あなどれない肌の乾燥。トラブルの原因とスキンケアの方法

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夏の間は気にならないのに冬場になると肌がカサカサするというのが気になる方も多いかもしれません。
夏の気候は高温多湿に対して冬は低温低湿、肌も乾燥しがちです。肌の乾燥を放置しておくと病気のもとになることも。乾燥肌のトラブル対策、スキンケアの方法をふまえてご紹介します。

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乾燥肌とは?

一般に、乾燥肌というと肌の皮脂や水分が不足することを指します。潤いがなくなり、肌は粉をふいたような見た目やパサつき、触るとカサカサになっています。肌のかさつきだけでなく入浴後の肌のツッパリやかゆみといった症状も肌が乾燥している状態です。

乾燥しやすい部位

乾燥しやすい部位

足のスネやひざ、ひじ、足の裏などがあります。顔も乾燥しやすく、特にあごや両頬、目の周りや唇の乾燥にはケアが必要です。
肌にはバリア機能が備わっており、外部刺激から体を守ると同時に水分を保持するといった機能も備わっています。肌の乾燥した状態が続くとバリア機能が低下し、アレルギー物質や化学物質が皮膚に入り込んだり、物理的にも刺激をうけやすくなります。水分を保持する機能も弱くなり皮膚はさらに乾燥するようになるのです。

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乾燥肌は放置しておくと病気になることも

乾燥が強い肌は皮膚バリアが弱く、少しの摩擦でも炎症やかゆみが起きてしまいます。痒いからと掻いてしまうと皮膚はかき壊され、直接神経を刺激するためかゆみは強くなるという悪循環に陥ります。
また、皮膚バリアが壊れている状態は敏感肌の状態です。健康な肌では問題とならない石鹸や化粧水などでも痒みや痛みを感じてしまうこともあります。さらにダニの死骸やハウスダスト、花粉などのアレルゲンは破綻した皮膚バリアを通って体内に入るとアレルギー反応を起こし、かゆみや湿疹を引き起こす原因となるのです。

このように、乾燥肌を放っておくと皮膚のトラブルは悪化する一方、皮膚の病気になってしまうこともあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はかゆみと湿疹が特徴的で慢性に経過する罹患率も高い皮膚疾患です。多くは乳幼児でみられていましたが、最近では成人での発症も多くみられます。
アレルギーや遺伝、生活習慣や喫煙などが発症に関与しているといわれ、皮膚のバリア機能低下も考えられている原因のひとつ。アトピー性皮膚炎は乾燥しやすく保湿が重要といわれる一方で、バリア機能が低下した乾燥肌がアトピー性皮膚炎のきっかけともいわれます。

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乾皮症(皮脂欠乏症)

皮膚の乾燥が進み、カサカサになった皮膚が剥がれ落ちるようになった状態を乾皮症とよびます。スネの部分がウロコのようになっていた要注意です。皮膚の水分や皮脂が足りていない状態であり、かゆみも出てきてしまいます。

乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)

肌が乾燥することによって湿疹が生じることを皮膚欠乏性湿疹とよびます。乾燥しやすい冬場に多く、年代としては高齢者で多くみられるものです。乾燥しやすいスネの部分に多く、かゆいからといって掻いてしまうと皮膚バリアは壊されさらに乾燥はすすみ、湿疹の状態も悪くなってしまいます。

乾燥肌の原因

皮膚の一番外側にある角層は1/50~1/100mmととても薄いですが、細菌やほこりなど様々な外部の刺激から体を守る働きをしています。この角層部分が乾いてしまうと皮膚のバリア機能が壊れてしまい外からの刺激にとても弱くなってしまいます。

加齢

皮膚が乾燥しやすくなる大きな原因の一つは加齢です。年を重ねるごとに皮脂の分泌や肌の水分、セラミドなど皮膚の潤いのもととなるものが減っていく傾向にあります。
また、年を重ねるごとにホルモンバランスの乱れも生じます。特に女性ホルモンの「エストロゲン」は肌の弾力やハリに大きく関わっているといわれ、加齢により女性ホルモンが減っていくことが肌の老化、乾燥につながるのです。
このように、若いときにはなにもしなくてもきれいだったお肌が年齢とともに乾燥しやすく、ハリやつやがなくなっていきます。

子ども

意外に思う方もいるかもしれませんが、子どもの肌も乾燥しやすいため注意が必要です。見た目にウロコ状や湿疹はなくても触ってみるとカサカサということが頻繁にみられます。角層は大人の半分程度の皮膚バリアで、皮膚は容易に乾燥しやすく外部からの刺激にとてもよわい状態です。
細菌やウイルスなどの感染による皮膚トラブルだけでなくアレルギーの原因になってしまうこともあります。

ターンオーバーの乱れ

肌は、ターンオーバーといって常に新たな細胞に置き換わることによりバリア機能が保たれます。しかし、生活習慣の乱れや睡眠不足、ストレスなどでターンオーバーの乱れがおき、サイクルが早まる遅くなるといったことがおきます。ターンオーバーの乱れはバリア機能の低下、水分も逃げていきやすくさらに肌は乾燥するのです。

紫外線による日焼け

紫外線は日焼けの原因ですが、紫外線をあびると皮膚は軽くやけどをしたのと同じ状態になり角質層が炎症をおこしています。炎症を起こした角質層はバリア機能が低下、肌の水分がうばわれていくのです。

空気の乾燥

冬場の外気は乾燥しており、肌の乾燥の原因です。それ以外にも屋内での空調の使用、冷房や暖房を使用すると空気は乾燥してしまいます。乾燥した空気にさらされた肌は水分が蒸発しやすく乾燥肌となるのです。

間違った入浴法とスキンケア

身体をあるときにタオルでゴシゴシとこするのは汚れを落とすだけでなく肌を傷つけてしまい物理的に皮膚バリアを壊すことにつながります。さらに、洗浄力の強いボディソープをつかうことは肌に必要な皮脂まで取り去ってしまうことで乾燥しやすい状態に。
入浴の湯温を40度以上に設定すること、5分を超えて湯舟につかることも必要な皮脂を奪ってしまいます。また、お風呂からでて早めに保湿をすることも大切です。

乾燥肌の予防とケア

皮膚の一番外側にある角層は1/50~1/100mmととても薄いですが、細菌やほこりなど様々な外部の刺激から体を守る働きをしています。この角層部分が乾いてしまうと皮膚のバリア機能が壊れてしまい外からの刺激にとても弱くなってしまいます。

保湿

乾燥肌の対策で大切なのは保湿です。日頃から洗顔後のスキンケア、入浴後のボディーローション、手を洗ったあとのハンドクリームは必須。皮膚を洗った後は皮脂もおちて乾燥しやすい状態なので早めに保湿剤を使うようにしてください。顔、体の保湿は、入浴後はもちろんですが、1日2回以上外用することがおすすめです。
主な保湿効果が期待できる成分は、ヒアルロン酸やグリセリン、セラミドなど。ヒルドイドなどヘパリン類似物質含有製剤などもよく使われます。
刺激の少ないものを選んだり、二の腕などで試してかゆみなどのトラブルがでないことを確認すると安心して使うことができるでしょう。

» ヒルドイドの詳細はこちら

清掃を保つ

皮膚トラブルの対策、予防には清潔ケアも大切です。皮膚に付着している細菌やウイルスだけでなく、古い角質や酸化した皮脂などを洗い流すことで皮膚への刺激を減らすことができます。洗うときには洗浄力の高すぎるボディソープは避けるようにし、たっぷりの泡でなでて洗うのが好ましい洗い方です。
洗った後には早めに優しくタオルでふき取り、しっかり保湿剤を使うようにしてください。

加湿器を使う

肌に直接触れる環境が乾燥していると水分も蒸発しやすくなります。特に暖房や冷房など空調機器をつかうと屋内が乾燥しやすいので注意が必要です。
空調の温度設定に気を付けたり、加湿器を一緒につかう、濡れたバスタオルを屋内に干しておくといった工夫もおすすめです。

乾燥肌が気になったら受診を

少しの肌のカサカサであれば市販の保湿剤でのセルフケアで改善するかもしれません。しかし、市販の保湿剤が合わない、かゆみや湿疹が出てしまった場合などにはセルフケアをするだけでなく早めの受診をお勧めします。
オンライン診療が普及し、医療機関に足を運ばなくても受診、相談できるようになりました。当院では初診からオンライン診療を受け付けております。お肌のトラブルが気になった場合にはぜひ利用してみてください。

» オンライン診療の詳細はこちら

まとめ
  • 乾燥肌は痒みや湿疹の原因にも
  • 乾燥肌の原因は皮膚バリアの低下
  • 乾燥しやすいのは顔、スネ。乾燥しやすい人は高齢者と子ども
  • 保湿剤で乾燥肌の予防とケアを

 

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。