自宅でのムダ毛処理による肌トラブルとは?医療脱毛との違い

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ムダ毛の自己処理を行っていて、肌を痛めてしまった、かぶれが生じたといったさまざまなトラブルに見舞われているという声が寄せられています。肌に負担のかかりやすい処理方法を続けていると、今後さらに肌荒れがひどくなったり症状が悪化したりすることがあります。そうしたお悩みを持っている方におすすめしているのが医療レーザー脱毛です。
今回は、ムダ毛の自己処理で起きやすいトラブルの内容や部位、また医療レーザー脱毛とそれ以外の脱毛方法の違いについて解説します。

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脱毛の自己処理による肌トラブル

ムダ毛の処理後に肌が赤くなったりヒリついたりした経験がある方は多いのではないでしょうか。ムダ毛の自己処理の仕方には複数の方法がありますが、肌に負担をかけてしまうことがあります。

カミソリ負け

カミソリ負けとは、カミソリを使ってムダ毛処理を行った際に、肌が出血する・乾燥する・赤みやかゆみが生じる・赤いブツブツや湿疹ができるといった状態になることを指します。特に敏感肌の方や乾燥肌の方に多い傾向にありますが、自己処理のやり方によっては誰にでも起こり得る症状です。例えば男性の方で、ひげ剃り後にニキビが繰り返しできるという場合はカミソリ負けを起こしています。

刃物を直接肌に当てる処理方法のため、力を入れて剃ってしまうと、肌を傷つけたり角質をとりすぎてしまったりしてカミソリ負けが起こります。また、カミソリの刃が清潔でないと、毛穴や傷口から細菌が入り込むリスクがあります。お風呂場で自己処理を行う方は多いと思いますが、湿度・温度の高い場所にカミソリを置きっぱなしにしていると、雑菌が繁殖しやすいので注意が必要です。

カミソリで処理を行う際は、シェービング用のクリームなどを使います。肌と刃の間のクッションとなるので、肌への負担を軽減できます。力を入れて剃ろうとはせずに、やさしく撫でるように剃りましょう。また、カミソリは濡れた場所に放置せず、定期的に取り替えて清潔を保ってください。

除毛クリームによるかぶれ

除毛クリームは肌に塗ってしばらく置いておき、洗い流すだけでムダ毛処理ができる製品です。人間の体毛はたんぱく質を多く含むケラチンという物質で作られており、除毛クリームに含まれる「チオグリコール酸カルシウム」という成分が、このたんぱく質を分解するのです。除毛効果を高めるために、除毛クリームを塗ってから洗い流すまでの時間は製品に記載されている通りに守りましょう。

ただし、除毛クリームに含まれる有効成分が肌に合わないと、塗った後にヒリヒリした痛みが出たり、炎症・かぶれが生じたりすることがあります。顔やデリケートゾーン(VIO)など皮膚の薄い部位は特に刺激を受けやすいので、使用を避けましょう。

初めて使う除毛クリームは、まずはパッチテストを行うことをおすすめします。少量のクリームを除毛したい部位の狭い範囲に塗り、規定の時間置いてから洗い流します。24から48時間後、肌に赤みやかゆみが出ていないかチェックしましょう。

除毛クリームは使用頻度が高すぎると肌へ負担がかかります。毛穴から出ている毛を一気に分解し取り除けますが、毛の成長サイクルにしたがってまた生えてくるので、気になるからと頻繁に除毛クリームを使うとくすみや色素沈着に繋がることがあります。

このほか、擦り傷や切り傷、ヤケドなどがある箇所にも刺激が強すぎるため塗布してはいけません。

ワックス脱毛による肌荒れ

ワックス脱毛とは、パラフィンや蜜蝋といったワックスを温めて皮膚に塗布し、冷えて固まったあとにはがして脱毛するもので、手軽に肌をツルツルにできることで人気です。また、産毛の処理にも効果があります。

しかしワックス脱毛は、多くのムダ毛を一度に引き抜くため強い痛みを伴い、また皮膚の薄い部位や敏感肌では赤みが出る、ヒリヒリするといったデメリットもあります。毛穴にダメージがあると新しく毛が生えてきても埋没毛(皮膚の下に毛が埋まる)になる恐れがあります。

ワックスの材料が肌に合うか合わないかも注意が必要です。松ヤニを使用している油性ワックスは、アレルギーの方は避けると良いでしょう。

毛包炎・ニキビの悪化

上記いずれの方法でも、表皮や毛穴へのダメージは無視できません。刺激の強い自己処理を繰り返したり、清潔ではない道具を使って処理したりすることによって肌のバリア機能が低下すると、毛穴から雑菌が入り込んで毛包炎・ニキビを引き起こす原因になります。

毛包炎ができやすい部位は、額、背中、わき、膝、太もも、ふくらはぎ、VIOなどです。皮脂の分泌量が多いところや、毛が濃くなっていてむれやすく雑菌が繁殖しやすい部位にできることが多いです。

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肌トラブルの多い部位

続いて、脱毛の自己処理によって肌トラブルが多い部位についてご説明します。

当院で脱毛による肌トラブルのご相談が多いのはデリケートゾーン(VIO)です。VIOは皮膚が薄く、またIライン・Oラインは粘膜に近く傷つきやすいなどのリスクがあります。除毛クリームなど刺激の強い道具を使うのは控えるべきでしょう。また、目視確認がしづらい箇所なので、カミソリやワックス脱毛を使うと肌を傷つけて出血してしまうリスクも高いです。

顔も肌トラブルの多い部位になります。顔の皮膚は体の他の部位よりも薄く、敏感であることが多いです。カミソリの刃を立てて剃ったり、専用のシェービングクリームなどを使わずに行ったりすると、毛だけでなく肌の角質を削ってしまい、バリア機能低下の原因になります。顔もワックス脱毛や除毛クリームの使用は避けた方がよいでしょう。

このほか、わきやふくらはぎ、背中、お腹、太もも、二の腕も赤いポツポツができるなどの悩みが出やすい箇所です。

どこの部位であっても、脱毛処理を行ったあとは乾燥肌になりやすいので必ず保湿するようにしてください。

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肌トラブルにお悩みの方には医療脱毛がおすすめ

脱毛の自己処理による肌荒れが心配な方には医療レーザー脱毛がおすすめです。医療レーザー脱毛は皮膚科クリニックなどの医療機関だけで行われる施術で、医師の監督下で施術するため安全性が高いです。万が一肌トラブルが生じた場合でも、診察や治療のアフターサポートがすぐに受けられる点も充実しています。

なぜ医療レーザー脱毛が肌にとって安全か

医療レーザー脱毛は、医療用のレーザーを照射することで毛を生やす組織にダメージを与え、今ある毛を抜けさせると同時に新しい毛が生えてこないようにする効果をもたらします。毛を生やす組織は破壊されると毛が生えにくくなるため、長期的な効果が期待できます。

レーザーが毛に含まれる黒色の色素(メラニン)だけに反応し、毛穴の奥にある毛母細胞あるいはバルジ領域に働きかけて脱毛を行うという仕組みになっているため、皮膚の表面にはほとんど影響がありません。また、多くの医療レーザー脱毛器には冷却機能が搭載されており、レーザーを照射したあとにすばやく熱を冷やすことができるので炎症や肌荒れを最低限に抑えることができます。

施術の部位や、病院やクリニックによって推奨している通院の頻度は異なりますが、一般的には2~3カ月に一度照射するペースで、5~10回ほど行うことでツルツルの肌が手に入ります。

医療レーザー脱毛は施術前に、医師がカウンセリングと診察を行います。相談者の方ひとりひとりの肌質や毛質を見極め、適切な強度でレーザーを照射することでやけどや痛みなどのトラブルも少なく安全に行えます。

エステでの光脱毛との違い

エステサロンは医療機関ではないため、医療レーザー脱毛を扱うことができません。エステサロンでは主に光脱毛という、出力パワーがやや低めの機械を使用しています。

自己処理と比べて安全性は高いのですが、出力パワーが弱いため、医療レーザー脱毛よりも多く通院して施術を受ける必要があります。また、毛根にダメージを与える脱毛が行えないので、脱毛効果はしばらく持続しますが毛周期にしたがってまた生えてきます。

このほか、万が一脱毛後に肌トラブルが生じた場合でも、エステサロンでは対応できないなどの注意点があります。

医療脱毛は蓄熱式レーザーがおすすめ

医療脱毛の脱毛方式は「熱破壊式」と「蓄熱式」とに分けられます。

熱破壊式はいわゆる従来式のレーザー脱毛で、毛の黒色(メラニン色素)に反応・吸収されるレーザーを照射する方法。毛の根元にある毛母細胞と毛乳頭など、発毛組織をターゲットにして熱ダメージを与えます。強いパワーがあるため効果が高いのですが、痛みを感じやすく、また日焼けや色素沈着を起こしている肌には使えないというデメリットがあります。

一方で蓄熱式はより表皮側にあるバルジ領域と呼ばれる「発毛を司令する」組織に働きかけるレーザーです。弱めの出力パワーを何度も照射することで熱を蓄熱させる方法で、痛みや肌へのダメージは熱破壊式よりも軽度で済むところが特徴です。また、脱毛機器のヘッド部分が大きく、一度に広範囲を脱毛することができるため1回あたりの施術が短時間で終わります。

また、蓄熱式レーザーは色素のうすい産毛や顔・背中の毛、日焼け肌・地黒の肌やアトピー、色素沈着をおこしている箇所でも高い脱毛効果を実感することができたり、硬毛化のリスクが低かったりというメリットもあります。

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まとめ
  • 脱毛の自己処理にはさまざまな方法があるが、肌トラブルの原因になりやすい
  • カミソリの使用方法が間違っていてカミソリ負けを起こしている人が多い
  • 除毛クリームはかぶれや色素沈着の原因になりやすい
  • ワックス脱毛にも肌に合う・合わないがあるので成分に注意
  • 刺激の強い自己処理によってニキビや乾燥肌、湿疹などを起こす
  • デリケートゾーン(VIO)や顔は皮膚が薄いため要注意
  • 医療レーザー脱毛は肌にやさしく安全な脱毛方法
  • 蓄熱式レーザーは痛みが少なく、さまざまな毛質・肌質に対応できる
  • 医師の診察・カウンセリング・アフターフォローを受けられる
  • カミソリや除毛クリームで肌トラブルが起きている場合は皮膚科に相談を
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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。