陰部湿疹・陰嚢湿疹

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陰部湿疹とは?

陰部湿疹とは、男性器や女性器の周辺(デリケートゾーン)に湿疹ができる症状で、主に赤みやかゆみ、ぽつぽつとした発疹が生じます。慢性化すると皮膚が硬化することがあります。陰部や内もものあたりは皮膚が薄く、また湿気も溜まりやすいため、放置していると早い段階で悪化します。

原因について詳細は後ほどご説明しますが、まずは湿疹なのか感染症なのか、それとも別の病変なのかを早期に診断することが治療のうえで重要になります。

陰部湿疹は、男性の場合は陰嚢の裏側に湿疹を発症することが多くあります。夏場になるとかゆみは激しくなり、ぴったりとした下着を着用していると不快感が大きくなります。汗やムレ、通気性の悪さによって雑菌が繁殖しやすくなることなどが原因として考えられます。

女性の場合は外陰皮膚掻痒症という独特の陰部湿疹があります。更年期以降に発症するケースが多く、原因ははっきりとは特定されていません。女性ホルモンの低下で皮膚の新陳代謝が衰えることが原因の一つではないかと言われています。

炎症がひどくなると血管から組織液という水分がしみだしてきて、皮膚がさらに敏感になりやすくなります。かゆみが強いと掻きむしりたくなりますが、掻いてしまうと皮膚を傷つけてしまい別の感染症にかかる危険性もあります。

陰部湿疹の原因

陰部にかゆみや赤みなどの症状が出ることの多い疾患には次のようなものが挙げられます。

一つは脂漏性湿疹です。これは脂漏部位と呼ばれる、例えば頭皮や耳の裏側、わきの下、股間や外陰部など、皮脂の分泌が盛んな部位によく見られる疾患です。表皮の常在菌が皮脂を食べて分解することで、生み出された物質が皮膚を刺激します。

脂漏性湿疹の原因となる常在菌(マラセチア)は、一般に多くの人の肌に存在するため、一概に存在が悪いとは言えません。紫外線や摩擦・刺激などの環境的要因、睡眠不足やストレス、ビタミン不足といった身体的・精神的要因などがさまざまに関連することで発症する多因性疾患と考えられています。また、脂っこい食事を好む生活習慣などで発症の頻度が上がりやすくなります。

もう一つ考えられるのは、カンジダ属の真菌(かび)によるカンジダ症などの感染症です。カンジダは人の口腔内や消化管、膣などに常在しており、通常は人体に害をおよぼしません。しかし、何らかの理由で常在菌のバランスが崩れると粘膜や皮膚の湿った部位などで増殖しやすく、陰部の粘膜や鼠径部、わきの下、乳房の下側、睾丸、口腔内などで感染症を引き起こすことがあります。高齢や病気による免疫力の低下、糖尿病、高温多湿の環境、副腎皮質ホルモン剤の使用などが原因としてあります。また、膣カンジダ症の場合は妊娠、生理用ナプキンの長時間使用などによっておこるケースもあります。

このほか、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などの可能性も考えることができるでしょう。

陰部湿疹の診断

陰部を医師に見せるのは恥ずかしいと感じるかもしれませんが、前述のとおり放置していればいるほど悪化しやすい部位なので、正しい診断を受けるようにしましょう。

診断は主に問診と視診などによって行われます。また、湿疹によってはがれている表皮の一部を採取して顕微鏡で調べる、あるいは培養して原因となるような真菌を観察する(真菌検査)、といった方法もあります。膣カンジダが疑われる場合は内診でおりものを採取しますので、婦人科受診を要します。

受診が必要な陰部の症状セルフチェック

陰部に該当する症状がないかチェックしてみましょう。

陰部にこれらの症状が1つでもある場合は、受診をおすすめします。
かゆみの原因が感染症の場合、市販薬では十分な効果が期待できない場合や、かえって症状が悪化する場合もあります。また、感染症を放置すると不妊をまねくこともあります。デリケート部分だからこそ、早めに治療を受けるようにしましょう。
なお、陰部の症状をチェックしていておりものの変化に気付いた場合は、すみやかに婦人科を受診してください。
おりものの変化の原因が子宮の病気や加齢などの場合は、婦人科での治療が必要になります。

陰部湿疹の治療

陰部湿疹の原因はいくつか考えられるため、疾患を特定することが大切です。

一般的にステロイド剤の外用薬を塗布することがよくありますが、陰部は皮膚が薄くデリケートなため、長期にわたる使用はかえって刺激になってしまいます。処方量は少なめに、適切な強さの薬で、できるだけ短期間の使用を目指します。

» ステロイド外用薬の詳細はこちら

症状が長引くとステロイド薬の使用期間ものびてしまうので、補助的にかゆみ止めなどの目的で内服用の抗ヒスタミン剤も処方することがあります。このほか、感染症が原因の場合は、その種類に応じて抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質などを用います。

» 抗アレルギー薬の詳細はこちら

その他の治療

デリケートゾーンの疾患は自己判断で市販薬を塗ると、炎症を悪化させたり別の症状が出たりして日常生活に支障が出やすいので、まずはご相談ください。

陰部湿疹の予防や注意事項

陰部湿疹は汗や皮脂、尿、汚れといった刺激になるものの付着や、洗いすぎ、こすりすぎ、乾燥、衣服との摩擦などによっても発症します。これらを避けるために、正しい入浴や洗浄を行うことが大切です。

入浴時、洗浄力が強くて皮脂を洗い流しすぎてしまうボディソープの使用や、繊維の固いナイロンタオルなどでごしごしこすることは避けてください。低刺激性の石けんを泡立て、やさしく洗いましょう。

下着も刺激が少なく通気性が良い素材・形を選びましょう。

また、ストレスや睡眠不足、アルコールや喫煙、ビタミン不足なども陰部湿疹を悪化させるので、規則正しい生活を心がけてください。

よくあるご質問

陰嚢湿疹で皮がパリパリです。どうしたらよいでしょうか?

症状に応じた外用薬で改善する可能性が高いです。

陰嚢湿疹といんきんたむしとの見分け方はありますか?

真菌検査をすることで見分けることができますのでご受診ください。

 

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。