ニキビ・酒さ治療薬「アゼライン酸」

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アゼライン酸とは?

アゼライン酸の写真

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀類に含まれる成分です。
皮脂の分泌抑制作用や角化の抑制作用、抗菌活性や抗炎症作用など幅広い作用を有することから、面皰にも炎症性皮疹にも効果が期待できます。
海外では、30年以上前からアゼライン酸を20%あるいは15%配合した外用薬が医薬品として承認されており、尋常性ざ瘡(にきび)や酒さの治療に用いられています。
国内では、効果の高い20%のアゼライン酸はロート製薬のみが商品化しています。

オンライン診療対応

ニキビ・酒さでお困りの方は、アゼライン酸が選択肢になります。
当院では初診からオンライン診療に対応しております。ご来院いただかなくとも診療ができ、薬剤をお送りすることも可能です。アプリのインストールは不要で、システム利用料も徴収しておりません。よろしければご活用ください。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

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アゼライン酸の期待される効果および使用上のメリット

期待される効果および使用方法

アゼライン酸は、おもに酒さ尋常性ざ瘡の治療に用いられます。
通常は1日2回(朝と夜)、洗顔および保湿後に適量を患部に塗布します。
なお、アゼライン酸の作用は非常に穏やかなため、2~3ヵ月ほどかけてゆっくりと効果があらわれてきます。

アゼライン酸の臨床上の効果

尋常性ざ瘡に対する効果

尋常性ざ瘡の方を対象とした臨床試験では、アゼライン酸を用いた12週間の治療で炎症性皮疹と非炎症性皮疹の数が有意に減少しました。この試験では、アゼライン酸の治療効果は治療開始直後からあらわれることが示されていますが、特に治療開始から2週間後以降は、全観察日でそう皮疹・炎症性皮疹・非炎症性皮疹のいずれもが有意に改善されたという結果が得られています。

酒さに対する効果

酒さの方を対象とした臨床試験では、アゼライン酸による3ヵ月の治療で総皮疹数は大きく減少し、特に丘疹と紅斑についてはプラセボ群に比べて有意に改善されたことが示されました。

アゼライン酸を使用するメリット

アゼライン酸は、ほかのニキビ治療薬(ベピオディフェリンなど)と比較して効果は穏やかですが、刺激感や乾燥などの副作用が少ないのが特徴です。耐性菌の発現も報告されていないため、維持療法として継続使用することも可能です。
また、催奇形性がないことから、妊娠を希望する方や妊娠の可能性がある方にも使用できます。
さらに、アゼライン酸を外用した場合の血中移行量は食事に由来するアゼライン酸摂取量の範囲内であることから、全身的な副作用が発現するリスクも極めて低いと考えられています。
その他、アゼライン酸はメラニン色素の産生にかかわる酵素(チロシナーゼ)の活性を阻害する作用も有するため、ざ瘡が軽快したあとの色素沈着に対する効果も期待できます。

アゼライン酸のガイドライン上の位置づけ

アゼライン酸は、ざ瘡治療に関する国際的なガイドラインにおいて、軽症の面皰などに対する第2選択薬と位置付けられています。
また、日本の※1ガイドラインにおいても、「面皰・炎症性皮疹に、アゼライン酸外用を選択肢の一つとして推奨する」とされています。また、同ガイドラインでは、丘疹膿疱型酒さ(第2度酒さ)についてもアゼライン酸の外用を選択肢の一つとして推奨しています。
ただし、日本ではアゼライン酸の使用は保険適用外であることから、一般的には保険適用のあるほかの薬剤が第一選択薬として使用される場合がほとんどです。
※1 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023

アゼライン酸を使用する上での注意点

アゼライン酸のおもな副作用として、塗布した部分におけるかゆみや赤み、ピリピリ感などの一過性刺激症状が報告されています。しかし、その程度は軽微で、1~2週間ほど使用を続ければ刺激感はほとんど気にならなくなり、赤みも引いてきます。

日常生活における注意点

他の治療法や治療薬との併用に関して

アゼライン酸は、基本的にほかの治療法や治療薬と併用しても問題ありません。
ただし、併用する薬剤によっては、刺激感などが強くあらわれるおそれがあります。また、併用の可否は肌の状態や併用する治療・薬剤に応じて判断する必要があります。
したがって、併用を希望する治療や薬剤がある場合は診察時にご相談ください。

特定の患者さまへの使用に関して

妊娠中または授乳中の方の使用

アゼライン酸は、催奇形性試験で陰性であることが確認されています。そのため、妊娠中の方や妊娠を希望する方にも使用できます。
また、アゼライン酸を皮膚に塗布しても、血中への移行量はごくわずかで、食事に由来するアゼライン酸摂取量の範囲内にとどまります。そのため、授乳中の方にも使うことができます。

お子さまへの使用

アゼライン酸は、12歳以下の小児にも使用できます。
ただし、誤使用を避け、適切に塗布するためには保護者の方の協力が不可欠です。
ご家庭では、幼いお子さまの手の届かない場所に薬剤を保管し、お子さま自身が塗布する場合は目を離さないなど、細心の注意を払うようにしてください。

その他の注意点

アゼライン酸はニキビなどのない部分に塗布しても特に問題はありませんが、傷やかぶれなど皮膚に異常がある箇所への使用は避けてください。
また、眼科用薬ではないため、目の中に入らないように注意してください。万が一目に入った場合は水やぬるま湯で洗い流し、痛みや違和感などが残る場合はすみやかに眼科を受診して適切な治療を受けてください。

アゼライン酸の費用

アゼライン酸には保険が適用されないため、全額自己負担となります。
当院で取り扱いのあるアゼライン酸クリームは、クリニック専売品のロート製薬のAZAクリア(15g)で、1本1,980円(税込み)です。顔全体に使用する場合、1回の使用量の目安はパール粒大(0.25g)で、1本あたり約60回分(約30日分)になります。皮膚の症状が落ち着き、多くの方が効果を実感できる3ヵ月目までにかかる費用は、5,940円(税込み)程度です(15g/本を3本使用した場合)。

よくあるご質問

アゼライン酸と同じ成分の市販薬や化粧品はありますか?

アゼライン酸配合の化粧品は、ドラッグストアや通信販売などでも購入できます。しかし、高濃度のアゼライン酸配合クリームなどは医療機関でしか購入できません。
そもそも、アゼライン酸は低濃度では効果があまり期待できません。また、市販の化粧品はアゼライン酸以外の成分も配合されているため、肌質によっては合わないおそれがあります。
このような弊害を防ぐためにも、病院・クリニック専売製品の利用をおすすめします。

酒さでアゼライン酸を処方してもらったのですが、赤みが強くなってきたので不安を感じています。治療を中断してもいいですか?

酒さにアゼライン酸を外用すると、使い初めに肌の赤みが強くなることがあります。
しかし、この症状は一時的なものです。赤みが生じる時期(1~2週間)が過ぎると少しずつ酒さの症状も改善してきますので、しばらく塗布を続けてください。

ほかのニキビ治療薬を使っていたのですが、肌への刺激が強すぎたためアゼライン酸の使用をすすめられました。アゼライン酸はほかのニキビ治療薬に比べて刺激は少なめなのですか?

アゼライン酸は、ほかのニキビ治療薬に比べて肌への刺激感が生じにくいのが特徴です。使い初めからしばらくの間は、わずかにピリピリ感などを感じることもありますが、刺激感が原因で治療を中断せざるを得ない症例はほとんどありません。
万が一、肌への刺激感が続く場合は、使用回数を1日1回に減らす、あるいは使用頻度を1日おきにするなどして様子を見ながら使用することも可能です。
ただし、肌への刺激感や痛みがどんどん強くなる場合などは、早めに受診して診察を受けてください。

アゼライン酸クリームの開封後の使用期限を教えてください。

開封後のアゼライン酸クリームは、できるだけ早く使い切るようにしてください。開封後の使用期限は保管状況にもよりますが、6ヵ月程度が目安になります。
なお、万が一クリームが分離・変質した場合は使用を避けてください。誤って使用すると、肌の状態が悪化するおそれがあります。

アゼライン酸をニキビなどの症状のないところに塗っても大丈夫ですか?

ニキビなどの症状がない部分にも、アゼライン酸は外用できます。
ただし、傷やかぶれのある部分などには使用しないでください。また、目の中に入らないようご注意ください。

アゼライン酸クリームの詳しい使い方を教えてください。

アゼライン酸クリームは、朝晩の洗顔後、化粧水や乳液、クリームなどで十分に肌を保湿してから、気になる部分や顔全体にやさしく塗布してください。顔全体に塗布する場合、使用量の目安は約0.25g(パール粒大、約1cm程度)です。

アゼライン酸は皮脂の分泌を抑える作用があると聞きました。乾燥肌なのですが、使っても大丈夫でしょうか?

アゼライン酸クリームは、肌が乾燥気味の方でも使えます。
ただし、使い始めは肌のカサカサ感を強く感じるかもしれません。そのため、肌を十分に保湿してから使用するように心がけてください。

 

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