乾癬治療薬一覧(外用薬)

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乾癬治療に用いられる外用薬⑴:ステロイドとビタミンD3

尋常性乾癬(以下、乾癬)には様々な治療方法がありますが、その基本は外用療法(塗り薬での治療)です。そして、乾癬治療に使われる外用薬としてはステロイドとビタミンD3の2種類が中心になります。

まずステロイドには皮膚の炎症をおさえて赤みを改善する効果があり、効き目が早いのが主な特徴です。乾癬の症状が増悪した時に集中的に用いることで、症状を一気に抑えることができます。症状が落ち着いてきたら弱めのステロイドやビタミンD3製剤での治療に切り替えたり、薬を塗る量を減らしたりして、皮膚を安定した状態にコントロールしていきます。ステロイドは漫然と塗り続けていると、皮膚の萎縮・毛細血管の拡張・ニキビ・易感染性などの副作用があらわれることがあるので注意が必要です。

次にビタミンD3は、乾癬による皮膚の異常角化を抑える働きがあります。尋常性乾癬では皮膚の角化スピードが通常の10倍になると言われており、ビタミンD3はこの異常な角化を抑えることで、皮膚を正常な状態に導いてくれます。簡単な理解としては、乾癬による皮膚の盛り上がりやフケを減らす作用ともいえます。ただし薬の効果が出るまでには少し時間がかかるため、ある程度落ち着いている皮疹に使うのに向いています。

また、重篤な副作用として腎不全の症状(尿の減少・むくみ)や高カルシウム血症(だるい・食欲低下・吐き気)の症状が見られる場合があります。まれな副作用ではありますが、使用する量が多い方や腎機能に不安がある方は時々血液検査を受けておくと安心して治療を継続できます。

このようにステロイドとビタミンD3はそれぞれ異なる特徴をもつため、患者さまの症状に応じて組み合わせながら治療を行います。

実際の外用治療としては、最初はステロイド軟膏を中心に使い早めに炎症を抑え、症状が良くなるとともにステロイド軟膏の塗る量を減らしつつ、徐々にビタミンD3を中心とした治療に移行することが多いです。

しかし現実には2種類の薬を外用することや、症状に合わせて薬を調整することを大変に感じる患者さまもいらっしゃると思います。

そういった負担により充分な治療を継続することが難しく、結果として満足のいく治療効果が得られないこともあるとさえ言われています。1)

1)中川ら:日皮会誌, 115(10), 1449(2005)

乾癬治療に用いられる外用薬⑵:ステロイドとビタミンD3の混合薬

そんな患者さまの負担を軽減するために、現在ではステロイドとビタミンD3の混合薬が開発・販売されています。

「今まで使っていた薬を混ぜただけ?開発と言うには大げさでは?」と、思う人もいるかもしれませんが、これは意外とすごいことなのです。ステロイドとビタミンD3をただ混ぜ合わせても時間経過とともに効果が低下してしまうという問題があるのですが、特殊な製法で混合することにより解決しています。

ステロイドとビタミンD3製剤を混合した外用薬は2種類あり、一つがドボベット(レオファーマ株式会社・協和発酵キリン株式会社)、もう一つがマーデュオックス®(マルホ株式会社)です。

尋常性乾癬に対して2種類の薬を塗っていた人達の薬を混合薬に変更したところ、9割の患者さまの皮疹が改善し、8割の患者さまの満足度が改善したという報告もされており2)、尋常性乾癬に対する治療法としてステロイドとビタミンD3の混合薬は非常に効果が期待できるものの1つです。
2)橋本ら:臨皮74(3):271-278,2020

これらの混合薬では、約4週間で治療効果が現れると言われており、まずはその期間を目安に治療を行います。混合薬が出てきたことにより、まず混合薬で症状を抑え、症状が良くなるとともにビタミンD3を中心とした治療に移行するという治療選択肢もできるようになり、より幅広い治療が可能になっています。

乾癬治療に用いられる外用薬まとめ

 

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