シミ・そばかす

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シミ・そばかすとは?

顔面にできやすいシミには、老人性色素斑、肝斑、そばかすなどがあります。

老人性色素斑(日光黒子)

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一般的に認知度の高いシミは老人性色素斑のことを指しています。

20代~30代から薄茶色から濃く目立つようになり、境界線がくっきりしています。

頬骨、こめかみ、手の甲あたりに、数ミリから数センチの丸形~楕円形の斑点が散らばるような見た目をしており、盛り上がりのある脂漏性角化症になるケースもあります。

加齢とともに誰の皮膚にもできやすいものですが、日光を浴びる機会が多い人は20代からもできる可能性があります。

また、妊娠やストレスなどの影響を受けて、ホルモンバランスが崩れることでしみが一時的に濃くなることも。

雀卵斑(そばかす)

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そばかすは雀卵斑とも呼ばれ、直径3ミリ前後の小さな褐色斑です。

シミと同様に紫外線を浴びることで濃くなることがありますが、遺伝によるところが大きいのが特徴です。

思春期になると、鼻の周辺から頬のあたり、また前腕や首のあたりに広がってできることが多いのですが、早い人では3歳頃から現れ始めます。

紫外線の強いシーズン(4月~初秋)にそばかすの色は濃くなり、紫外線が比較的弱い冬などには薄くなりやすいです。

肝斑(かんぱん)

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肝斑は、シミやそばかすとは異なるものですが、重複して発症することもあります。

女性が30~40代に入ると徐々に現れ始めるか、または妊娠や経口避妊薬をきっかけに発症することもあります。男性にみられることはきわめてまれです。

境界線があまりはっきりしていない褐色の大きな色素斑が「左右対称」に生じるところが特徴。

目の周辺にはできません。高齢者になるとほどんと肝斑は発症しません。

シミ・そばかすの原因

老人性色素斑、肝斑、そばかすは、それぞれできる原因や過程が異なります。

老人性色素斑は、紫外線を浴びることによる皮膚の老化現象のひとつで、表皮のターンオーバー(新陳代謝)のサイクルが遅滞したり、メラニン色素が過剰につくられたりしたときに起こります。紫外線に当たった肌を守るために、メラノサイト(色素細胞)が黒色メラニンを大量につくり、それが表皮に向かって押し出されていきます。通常はターンオーバーで排出されるのですが、加齢によって排出しきれなかったメラニンが表皮にたまり、色素沈着してシミになるというメカニズムです。

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そばかすも老人性色素斑と同様に、紫外線を浴びると色が濃くなります。そばかすの主因は遺伝によるもので、メラノコルチン1受容体(MC1R)の遺伝子多型が一部の発症に影響していると考えられています。年齢を重ねていくことで色素は薄くなる傾向にあります。

肝斑は、老人性色素斑やそばかすとは少しタイプの異なるシミです。性ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌が変化したり、紫外線、過度のマッサージなどの外部刺激を受けたりして、メラノサイトが活発化することで発症すると考えられています。

シミ・そばかすの診断

医師による視診が中心です。さらに、ダーモスコピー検査も色素斑の診断方法として有用なこともあります。

シミ・そばかすの治療

老人性色素斑やそばかすの治療には、レーザー療法や凍結療法が短期で効果を発揮するものとして認められています。Qスイッチルビーレーザーは、シミやそばかすの原因となる、メラニン色素が過剰に溜まっている原因細胞を破壊することで消すことが可能。再発もほとんどないと言って良いでしょう。

肝斑の治療には、ハイドロキノン(漂白作用)の外用薬、あるいはトラネキサム酸やビタミンCの内服薬を処方することが一般的です。

ハイドロキノンはメラニンの合成を抑制する効果のある薬で、医療機関あるいは薬局で手に入ります。使用によっては皮膚にかぶれなどを起こすことがあるので、その場合は使用を中断し、医師に相談してください。

トラネキサム酸は医療機関で処方されるほか、一般用医薬品として薬局などで購入することもできます。ただし、第一類医薬品のため服用には注意が必要です。服用してから効果が出るまでに2か月以上かかると考えられていますが、安全性のため、休薬が必要です。また、血栓溶解を阻害するため、一部の薬との併用は禁忌であるなどです。医師または薬剤師から説明を受け、用量と用法をよく守って服用してください。

肝斑へのレーザー治療は、かえって色素が濃くなってしまうため避けるようにと言われてきましたが、昨今は弱いエネルギーに調整して照射することで治療が可能になってきたと言われています。レーザーでの肝斑治療を希望する場合は、皮膚科などを受診して、指示を受けるようにしましょう。

いずれの治療も美容目的となるため、保険適用外になるケースがほとんどです。

その他の治療

トレチノインは、表皮の奥深くに存在するメラニン色素を体外に排出するのを助ける作用があります。2~4週間ほどでメラニン色素を排出できるため、医療機関でトレチノインのジェルや軟膏が、シミやそばかすの治療薬として処方されることがあります。肝斑の治療としても効果が認められていますが、治療は比較的長期にわたります。

トレチノインによる治療の初期には、患部の皮膚に赤みが出て皮膚が剥離します。刺激の強い薬なので、治療期間中は担当医の指示に従い、定期的に診察を受けるようにしてください。

シミ・そばかすの予防や注意事項

老人性色素斑とそばかすは、紫外線を浴びることで発症・もしくは悪化するので、紫外線を防ぐことが最も重要な予防方法となります。

紫外線が強くなる春~夏シーズンは、日焼け止めを顔や首筋、腕など露出する部位に塗り、日傘や帽子、UVカット効果のある衣服などを使用しましょう。曇りの日でもSPF値やPA値の低い日焼け止めを塗ることをおすすめします。

SPF値とは、紫外線が当たってから短時間で肌に炎症や赤みを引き起こし、黒色へ色素沈着させる作用のある紫外線B波(UVB)を防ぐ効果を表す指標。PA値とは、短期的な黒色の色素沈着と、徐々に肌から弾力を失わせる作用のある紫外線A波(UVA)を防ぐ効果を表す指標です。

日焼け止めを塗った日は、クレンジング剤や洗顔剤を使ってきちんと肌を洗浄し、流し落としましょう。肌に日焼け止めがついた状態で就寝などしてしまうと、汚れの原因となり肌トラブルを引き起こしやすくなります。

また、ビタミンCを含む食事は、表皮のターンオーバーを促進するため、老人性色素斑やそばかすの改善に効果があります。ただし、紫外線があたるとかえってシミ・そばかすが悪化しやすくなるので、日中よりも夜間の摂取がおすすめです。ビタミンCは柑橘類、いちご、トマト、ピーマン、じゃがいもなどの野菜やくだもの、緑茶に多く含まれています。

いずれも、バランスの取れた食事と睡眠、適度な運動を行い、ストレスを溜め込まないようにすることで、ある程度悪化を抑制することが期待できます。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。