしまうことにつながるため薄手のコットン手袋をゴム手袋の下につけることでバリア機能がこわれるのを予防します。
日々の保湿に合わせ、生活のシーンに合わせて手袋を使いわけることで接触皮膚炎を防ぐようにしてください。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。