ステロイド外用薬一覧

  日祝
9:00~13:00 - -
15:30~18:30 - - -

☆休診日: 水曜、日曜、祝日
予約なしでも受診可能です

  • 巣鴨千石皮ふ科 ネット予約
  • ネット予約の手順
  • キーワード(症状、薬品名、治療、医院について等)をご入力ください。

FacebookTwitterLine

※クリックで読みたい箇所へ移動します。

ステロイドとは?

ステロイドはホルモンの一種で、人のからだの中、副腎という臓器で作られています。このステロイドホルモンを投与すると炎症を抑える作用があることから、いろいろな病気の治療で使われています。なおステロイド薬はさまざまな剤形があり、皮膚科ではステロイドの外用薬が多く使われます。

ステロイド外用薬の効果

ステロイド外用薬を使うことで得られる重要な効果は「抗炎症作用」です。アトピー性皮膚炎をはじめとした皮膚炎、湿疹など皮膚の赤みや痒みなどは皮膚が炎症を起こしているため起こる症状といえます。皮膚科では部位や炎症の程度でステロイド外用薬を使い分けながら、さまざまな皮膚の疾患に対応することが可能となるのです。

ステロイド外用薬の種類

ステロイド外用薬にはさまざまな種類があります。効果の強さにより分類されており、1番効果の弱い種類からweak、medium、strong、very strong、strongestの5段階です。
市販でもステロイドの外用薬は売っていますが、weak、medium、strongの弱い方から3ランクのものに限られます。

strongest
(最も強い)
デルモベート
ダイアコート
クロベタゾールプロピオン酸エステル
ジフロラゾン酢酸エステル
very strong
(とても強い)
フルメタ
アンテベート
トプシム
リンデロンDP
マイザー
ビスダーム
ネリゾナ・テクスメテン
モメタゾンフランカルボン酸エステル
酪酸プロピオン酸ベタメタゾン
フルオシノニド
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
ジフルプレドナート
アムシノニド
吉草酸ジフルコルトロン
strong
(強い)
エクラー
メサデルム
ボアラ
リンデロンV・ベトネベート
フルコート
デプロドンプロピオン酸エステル
デキサメタゾンプロピオン酸エステル
デキサメタゾン吉草酸エステル
ベタメタゾン吉草酸エステル
フルオシノロンアセトニド
medium
(普通)
リドメックス
レダコート
アルメタ
キンダベート
ロコイド
グリメサゾン
吉草酸酢酸プレドニゾロン
トリアムシノロンアセトニド
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル
クロベタゾン酪酸エステル
ヒドロコルチゾン酪酸エステル
デキサメタゾン
weak
(弱い)
プレドニゾロン プレドニゾロン

ステロイド外用薬の塗り方

ステロイド外用薬を使用するにあたり、適切な使い方をしなければ効果は不十分になってしまいます。

外用薬の塗り方を説明するときに1FTU(ワンフィンガーチップユニット)という言葉があります。指の関節一つ分の軟膏を手のひら2枚分の範囲に塗るという方法です。約0.5gの量、ローションだと1円玉くらい量にあたります。実際に塗ってみるとべとつく感じになる量が適切な塗り方です。

副作用を心配することで少しの量を薄くしか塗らないケースがありますが、治療効果が得られず症状が長引いてしまうため外用薬を使う際にはしっかり使うことを心がけてください。

外用薬の剤形と使い分け

皮膚の外用薬にはいくつかの剤形があります。軟膏、クリーム、ローション、ゲル、スプレー、テープ、シャンプーといった剤形があり、それぞれ症状や部位により使いやすさがかわってきます。

軟膏はどのような皮膚の状態でも使いやすく汎用性がある剤形です。べたつく感じがありますが、皮膚を保護する作用もあるのが特徴です。

クリームは、のびがよく浸透性も高いのですが、軟膏よりも刺激性もあり、カサカサした病変により適しています。

ローションはサラサラなので流れやすいのがデメリットですが、その分、頭髪部などに適した剤形といえます。ゲルは皮膚の浸透性が弱くベタつきがなく使うことができます。スプレーは手が届かない背中などに使いやすいです。

テープは貼付剤といい貼り付けて使います。手の指のひび割れや虫刺されなどに使いやすいです。

» ドレニゾンテープの詳細はこちら

シャンプーは頭皮全体に塗りやすく一定時間をおいて洗い流すので副作用が出にくいです。

» コムクロシャンプーの詳細はこちら

ステロイド外用薬の部位による効き方の違い

ステロイドは体の部位によって吸収率が異なることが知られています。ただ吸収しやすいところに強いステロイドを使い続けると副作用が出やすくなることもあり、外用薬を使う場所によってステロイドを使い分けているのです。

腕にステロイドを使ったときの吸収率を1とすると、いちばん吸収しやすいのが陰嚢で42倍、頬は13倍となっています。その他にも皮膚バリアが弱くなっている場合や高齢者、子どもでも皮膚吸収しやすい部分にステロイドの外用をする場合にはステロイド外用薬のランクを下げていく、非ステロイド外用薬を使うことを検討します。

イメージ
画像提供:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局

ステロイド外用薬を使ってはいけない病気

ステロイドは免疫力を低下させてしまいます。そのため、皮膚の病変が細菌や真菌などに感染していることがわかっている場合にステロイド外用薬を使うことは禁止されています。

そのほか、鼓膜が破れている湿疹性外耳道炎と診断されている場合には、治りが悪くなることや、感染してしまう恐れがあるためステロイドの使用は禁止されています。また皮膚のただれ(潰瘍)や火傷、凍傷でも使用は禁忌となっているのでご注意ください。

ステロイド外用薬の副作用

ステロイドというと、副作用に糖尿病や胃潰瘍、満月様顔貌(ムーンフェイス)、肥満といった全身の病気や容姿に関係するものなど思い浮かべるかもしれません。また、免疫力の低下や、全身の感染症にかかりやすくなるのもステロイドの副作用に挙げられます。

しかし、「こわい」と思われることの多いステロイドの副作用はステロイド薬の内服や注射などを長期に行った場合に起こるもので、ステロイド外用薬では考えにくいものです。

ステロイド外用薬では全身の副作用ではなく皮膚の外用した場所に副作用がでる局所的副作用がでる可能性があります。具体的には以下のようなものです。

ステロイド外用薬による局所的副作用

  • ステロイドを塗ることでにきびが増えてしまう「ステロイドざ瘡(そう)」
  • 皮膚の毛細血管が太くなることで皮膚が紅く見える「ステロイド潮紅」
  • 皮膚が薄くなってしまう「皮膚萎縮」
  • 毛が太く増えたようになる「多毛」
  • 細菌や真菌などが皮膚に感染する「皮膚感染症」

これらがステロイドの局所的副作用として挙げられます。しかし、ステロイド外用を3ヵ月以上使用しても体の中でステロイドをつくる副腎の機能に影響はないと言われています。副作用なく治療効果をあげるには、ご相談ください。
 

FacebookTwitterLine